全国的なインフルエンザ大流行
厚生労働省の平成30年1月26日の発表によると、全国で推計患者数が283万人で、北海道や東北を覗いて全国一斉にインフルエンザの大流行が起こり、調査を始めた1999年以来最多になったことが報告されています。
この原因として考えられているのが、インフルエンザのA型とB型が同時に流行したことがあるようです。 インフルエンザは表面の抗体によりA.B.Cがありますが、非常に感染力が強く症状も強く出るA型、喉の症状はありますが39度を超えるような高熱の症状を来さないB型、そして殆ど流行を起こさないC型があります。
例年の傾向ですと12月から1月にかけて感染力の強いA型が先に流行してピークを迎え、感染が鈍化した1月から3月にかけてB型の感染が増えるのですが、今期はB型の感染も同時に起こり大流行を全国的に引き起こしている様です。
昨年の11月頃のニュースにもなったのですが、昨年のインフルエンザワクチンの供給が遅れたことが原因の一端かも知れません(まだ統計が出ていませんので私の個人的な見解ですので鵜呑みにしないで下さいね)。
インフルエンザワクチンはその年に流況が予想される株を厚生労働省がWHOなどとも連携して決定してゆきます。 それが昨年秋からメーカーが製造する直前に「株」を変更したために、メーカーの製造開始が遅れて、結果的にワクチン不足を招きました。
特に小児の場合は免疫がつきにくいために2回の予防接種を行っていたのですが、供給不足で1回接種や打たない子供さんも例年より増加しました。 このこともあり、今年は大流行する可能性があると考えられていたのです。
ワクチンを打っても絶対インフルエンザにならない保証もありませんし、アレルギー反応などの副反応もあります。しかし子供を含めた集団でワクチンの接種率が上昇するとインフルエンザの流行は起こり難いことがこれまでの疫学調査で判っています。
特に、子供のワクチン接種が低いと保育園、学校での集団の中で大流行が起こります。するとその両親や両親に変わって面倒を看ている祖父母にも感染が広がります。それから周りの人々に感染が広がる悪循環が出来上がってしまうことがあるのです。
今年の大流行はこの様なことも重なって全国同時に大流行が起こったのではないかと思うのです。
インフルエンザではやはり基本的な手洗い、マスク、うがいなどで防ぐしかありませんし、B型インフルエンザは高熱を来さないこともありますので、周りにインフルエンザがいたり、微熱程度でも喉の痛みや咳などの風邪症状があれば、インフルエンザを疑い、周りにうつさない配慮も必要と考えます。 感染のリスクが高くない疾患なら風邪をひいても仕事を続けるのは日本人の美徳と考えられていましたが、他人にうつさないために仕事を休むのも重要です。
感染を蔓延を防ぐ為にインフルエンザのワクチンの集団接種や、罹った時に休みをとりやすい社会に変える必要が迫られている時代になっています。
皆様方もどうぞ、お大事にお過ごし下さいね
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コメント
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おはようございます。
昨年末生まれて初めて
インフルエンザに罹りました。
症状もさることながら、
ウイルスが抜けるまで
仕事を休まなければいけないので
仕事が溜まって大変でした。
しかも、会社の隣の席の人にもうつしてしまい
甘かったと、反省しきりです。
こんな事になるくらいなら
予防に力を入れる方がよっぽど楽ですね。
投稿: monna | 2018年2月 1日 (木) 09時06分
monnaさん、こんばんは。
そうでしたね、monnaさんのブログでこれまでインフルエンザに罹ったことがなかったのに年末に罹って大変だったと書いてありましたね。
予防接種を受けたから絶対に罹らないことではありませんが、それ以外に予防策はありません。あとは手洗いうがいなどを徹底するしかありません。
大丈夫と思っても、もしも罹った場合に、自分自身の仕事も大変ですし、周りにうつしてしまう危険もありますので大変なことになります。
当院も含めてですが、全国的に病院もこの対策に追われています。
投稿: omoromachi | 2018年2月 1日 (木) 19時18分