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2017年11月19日 (日)

世界を夢みて 66: ヴィエリチカ岩塩坑(世界遺産)

クラクフから南東15Kmにヴィエリチカという小さな町があります。ここは町の美しさのための観光地ではなくて、地下が重要な観光地となっています。

1250年から1950年代まで稼働していた、世界有数の岩塩採掘場がこの町の地下には編み目のように広がっています。この規模や美しさから1978年に世界遺産に登録されています。

ヨーロッパにはハルシュタット(ハルはケルト語で塩、ショットはドイツ語で場所)やザルツブルグ(ザルツはドイツ語で塩、ブルグは町)など岩塩が見つかった場所を中心に町が発展してゆきます。またイタリアの最古の道といわれるビア・サライアは「塩の道」の意味です。

周りを海に囲まれた私達は比較的塩を簡単に手に入れることが出来たため、この重要性を認識出来ないのかもしれません。

人間は塩がなければ生きることが出来ません。人間の祖先はアフリカ起源とされ、これがヨーロッパへと徐々に移動し、白人となって行きます。 しかし人間は塩がないと生きてゆけませんので、人の移動もヨーロッパの海岸沿いに沿って北上して行ったのです。そのため海から遠い内陸部には人は移動できませんでした。

ところがヨーロッパ大陸にはもともと海であった部分が隆起した所があり、その地下には海水が濃縮され、岩塩となって残っていた場所があったのです。 

この岩塩を探し出したお陰で人が住めるようになり次第に内陸にも人間が進出することが可能となります。 当時は塩は非常に貴重で金と同じ値段で取引されていたのです。この場所が見つかった国家は岩塩の採掘により莫大な富を得て、町を発展させていったのです。そのため国家は採掘場所を保存監視したのでした。

Th_dsc06993_2 このヴェエリチカ岩塩もポーランドの国家財政を支えた一つで、厳重に管理されたいました。現在観光客は地下64〜325mの約2.5Kmの採掘場のほんの一部を見学出来る様になっています。それでも巨大ですので迷子にならないためにガイドさんと一緒に入るようになっています。

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坑道へは抗夫達も使ったエレベータで降りてゆき、そこからガイドさんと共に2〜3時間のツアーとなります。

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後は入り組んだ道や大きな空間を通り奥へと進みます。

最初の空間ですが、補強のための木材以外は全て岩塩です。ちなみに歩きながら壁に付いた手を舐めても塩辛いです

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全て塩の結晶で出来上がっています

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抗夫達が自分や家族を想い祈りを捧げたのでしょうか

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更に奥へそして深くなってゆきます。道も壁も天井も全て岩塩です。

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突然、地下の岩塩の採掘場に出来た巨大な空間、聖キンガ礼拝堂がみえて来ます。こんな場所が地下奥深くにあるとは想像出来ませんでした。遠景から眺めるだけで身震いする感動に襲われてしまいます。これも全てが塩で出来ています。

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この祭壇も全て塩で出来たものです

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天井から吊された巨大なシャンデリアも全て岩塩の結晶で出来上がっています

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聖キンガ礼拝堂の側面に彫り込まれた「最後の晩餐」のレリーフも全て塩で出来ています。

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地下深くには湧き水が出ますが、岩塩の中をしみ出ていますので、99%の飽和状態の水です。もしも泳いだら、有名なイスラエルの死海よりも軽々と浮くはずです(ちなみに死海の塩分濃度は40%程度です)

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この様に高い空間も存在します。

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ここの売店で売られていた塩の標本です。塩に含まれるミネラルの量で色合いが違うそうです。まるで水晶のような宝石に見えます。

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出口の近くには営業を続けているレストランもあります。この様な所でランチを食べてみたいですね。

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地上に出ると直営店もあり、様々な塩の商品を売っていました。高くもないのでここで自分用と友人用のお土産を買って帰りました。

**今回でバルト三国・ポーランドの旅も最後となります。すでに次回の場所も決めております**

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コメント

院長先生
 こんばんは。
バルト三国とポーランドの旅のご紹介ありがとうございました。
行ったことがない国々でしたので、嬉しく拝見致しました。
そして最後の「ヴィエリチカ岩塩坑」凄いですね。
全て岩塩で構成されているのですね。
礼拝堂やシャンデリアまで・・・。舐めたらしょっぱいので
確認できますね。
岩塩は美味しいと思います。
私も確か?ドイツの何処かで?岩塩を購入した覚えがございますよ。

 新しい国の旅行記のご紹介お待ちしております。

マコママさん、こんばんは。

今回初めてのバルト三国は、私が想像した以上に美しい街でIT化も進んだとても住みやすい国々でした。
2度目のポーランドもやはり美しい場所でした。これまでに行きたい場所のひとつでしたアウシュビッツも今回は回れて、色々なことを考える機会になりました。 
旅は行く前も、道中も、そして行った後も楽しめますね。マコママさんも沢山海外を旅行されていますので、想い出を読みがいらせながらまたリニューアルされて下さいね。

何千万年の海の成分の濃縮している岩塩ですので、ミネラルも豊富で美味しく頂けますね。多めに買って来ましたので、しばらくは塩にはこまらなくて済みそうです。

omoromachi様、初めまして

この旅行読ませて参考にしております。
来月、バルト三国を予定しております、

このブログでリガなどの綺麗な写真を載せて貰い
こらからの旅行を楽しみにしています。

期間は10日間で、格安ツアーで出かけますが
注意点やアドバイスがありました教えて下さい。

このブログのバルト三国記と旅行地も重なる為
とても参考になっています。有り難うございます。

次の旅行記は何処なのでしょうか? 私はこれまで
イギリス、フランス、イタリアは行ったことがあります。

アウシュビッツも必ず観てみます。負の遺産ですが
私もomoromachi様に共感致しました。

ジュリオンさん、こんばんは。そして始めまして。

これからバルト三国に行かれるのですね。とても良いところですよ。街並みが綺麗で、住む人々も勤勉で好感が持てました。

最近人気が出ていますので、多くは私と同じ様なコースを辿るツアーが多いと考えています。

寒い時期となりますので、防寒対策が重要でしょうか? おそらく北の国ですので、日がとても短いと思いますので、屋内で過ごす場所の選定が難しいかも知れません。 

そうなるホテルの位置が重要となると思いますので、日本の出発の前からホテル位置を確認し、周囲のカフェやレストランあるいは音楽などが聴けるライブハウスなどを早めにチェックした方が良いと思います。 寒い中でお店を探しながらは辛いかも知れません。

アウシュビッツは楽しい場所では在りませんが、どうか見てきて下さい。ジュリオンさんのこれかの人生にも影響を与えるかも知れません。それでもどんな状況でも人は素晴らしことを決して忘れないで欲しいと願っています。

次回からバルト三国を離れます。また機会がありましたらお寄り下さいね。 素敵な旅となりますことをお祈りしています。

こんばんは。
ヴィエリチカ岩塩坑、すごいですね。

全部塩となると、生き物もいない清められた
特別な空間って感じがしますね。

特に地下の礼拝堂には驚きです。
パキスタンの方にいただいた、
小さな岩塩ライトを愛用していますが、
それでも非常に硬く、重いので
こんな塩の塊を昔の技術でこれだけ繊細な彫刻を作るのには、
どんなに大変だったろうと、古の人の信仰心の深さに
思いを馳せてしまいますね。

monnaさん、こんばんは。

この空間全体が塩で出来ていますので、細菌も含めて生物は住みにくいと思います。それだけ清潔だと言うことでしょう。

仰せのように岩塩は重くてずっしりとしています。削って舐めても色々なミネラルも含まれているような濃厚な塩です。

岩塩坑の壁には昔のノミで削ったような後が見受けられ大変な想いで採掘をしていたと想像します。時には事故にも巻き込まれたのかも知れません。自分や家族の安全を願って、この様な洞窟の空間で神に祈りを注いでいたのでしょう。

ヴィエリチカ岩塩坑は最初の世界遺産に登録されるだけの規模と美しさを兼ね備えている岩塩坑でした。

まだ行ったことのない国ですが、素敵ですね。
西洋文化のすばらしさを改めて拝見させていただきました。
すてきな記事をありがとうございます。

しげまるさん、おはようございます。

本当に素敵な国々でした。街も人も素晴らしかったです。
これまで主にヨーロッパの旅行でしたので、西洋文化の素晴らしさを感じることが出来ました。
日本も全く負けていませんね。今話題の運慶展など日本の芸術文化も西洋と対比しても遜色ありません。 どちらも素晴らしいです

しげまるさんはこれに加えて山の美しさも分かる方なので羨ましいです。学生の時に北アルプス、九州の久住連峰、屋久島を登ったことは良い思い出になっています。日本の山はヨーロッパアルプスに負けないほど美しいと思いますよ。

こんばんは。
塩というのは海だけでなく、隆起した内陸部でも獲れたのですね。
岩塩採掘場を中心にして町が発展してゆくという歴史があるんですね。
最近はあまり手も荒れなくなりましたが、一昔前なら、痛い痛いって言いながら、この採掘場を見て回ってる自分を想像しました。
塩のお土産、良いですね!やっぱり味もいろいろ違ってくるんでしょうか。

ナニワさん、おはようございます。

地球の歴史を観ると海の底だったのが隆起して山になったりしています。ヨーロッパ各地も隆起して内陸部になった場所で、次第に海水が蒸発して塩分だけとなった箇所が上層部を更に土が被さり、地下に岩塩として広がっている場所があったのです。

塩がないと人間は生きてゆけませんので、今と違い塩はとても貴重だったのですね。

ナニワさんは手荒れた合ったのですね。岩塩抗の内部は周囲全て塩の塊ですので、壁を触ったらしみたのかも知れませんね。 

岩塩でも内部の組成により、色も味も微妙に変わるそうですよ。私の様な味覚音痴には分からないかも知れませんが、自分用のお土産の塩を美味しく頂いています。

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