食中毒の予防
日本は世界でも1番と言っていいほど衛生状態の良い国だと思います。
しかし戦後殆ど、食中毒の件数は減っていないのです。
食中毒を起こす菌は私達の周りに溢れています。特に高温多湿の夏は食中毒を起こす細菌にとっては極めて増殖しやすい状況となっています。
色々な場所で食中毒が起きても、感染ルートさえ分からない場合も多いのです。
同じ感染源の食品をとっても食中毒になる方もいるし、症状の出ない人もいます。その人の体力差や胃酸の強さの状況など様々な要因がそこには潜んでいます。
食中毒を起こす菌の種類その毒性も様々です。①菌が体内に入ってから増殖して食中毒を起こすタイプ(感染型の食中毒菌:サルモネラ菌、カンピロバクター菌など)の多くは、加熱処理すれば、食べる前に菌が死んでいますので食中毒にはなりません。②もうひとつのタイプは食中毒を起こす原因として菌が出す毒素によって症状がでる毒素型の食中毒があります。その中でも更に2つのタイプがあります。
②−1:体内に入ってから毒素を作り出して症状を出す菌としては腸炎ビブリオ菌、今話題の病原性大腸菌(0-157)などがあります。これも加熱処理すれば殆ど死滅して問題になりません。 ②−2:もう一つ厄介なタイプの食中毒は食品内で既に菌が増殖して、毒素を持っているタイプの菌(ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌など)は生体外毒素型といわれ、この場合は加熱によって菌が死んでも、毒素は食品に残ったままです。無味無臭で気づきません。 この毒素は熱に強く、十分に加熱処理しても毒は分解しませんので、食中毒が発生してしまうのです。
最後の食中毒は食品や食品会社などの問題で、私達ではどうしようもないことですが、多くの細菌性食中毒はやはり基本通り行っていれば防ぐことが出来ます。
やはり食中毒の基本は(1)菌をつけない(清潔・水洗い)、(2)菌を増やさない(迅速・冷凍・乾燥)、(3)菌をやっつける(加熱) することです。 これを守り夏場の食中毒を少しでも予防しましょう。
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