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2017年7月26日 (水)

ヒアリによる健康被害

今回のFM「いきいきタイム」は昆虫や蚊、ハブによる健康被害について話をしました。

ブログでは今、話題の「ヒアリ」について書いてみたいと思います(ヒアリの毒素による患者さんを診たことはありませんので、あくまで情報として提供します)

本来、ヒアリはアマゾンなどの南米地域を中心に生息していた蟻で、強力な毒液と攻撃性を持っているのが特徴です。この地域ではその他の蟻も多く、天敵も多いため、ヒアリだけが急速に勢力を拡大することはなかったのです。

世界がグローバル化する中で、物流に紛れて世界各地の港などから、その国々に侵入し、定着して行ったのです。そのため世界各地でこれまで火蟻がいなかった地域で大きな問題が起きているのです。

Th_ 世界的に侵略的外来種ワースト100に入っていて、日本でも特定外来生物に指定されています。

アリだけに小さくて、素人には日本いいるアリと見分けがつけにくいのが厄介な点です。

ヒアリの問題は攻撃性とこの毒素にあります。 ところでヒアリに漢字を当てると「火蟻」ど書きます。焼きごてを当てられたような痛みがあるから「火」と名付けられています。

ヒアリ毒の主成分はピペリジンアルカロイドで、細胞毒性、溶血性、壊死性の作用がありますので、刺された部分が破壊されるために、局所の痛みや痒みが強く出ます。 しかしこれ以外に問題となるのは、毒の中に僅かな量ですが、様々なタンパク質を含んでいることにあります。

他のタンパク質が私達の身体に注入されるとアレルギー反応を起こします。この反応は、一般的に、めまい、頭痛、激しい胸痛・動悸、吐き気、重度の発汗、その後低血圧、呼吸抑制、意識障害などの危険なアナフィラキシーショックを伴うこともあるのです。

刺された方の0.6〜6%の方にアレルギー反応が起こると言われています。アレルギー反応のうち、即効型のアレルギー反応であるアナフィラキシーでは、火蟻に刺されて5〜10分後に回転性のめまい、目の焦点が定まらず、顔面蒼白、意識消失が出現しますので、直ぐに救急要請を行って治療を開始する必要があります。

蜂でもそうですが、タンパク質で出来た毒が体内に入ると私達の体は抗体を作ります。ですので、1回目刺されるよりも2回目以降に刺される方がアナフィラキシーが起こりやすくなります。1度刺された人は更に気をつけないといけません。

火蟻に咬まれた日本人は少ないと思いますが、蜂の毒と似た成分を持っていますので蜂ドクのアレルギーを持っている方は要注意かもしれません。

在来種と区別が付きにくいですので、アリをみても近づかない、ましてや巣のように沢山アリが集まっている所を壊そうとしないように心掛けて下さい。

現時点では火蟻がどうかは分かりませんので、アリに刺されたと思ったら、20〜30分は注意して観察し、何も起こられなければ解除します。しかし何か体調がおかしければ、救急車を要請して「○時○分にアリに刺されて気分が悪い」などを伝えて下さい。

現時点ではニュース等で報道されているよりも被害が少ないとのことですので、冷静に対応してゆきたいですね。

世界がグローバル化することは、色々な病気や外来生物も入って来るのです。今後もますますこのような時代が来るのでしょう。水際対策を練り直す必要があるかも知れませんね。

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医療」カテゴリの記事

コメント

全国的にヒアリの心配が増えていますね。
先生の記事を拝読し、勉強になりました。
ありがとうございます。

しげまるさん、こんばんは。

昨日でしたでしょうか、港のコンテナで火蟻に刺された方が出たとのニュースがありました。幸い軽く済んだようです。

火蟻のドクに含まれるタンパクによるアナフィラキシーショックが問題となりますが、蜂ドクにもにた成分があるとのことで、このことも心配となります。 

グローバル化の中で色々な感染症や害虫も問題となって来ますね。

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