世界を夢見て 55 : 聖ペテロ&パウロ教会
リトアニアの首都ヴィリニュスを散策すると教会の数の多さそれもそれぞれが個性があり美しい教会の多さには驚嘆してしまいます。
歴史的にみると1323年からローマカットリックの影響が強い都市だったようで、熱心なカトリック教信者の多い町だったようです。旧市街の歩いて散策出来るだけでも、ヴィルニュス大聖堂、ヴィルニュス大学の中の聖ヨハネ教会、聖イグナトス教会、聖キャサリーン教会、聖霊教会、フランシスコ教会、ペルナルディン教会、聖ミカエル教会、聖カジミエル教会、聖テレサ教会などを外観だけなら半日で見ることが可能です。
今回は旧市街から少し離れた場所(徒歩で30分程度)にある聖ペテロ&パウロ教会を紹介したいと思います。多くの観光客が訪れる場所です。外観は黄色くて優しい感じで、ヨーロッパでよく見かける様な教会です。その外観と違うのは、内部の真っ白な漆喰装飾です。眩しいほど荘厳で素晴らしいのが特色です。これほど真っ白な教会は数多くあるヨーロッパの教会でも突出しているのかも知れません。 この教会はリトアニアバロックの真珠とも言われ、最も傑出した建築様式の教会であるとたたえられています。建物だけで10年、内装に30年かかったといわれるまさに圧巻の内部彫刻群を見ることが出来ます。
17世紀にパツァス(Pacas)という将軍貴族が自分が行って来た贖罪のために建てたということで、教会の入口の壁には「ここに罪人眠る」と書かれた彼の墓石があり、地下礼拝堂には彼のお墓があります。
わざわざイタリアから職人を招いて建設され、内部の天井は高く、壁から天井まで覆い尽くすように2000以上の漆喰彫刻が施され、どれも同じものはないとのことです。意匠は多種多様で聖人、天使、想像上の獣、植物など多彩で、沢山の職人が想像を働かせ作ったといわれています。
側面からキューポラ、天井まで数え切れない彫刻で埋め尽くされています。
奥に祭壇がありました
中央のクーポラの部分より吊された金属で作られた帆船が印象的でした? なぜこんなものがと思ったのですが、これはキャンドル立て(シャンデリア)となるそうです。水鳥をモチーフにしたのかとも思ったのですが、帆や錨も付いていますので帆船で間違いないようです。それは聖ペテロが元々漁夫だったことに関係しているからだそうですよ。
内部の白さと彫刻の多さに圧倒されながらしばらく感嘆に耽っていました。地球の歩き方という本の中に紹介されていましたので、これも載せておきましょう。当時の制作者達の個人的なことも見えてくるようで面白いです。
この聖ウルスラのチャペルには四隅に4人の聖女の像が彫られているのですが、薬瓶を持った聖マリア・マグダレナ(→)だけは当時の衣装を身につけて彫刻されています(他の三人は古典的な衣装です)。これは彫刻家の1人が自分の奥さんをモデルにして作成したからといわれています。奥さんを愛していたのですね 二人は死んでも、二人の愛はこの教会で生き続けているのですね。
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院長先生
こんばんは。
凄い教会ですね。見応えがございましたでしょう?
ヨーロッパの教会は美術館のような雰囲気がございますね。
漆喰の彫刻だけでも美術品の価値がありますね。
続きを楽しみにしております。
こちらはやっと?梅雨らしいお天気となりました。
御地ではそろそろ梅雨明けも近いのでしょうか?
投稿: マコママ | 2017年6月21日 (水) 20時31分
マコママさん、こんばんは。
この教会は入る前は、ヨーロッパでよく見かける雰囲気の建物だと思ったのですが、中に入るといっぺんしました。
これだけ真っ白な漆喰で塗られた彫刻が並んでいるのは壮観でした。ひとつとして同じものがないと言われる彫刻が2000以上あるのですから、きっと何時間いても飽きないかも知れません。
ヨーロッパの教会はそれだけで美術的価値の高い建築が多く、余りにも多すぎて後でメモを取っていなければどの教会だったか思い出せなほどです
沖縄は昨日まで大雨でしたが、今日は晴れています。そろそろ沖縄は梅雨が明けるかも知れません。マコママさんの茨城はこれから本格的な梅雨を迎えてゆきますね。しばらく鬱陶しい天気でしょうが、心は軽やかにゆきましょう
投稿: omoromachi | 2017年6月21日 (水) 21時13分
院長先生
早速、お返事ありがとうございます。
申し訳ございませんが、私は首都圏に在住ですが、
茨城ではございませんので、一応お知らせまでで
失礼致します。
投稿: マコママ | 2017年6月21日 (水) 22時22分
マコママさん、こんばんは。
大変、大変失礼致しました。
私のブログにも時々コメントを書いて頂いています○○さんと勘違いしてしまいました。教えて頂かないとこのまま間違った情報でインプットしまいそうでした。
心からお詫び致します。
投稿: omoromachi | 2017年6月21日 (水) 22時52分
おはようございます。またまたお邪魔します。syiroyama.kです
ヨーロッパには何度か行ったことがあったのですが
バルト三国はまだいったことがありません。
久々の休みでこのブログを沢山読ませてもらっています。
バルト三国凄くよさそうですね。おとぎの国の様な街並みが多いですね
そのかなでも、今回の教会は特異に感じます
一面白い教会って珍しいのではないでしょうか?
ブログの最後の奥様をモチーフにして彫刻をしたなんて
とてもロマンチックですね。
このブログで沢山の発見があり、お忙しいと存じますが
これからも気品のあるブログを書き続けて欲しいと願っています
投稿: syiroyama.k | 2017年6月22日 (木) 08時09分
syiroyama.kさん、こんばんは。
そう言えば以前、ヨーロッパには何度が行ったことがあると書いていましたよね。
確かにバルト三国にいかれる方はまだ少ないと思いますが、これから増えてゆくと考えます。凄くいい所でした。 今、比較的安全で美しい町は、バルト三国、クロアチアなどがお薦めです。次回機会がありましたら、この辺りを狙ってみては如何でしょうか
ヴィリニスの聖ペテロ・パウロ教会は内装が白の漆喰で全体が塗られていますので、絵画などや一部の装飾品を除いて全てが白で覆い尽くされています。ヨーロッパの教会の中でも特異的な存在だと思います。
奥様をモチーフにされた彫刻家は自分達の命が尽きても、この彫刻はずっと後世まで残ることを信じていたのでしょうね。
コメントを頂き有り難うございます。
投稿: omoromachi | 2017年6月22日 (木) 19時04分