ストレスとは?
今日のFMは毎年この時期に話をする「5月病あるいは6月病」といわれるアパシー症候群について説明しました。 その中でもストレスに対する反応などと言ったのですが、果たしてストレスとはいったい何なの? となったのです。
最近、「ストレスがたまってさ」となにげに会話で出てくると思うのですが、この「ストレス」って以外と正体が分からないのが現状です。
ストレスの研究は、心理学的、生理学的な側面からの研究に、最近では脳科学の分野の研究も入ってきて、精神的なもの以外に実態の究明にも乗り出す研究が始まっています。現時点ではまだ説明しきれていないのが現実です。
ストレスは外からあるいは内からの変化に対応した反応です。 ストレスのない状態なんてあり得ません。 仕事上でのトラブルや人間関係などもストレスになりますし、怪我などの外傷もストレスとなります。一般的なストレスのイメージは悪いことだと考えている方も多いと思いますが、恋をしてキューントなったり、宝くじに当たって舞い上がったりもストレスですし、あるいは仕事を続けた方が、退職し仕事のストレスがなくなったのもストレスと感じて負担となったりします。
ストレスって実態が掴みにくいものなのです
ストレス理論で分かり易い1つにカナダのハンセ・セリエ博士が説明している「ストレスの定義」は分かりやすいでしょうか?
①ストレッサー(生活や仕事上の変化など:良いものも悪いものも含めて)によって ②脳内で色々な反応が惹起され、自律神経やホルモン、免疫などに変化をもたらし、それによって③ストレス反応(気分の落ち込み、不眠、頭痛、無気力、胃痛など精神的肉体的変化をもたらす) ストレスとは①→②→③の変化が起きることを定義としました。
ストレッサーがインプットされると、私達の脳は色々な変化をもたらし、それに対する症状(アウトプット)が起こります。 色々なことが②の部分で行われているのでしょうが、まだまだ医学の研究では解明できないブラックボックスです。 同じストレスを受けてもこの反応(症状)は個人個人で異なります。 ストレスに強い人も弱い人もいるし、症状も多様で人それぞれです。
この②の研究・解明も少しずつ進められています。脳科学の分野での研究で、ストレスを過剰にあるいは繰り返し起こると、脳内の神経伝達物質の1つであるセロトニンの量が不足してしまい、脳の活動性の低下を招きます。その結果、うつやパニック障害が起こりやすくなると考えられています。それ以外にも、脳内の様々な物質、ドーパミン、ノルアドレナリン、それに関連して副腎でのステロイドホルモンなどの変化による行動パターンの変化も研究されています。
「ストレス」と言う言葉は日常でも溢れている状況ですが、本当の解明は入り口に入ったぐらいかもしれません。 ストレスが過剰に入ってきたり、同じストレスでも貯め込むと反応が強くなります。
ストレスの過剰を受け流したり、貯めすぎないように、自分自身あるいは医療者を含めた他者に判断して貰う必要も多いと感じます。
これを読んでストレスになってしまった方には申し訳ありません。まだまだ分からないことがいっぱいある分野です。
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こんばんは。
」って叫びながらイライラ
確かにストレスって目に見えないので
たまっているのかどうか、
良くわからないですね
「ストレス溜まる!!
している人の側で静かにしている人の方が
ストレス溜まっていたり・・・。
ノンストレスもストレスとなると、
多少ストレスがあった方が張り合いがあるのかも
なんて・・・
日々少しずつでも上手にガス抜きするのが
大切なような気がしますね。
投稿: monna | 2017年5月11日 (木) 21時30分
monnaさん、こんばんは。
ストレスの正体はなかなか掴めないのです。monnaさんが書いてあるように「ストレスが溜まる〜」と叫んでいる人の対応するこちらの方がよりストレスを感じてしまいます。
仕事でストレスが多いと言っていた方が、リタイア後にやることがなくてストレスが溜まると言っていましたので、ストレスには非常に幅がありそうで、定義が難しいですね。
現代社会でストレスのない生活を送るのは難しいですので、ストレスを溜めない工夫が一番かも知れません。
投稿: omoromachi | 2017年5月11日 (木) 22時51分