ウンチの状態のチェック
今日のFM放送は「過敏性腸症候群」について説明しました。この病態については以前ブログに書きましたので(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-221e.html )、今日は私達のウンチについてのうんちく(蘊蓄)を話したいと思います。
よく便は「健康のバロメーター」と言われています(まあ、沢山のバロメーターが言われていますが・・・)。
・・・排便後、直ぐに証拠隠滅を謀りたいと思うかも知れませんが、流す前に自分の便の状態をチェックしましょう。
<回数>排便の回数は人によりまちまちです。便通は毎日ある方が多いと思いますが、1日おきあるいは2日おきでも、特に腹痛などもなく日常生活に支障なければ便秘とは言いませんし、逆に1日に数回あっても下痢とは呼んでいません。
<量>便の量はもちろん食べる量にもよりますが、1日辺りで平均して150〜200gといわれています。日本人の方が一般的には欧米人より多めと言われていますが、多くは食事の繊維質の量が関係しています。
<形状>便の中に含まれる水分量は70〜80%で、残りの固形成分の中で多いのは私達の食事成分よりも、大腸菌などの菌と菌が死んだ残渣が多いのです。 便の形を決めるのは主に便の水分量によることになります。便の中の水分量が増えて、80%以上では「泥状」となり、90%以上になると「水様便」となります。70〜80%はバナナ状の便となり、70%以下の水分なら硬いウンチ、更に水分が減ると山羊やウサギのようなコロコロ便になってしまいます。 病的なものとしては上部消化管の出血で起こるネットリとした黒色便、腸の慢性炎症で起こる「粘液便」などは早めに医療機関を受診する必要があります。
<色>一般的な便の色の表現としては黄茶色の便ということですが、これは肝臓から排出される胆汁による色となっています。胆汁が排泄されないような閉塞性黄疸などは便の色が白くなるため「白色便」と表現されます。同じ正常便でも、便の通過時間が短ければ黄色に傾き、長ければ茶色が強くなります。 緑っぽい便はこの胆汁酸の回収が上手くいかない場合や細菌性腸炎などの感染を伴うと起こります。 血液は最初は赤いですが暫く経つと酸化されて黒っぽくなります。 ですので、肛門に近い部位での出血は赤い色が強く(イボ痔などや直腸からの出血など)なります。それに対して、胃や十二指腸などからの出血は便になるまでに酸化を受けて黒っぽくなります。
・・・便からも色々なことが分かるわけです。短い間ですが共に過ごした仲ですので流す前にチェックをする習慣をつけたらいいのではないでしょうか
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コメント
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おはようございます
便の量って
便秘で出が悪いのか、
それなりに出ているのか
良くわかっていませんでしたが、
1日辺りで平均して150〜200gとなると、
小さめ卵3個分くらいですかね~
腸の調子が今一つなので
腸に良いことは実践するようにしています。
(乳酸菌は欠かさず摂るなど)
されど、便ですね。
投稿: monna | 2017年4月 7日 (金) 09時14分
monnaさん、こんばんは。
便の量は余り気にしなくてもいいと思いますが、食べた量とその内容(繊維が多いと量も増えます)によりますね。
多くの女性の方が便のことで悩んでいらっしゃる様です。特に便秘に傾くことが多いです。
生きている以上出てくるものですので、便も人間の健康と直結しますので、流す前に感謝しなければいけませんね
投稿: omoromachi | 2017年4月 7日 (金) 22時04分
こんばんは!
いつも先生のお話が身に沁みます。
今回はなおさらです。
実は母が3月下旬、毎日のお便りに、表面に血液が付着してると言うのでびっくり。
痔だと思いたいところですが、総合病院で検査した結果S状結腸ガンであることが判明。
大きさは4、5㎝あり大きく隆起。
私は大きさだけ見てもう末期なんだ、、助からないと絶望的になりましたが、検査を進めると肝臓、リンパ節の転移はなさそうということで、高齢ですが手術することになりました。
今まで大きな病気もせず、高齢でも一人で買い物、通院、なんでもやってきました。
今手術に向けて検査の日々ですが、そのたびに「ごめんね。迷惑かけて」と。
もう85歳まで十分健康寿命を延ばし頑張ってやってきたことにこちらこそ感謝です。
町の大腸がん検診をやってるとばかり思ってました。
たまたまトイレで自分で気が付き良かったです。
このまま気が付かなければ、貧血、腸閉塞、明らかな転移と大変なことになってました。
本当に、毎日のお便り、流す前に観察大事ですね。
ありがとうございました。
投稿: らるご | 2017年4月 8日 (土) 00時35分
らるごさん、おはようございます。
そうでしたか。家族が癌になるとこれまでの生活が一変してしまいます。
いま頭の中はパニックになってしまうのかまうかもしれませんね
大腸癌はとても増加していますがけんさをうけていないかたがおおいのが現状です。
お母さんは現時点でステージ2と思われます。手術をすれば長期生存も可能ですので
無事手術を終えることをお祈り致します。
投稿: omoromachi | 2017年4月 8日 (土) 07時28分