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2017年3月29日 (水)

骨の強さは骨密度だけでなく骨質も重要

先週に引き続きFM放送では私達の骨に関わる話し、今週は特に骨粗鬆症について話をしました。主に整形外科で扱う疾患ですので、私の専門分野の外科ではありませんので詳しくはありませんが・・・

高齢化社会と共に問題になっているのが骨粗鬆症による骨折リスクの増大です。骨の強さ(骨強度)は実際の骨の量(骨量、骨密度)と骨の質(骨質)によって決まります。骨の量はレントゲンやMRIなどで数値化され、一般的に骨密度検査と言われ、多くの医療機関で行われています。 一方、骨質は捉えらづらいもので、骨密度以外の骨の微細構造や代謝などが骨質としてまとめられて表現されています。

以前は骨密度の低下が骨折リスクの全てだと思われていましたが、骨密度が低くなくても骨折する方も多く認められたことより、より現実に骨折リスクを判断する為に骨強度という表現が使われています。 

Th_303722 おおよそ骨折リスクは骨密度が7割、骨質が3割関わっていると推測されています。

骨密度の検査はいくつかの方法があり、よく行われている検査です。成人の骨密度の平均値で表す場合が多く、おおよそ80%以上なら正常、70〜80%未満は骨量減少、70%以下になると骨粗鬆症と判断しています。

骨質の検査はまだ確率はされていませんが、主に骨代謝マーカーを血液や尿検査で調べて判定しています。骨代謝のマーカーは骨形成マーカーと骨吸収マーカーに分類されます。簡単に言ったら前者は骨を作る方の値で後者は骨を破壊(脆く)する値となります。

そのために骨密度が正常でも、骨吸収マーカーが相対的に骨形成マーカーより高い場合は骨折の危険が高いと判断しています。

今回は骨の強さは骨密度だけでなく骨質も影響していることを説明しました。

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医療」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ
初めて聞きました…骨質という言葉。
確かに骨密度は20代です!と嬉しい診断を頂いた私でしたが、半年後には
膝の半月板(←この字で当ってますか?)を損傷しまいました。
軟骨は関係ないのでしょうか?
やはり、コツコツと日々地味に筋トレしておくことなのでしょうね。
勉強になる話、ありがとうございました

由津子さん、こんばんは。

病院や診療所などで骨密度の測定はよく行われていて、骨密度=骨の強さと勘違いしている方も多いので、今回はこれを取り上げました。

ブログに書いたように骨の強度の70%は骨の中のカルシウム量を示す骨密度によって決まりますが、骨密度が正常な方でも比較的小さな力で骨折してしまう方もいます。このようなときには骨質が重要となっているのです。

半月板は直接は骨強度とは関係しません。半月板は膝の重要な軟骨で、急激な力が加わった時などに断裂したりします。軟骨成分も加齢と共に弾力を失うこともありより損傷が強くなる場合もあります。
膝は前後左右に動けるように可動域が大きく、関節を前後左右の靱帯で支えていますので、膝の周囲の筋肉を鍛えて膝の負担を減らすのと、全体重の何倍の力が加わりますので、体重を落とすことも重要となります(由津子さんの体重のことは企業秘密でしょうから分かりませんが)・・・リハビリ大変だと思いますが頑張って下さいね

こんにちは。きょうは寒いです現在気温10度以下です。たぶん・・・
「骨質」初めて知りました。私の膝はどうなんでしょう?あれほど
痛くて腫れていて手術寸前までいったのに、いまは「すっかり治った」とは
行きませんが日常生活まったく不便はありません。階段も「てすり」を
つかわなくてもタンタンタン!です今ではあの時の若い先生の
英断に感謝です。あの時は腹たったけど・・・

フーミンさん、こんばんは。

もう4月になろうとしていますのに、まだまだ寒い日が続いているようですね。
骨密度はよく聞くと思いますが、骨質は余り馴染みのない言葉だと思います。最近検査が出来る様になったために使われてきています。

膝を痛めている方は非常に多く、半月板損傷と変形性膝関節症が一番多いでしょうか。関節の炎症がひどいと水が貯まって来ます。
膝は全体重を支えながら、動く範囲も大きいので痛めやすい場所です。今回は大事に至らなかったのでしょうが、無理は禁物ですので注意しながら動かして下さいね。 若い先生もフーミンさんにはかなわないでしょうから許して下さいね

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