座骨神経痛
今日のFM放送は間歇性跛行について話をしました。以前間歇性跛行を発生する2大疾患の脊柱管狭窄と閉塞性動脈硬化症についてはブログに記載しました(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-9e10.html )。
今回は間歇性跛行とも関連のある座骨神経痛について書いてみます。
座骨神経痛を患ったことのある方は成人の40%近くおり、20%近い方が現在も症状を有しているとのこの報告もあります。その数のみならず実に多彩な症状を出す病態です。
少し長くなるのですが、急がば回れで、座骨神経の解剖からお話しします。座骨神経は末梢神経の中で一番太く長い神経です。座骨神経の始まりは、左右それぞれの腰椎の一番下の第4.5番目とそれに続く仙骨の第1〜3番めの神経から出てきます。骨盤の後面を通り、骨盤の後面の筋肉の梨状筋の前面あるいはその中を通り、お尻から大腿後面に出てきます。大殿筋と大腿二頭筋の間を下降して、大腿後面の屈筋群などに枝をだし、膝の後ろを更に下降して、下腿、足部へと繋がって行きます・・・足の短い私でも、きっと座骨神経が私の中でも一番長い末梢神経なのです
またこの神経の特徴として、運動神経、知覚神経、自律神経を含んだ複雑な神経であることも症状が多岐にわたる理由です。単純にすると運動神経の異常では筋力の低下や麻痺になりますし、知覚異常なら痛みが出たり、感覚の異常が出たりしますし、自律神経の異常は温感や血流、発汗などにも関与してきます。
これだけ長く、腰部からお尻、大腿部、下腿部、足部まで支配している神経ですので、それが圧迫されたり、炎症を起こすとその領域で多彩な症状を起こすことも、この解剖を知ればご理解頂けるのかも知れません。座骨と付いてもお尻だけの症状ではないのです。
これは腰痛と同様に痛みの状態を指しているのであって病名そのものではありません。腰痛も腰椎椎間板ヘルニアだったり 筋肉の緊張などのよって起こる症状をさしています。
座骨神経痛とは、座骨神経に沿った部分に痛みを感じるために、この神経が何らかの原因で異常を来して痛みとして感じる状態を指しています。
座骨神経痛を来す疾患として、腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄が上げららますが、神経の走行の異常や圧迫などがあればその部位部位で多彩な症状が出ます。 座骨神経痛の診断や治療は難渋することもあるのですが、まずは整形外科やペインクリニックの先生などに相談して、ヘルニアや脊柱管狭窄などの器質的な疾患がないかを調べて貰うのがよいと考えています。
治療は保存療法が主ですが、保存療法が効果がなく、3ヶ月以上持続する神経痛、進行性の筋力低下が認められる場合、馬尾障害(跛行、疼痛、排尿・排便障害)を伴う座骨神経痛などでは手術療法が選択されるようです。
まあ、何時もの通り私の専門外のことですので、難しいことは分かりませんのでご了承下さい
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コメント
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院長先生
こんにちは。
「坐骨神経痛」私は泣きました
椎間板ヘルニアと共に経験!
左でん部からくるぶしまで・・・。その痛さは辛いものでした。
幸い、いいドクターに診て頂き、手術もせずにすみました。
感謝!感謝!でそのドクターの方に足を向けて寝る事が
出来ません。
投稿: マコママ | 2017年3月 2日 (木) 14時39分
マコママさん、こんばんは。
座骨神経痛を経験されたことがあるのですね、しかも椎間板ヘルニアと合併でしたか。
座骨神経痛の典型例はマコママさんのように片方の臀部から大腿そして下腿まで及ぶ痛みやしびれだと思います。痛くてまともに座ることも出来なかったのではないでしょうか?
いい先生に診察して貰えてよかったですね。特に急激な痛みに関しては少しでも速く痛みから解放されたいですよね。
今後も腰椎を痛めないように十分にストレッチなどや骨粗鬆症が悪化しないように心がけて下さいね。
投稿: omoromachi | 2017年3月 2日 (木) 22時06分
先生、こんばんわ。
座骨神経とは、ハムストリングスという筋肉のことでしょうか?。
私は痛めたことはありませんが、マッサージに行ったときに、
太ももの裏がすぐ固くなるので、ストレッチしてます、と話すと、
座骨神経です。腰が固いですからね、と言われ「?」っていつも思ってます。
筋肉と神経の関係はどのようにリンクしてるのでしょうか?
筋肉をやわらかくしていれば、座骨神経痛にはならないのですか?
投稿: 由津子 | 2017年3月 3日 (金) 00時14分
由津子さん、おはようございます。
「ハムストリングス」は人間の脚の裏側の筋肉の総称で幾つかの筋肉でできています。「ハム」という名称が付いていますが・・・そう、食べる「ハム」と同じです。もともとハムを作るときに豚などの太ももの筋肉をぶら下げるためにこれらの筋肉の腱が使われたことに由来する名前なのです。
これらの筋肉は座骨神経から枝分かれした頸骨神経や腓骨神経の支配を受けますので、それらの異常はハムストリングスにも影響を及ぼすのです。密接に関連はありますが、筋肉が柔らければ座骨神経痛にならない訳ではありません。もちろん筋肉が柔らかいことは筋肉内を貫通する神経にとってもいいとは思いますが・・・
投稿: omoromachi | 2017年3月 3日 (金) 08時38分