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2017年3月22日 (水)

健康寿命を目指すために

日本人の平均寿命は年々延びています。それは非常に良いことですが、晩年まで健康でいられるかどうかで人生が大きく変わるのも確かです。

いわゆる健康寿命と平均寿命との差が長いほど、不健康な状態で過ごす期間が長いこととなります。健康寿命とは健康で日常的に「介護を必要としない」で「自立した生活ができる」生存期間のことで、日本人の健康寿命は男性71.19歳、女性で74.21歳となっています。対して平均寿命は男性で80.21歳、女性で 86.61です(いずれも厚生労働省「平成25年簡易生命表」より)・・・・と言うことは、男性で9年、女性で12年余り不健康で晩年を過ごすことになるのです。

Th_ 健康寿命を阻害する大きな要因として、内臓脂肪症候群・運動器症候群・認知症が上げられています。
日本で介護保険制度が出来て、その中で要介護や要支援の原因をみていくことで、これらを改善する必要があることも見えて来ます。

(平成16年度厚生労働省国民生活基礎調査より)要介護の要因;脳卒中(29%)、老衰(15%)、認知症(13%)、転倒・骨折(11%)、関節疾患(9%)
要支援の原因;老衰(15%)、関節疾患(18%)、脳卒中(12%)、転倒・骨折(11%)、心臓病(7%)

これから見ても要介護や要支援の原因となるのが、動脈硬化を基礎とする生活習慣病、認知症の他に、骨・関節・筋肉などの運動器の働きが衰えることによることが原因と判ると思います。

私の外科の範囲ではありませんが、整形外科学会では運動器の障害による移動機能の低下した状態を「運動器症候群:ロコモティブシンドローム」と定義し、健康寿命促進のためにロコモ対策として運動指導などを推奨しています。

今回はメタボリック対策や認知症は有名ですが、この運動器症候群も健康長寿には重要であることを説明しました。

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コメント

こんばんわ
実は…先週、叔父が突然に他界してしまいました。
多少、認知症であったものの、いつものように変わらず元気でした。
翌朝、起きてこないのでどうしたものかと叔母が見にいったところ、
夜中に虚血性心不全で亡くなっていたようです。
昨日式も終わり、今日私もやっと落ち着いたところですが、
家族も親族も私も、まったく受け入れられません。
こんなことってあるのですね
82歳でしたが、健康寿命と平均寿命が同時だったのかな…と思っています。

由津子さん、こんばんは。

叔父さん、お亡くなりになりご冥福をお祈り致します。
突然の死は家族が受け入れがたいと思いますが、ある年齢に達してからは本人に取っては健康寿命と己の寿命が一緒なら幸せなことではないでしょうか?

私達は生まれて来ると同じで死ぬことを選択できません。来るべき死の瞬間まで健康でいることが理想と思いますので、少しだけは努力をしないといけないのかもしれませんね。
その意味でも叔父さんは幸せだったと思いますよ。

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