世界を夢見て 46: ルンダーレ宮殿 (ラドビア)
ラドビアからリトアニアに向かう途中(ラドビアの南端)場所に バルトのベルサイユと呼ばれるハンダーレ宮殿があります。リーガを離れて行くとのどかな田園風景が続きます。そんなところにベルサイユを言われても、世界中に「○○のベルサイユ」と称する場所をみることがありましたので、余り期待はしていませんでした。そこに入ると自分の認識を恥じるほどの壮大な建物と広く整理の行き届いた庭園が美しい宮殿でした。
ルンダーレ宮殿はロシアの女帝アンナに愛されたクールランド大公にまでなったロビン公の夏の宮殿として建てられました。建築したのはサンクトペテルブルグの冬宮などを手がけたイタリア人のラストゥレリです。1736年に建築が始まり1768年に完成します。この歳月の中で歴史は動いており、女帝アンナは死亡し、公爵はシベリア流刑になったりしましたが、完成をみます。
駐車場から長く続くマロニエの並木道を歩いてやっと宮殿の入口が見えて来ます。時間が早かったのと地理的なことが要因でしょうが、ベルサイユと違い人影も疎らでゆっくりと写真が撮れます。
バロック形式の中庭を通り、入口に向かいます。
チケットを購入し、床を痛めないために入口で靴カバーを履いて、専属のガイドさんと共に見学となります。現在はまだ修復中の段階で、修復の済んでいる2階を見学出来ます。2階に上がる階段は、以前いったことのあるサンクトベルクのエルミタージュ美術館の雰囲気と似ています。
2階に上がり待合室のような部屋を抜けると、公式な戴冠式なども行われた、黄金の広場に入りました。
宮殿の中でも一番豪華な広場かも知れません。ドイツなどから1500人以上の職人が雇われたと言う事です。金箔の漆喰彫刻が四方に散りばめられ、天井画はイタリア人のバロック画家のF. マルティーニとC.ツッキを呼び寄せて書かせたそうです。
奥の青の間、グランドギャラリーを通り抜けると、今度は舞踏会場となる白い広間に入ります。
白は女性の美しいドレスを引き立たせる為に、天井を含めて白で統一されていま
す。ここは黄金の間に負けないほど細かな漆喰彫刻が施された空間です。当時の上流階級はこのような場所で優雅に踊っていたのでしょう。
白い広間の奥に小さな小部屋の楕円形の磁器の間があります。覗き込むと45個の東洋の磁器が壁に飾られ、滝をイメージして配置しているとのことです。
この後も沢山の部屋を回ることが出来ます。その1つ1つにテーマがあり素晴らしい装飾がそれぞれなされています。(全てを紹介したら写真だけで何十枚となりそうです)。この2階から美しい庭園が見えます。広大な敷地に整然と花々が植えられています。宮殿を出て裏手の庭園を散策です。
平坦な土地に細かな舎利の道、その間にバラの花や葡萄のアーチ、植物園、休憩室が広がっています。
隅々まで手入れが行き届いています。庭職人さんがが何名か整備をしていたのですが、広い庭園のため彼らの移動手段は自転車でした。
私もベンチでのんびりと貴族になった気分で、動乱の時代にここだけは異質の空間だったのだろうかと当時のことを想像していました。
今回は何と、この宮殿内のレストランで昼食を取ることが出来ました。宮殿の中の一角で綺麗で華やかな食事を満喫出来ました。
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院長先生
とは羨ましい~
こんばんは。
まぁ、何と見事な宮殿でしょう。
ベルサイユよりエルミタージュ美術館に似通っていませんか?
磁器の間はヨーロッパでは度々観る事ができますね?
特に東洋の物など・・・。
お庭も素晴らしいですね。
そして宮殿内でのお食事
さぞかし美味しかった事でしょう。
投稿: マコママ | 2017年3月 5日 (日) 22時32分
マコママさん、こんばんは。
本当に美しい宮殿でした。現在はまだ2階の部分のみの開放となっていますので、今後修復が進めば全て閲覧出来ると期待しています。
ご指摘のように、私もこの宮殿はサンクトペテルブルグのエルミタージュ宮殿やエリカテリーナ宮殿に似ていると思います。その両方ともこのルンダーレ宮殿を建築したラストゥレリの作品です。イタリア人の建築家がロシアやバルト三国の建築を手がけ、その後これがロシアやバルトの固有の建物と思うようになっているのですから不思議な気が致します。
宮殿内での食事も、「クルトン入りサラダ」「ローストポーク」「ベリームース」で、雰囲気もよくてとても美味しかったですよ
投稿: omoromachi | 2017年3月 5日 (日) 23時16分