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2016年11月 9日 (水)

小脳の重要性

今週も先週に引き続きFMラジオ「いきいきタイム」では、眩暈について話をしました。
眩暈の原因の一番多くは内耳の障害によるものです。それ以外にも貧血や一過性の低血圧なども原因となりますし、脳梗塞や脳出血の症状として出現する場合もあります。

脳の中でも小脳が原因で起こる眩暈は平衡感覚障害と共に重篤となる場合も多くあります。

Th_ 人間は他の動物達と比べて、大脳が脳全体の80%の面積を占めるため、脳の発達こそが人間たる所以だと考えていました。そのため、小脳や脳幹などは生命維持のために必要な古い脳と言われて、憂き目をみてきました。

今回のブログは小脳の重要性について書いて見たいと思います。小脳は大脳と比べると面積では10分の1程度ですが、人間の神経細胞の約半分は小脳にあり、大脳の神経細胞数が400億個に対して小脳は1000億個あります。 その数で示す通りもの凄い機能を有しているのです。

小脳の主要な機能は、運動・平衡機能の統合とされ、体のバランス(平衡機能)や手先などの細かな作業を調整サポートしています。そのため小脳が損傷を受けると運動や平衡感覚に異常を来し、細かな運動も出来なくなってしまいます。 そのことは18世紀、19世紀の初頭の動物実験で小脳にダメージを与えると平衡機能が失われることが分かったため、その後小脳は平衡感覚だけだと考えられて、大脳より高次ではないように考えられていたのです。

その後小脳の機能が次々と解明されました。当然と言えば当然でしょうか? だってそれ程の神経細胞が集まる場所は他にありません。 小脳皮質の1平方mmあたり神経細胞が50万個あります。まだまだコンピューターが細かい作業が出来る域に達していないのも頷けます。               Th__3

小脳にはいわゆる体で覚えるという無意識の情報をストックし指令を出しています。例えば、自転車の練習をして、次第に上手く乗れるようになります。これは大脳が記憶しているためではありません。 小脳がバランスや筋肉の動きなどを調整して乗れるようになっているのです。 色々なスポーツも小脳がなければあり得ません。 よくスポーツや武道の世界で、「頭で考えるな!体で覚えろ」と教えられたりします。 これは何度も反復練習を繰り返すなかで小脳が記憶し伝達しているのです。 ですから頭で考えるなはきっと「大脳で考えるな、小脳で覚えろ」が正しいかもです 

もう一つ大きな役目は、大脳が考える首座ですが、その考えを反復して記憶し、それを随時大脳にフィードバックしてお互いに情報をやり取りしているそうです。コンピューターで言えば、大脳がハードデスクに対して小脳はメモリの役割をしているのかも知れません。

この様な単純なものではなくてもっと小脳は沢山の機能を有しています。もう少し小脳は地位を挽回してもいいかもしれません。

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医療」カテゴリの記事

コメント

院長先生
 こんばんは。
小脳は凄いのですね?
大脳が大きいので役割も大きいと思って
おりました。私は多分?小脳の働きが悪いと思います。
運動神経がまったくダメ!なのですよ。
もうこの歳ですから余り悲観は致しませんが・・・?
 昨日の日経新聞夕刊に「島豆腐」の事が載っていました。
そしてモノレールでしょうか?駅名に「おもろまち」と出て
いたのですよ。院長先生の病院の近く、と言うことでしょうか?

マコママさん、こんばんは。

これまで大脳発展が人間らしいとのことで、小脳は平衡器官のように扱われていました。しかしそれだけ必要だから神経細胞が密にあるのだと考えます。 もっと研究がなされる新発見があると思います。

マコママさんは運動神経はイマイチでしたか。それぞれ人間には特色がありますので、他の何かが優れていたのでしょう。 

島豆腐のこと私も読みました。沖縄独特の硬さと塩気があり、色々な調理に混ぜて使えて重宝しています。

駅からは少し距離があるのですが、その一帯を新都心地区、おもろまちと呼んでいます。私達の病院もこの場所に新築移転しましたので名前もおもろまちメディカルセンターとしたのですよ。

こんにちは。
体で覚えるのではなく小脳で!
あぁ、そうだったんですね。
妙に納得してしまいました
小脳は大脳よりも神経細胞が多いだなんて
知りませんでした。
影の実力者って感じですね(笑)

さぼてんの花さん、こんばんは。

小脳は大脳と比べて、人間の進化においてないがしろにされていた感じがあるのですが、面積は小さくても、神経細胞の密度からいえば凄い細胞数がこの中に入っています。

人間の体はよくできていますので、それだけの数があるということはそれだけの役割があると考えるのが妥当と思います。今後ますます脳研究において小脳の役割も解明されると思います。

影の実力者・・本当にそうだと思います。。

こんばんは。小脳、凄いですね。私も大脳が人間の
人間たる行動、および知識を取り仕切ってると思ってました。小脳は
大脳の子分ぐらいに思ってました。私は若い時は頭痛にずいぶん
悩まされましたが、歳をとるにつれ、治ってきました。もう何年も
頭、痛くなりません。ついでに「風邪」も5.6年ひきません
歳をくったので固まってしまったのでしょうか

フーミンさん、こんばんは。

名前からしてフーミンさんが書いてあるように、小脳は大脳のしたに取り付いた子分ぐらいにしか思われていませんでした。しかし細胞の数の多さだけの役割を果たしているのです。どちらが偉いとかではありませんが、人間の体はよくできていると改めて思うのです。

フーミンさんは若い時は頭痛持ちだったのですね。それが年齢と共に少なくなって、風邪もひかなくなったのですか・・・凄いです。女性は年齢を重ねて強くなる方も多いですよ・・・・それと比べて男性は次第に萎んでゆきます

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