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2016年8月10日 (水)

加熱しても安心できない食中毒

先週に引き続いてFMラジオでは夏場に多い食中毒の話をしました。

多くの皆さまの食中毒のイメージは傷んだ食べ物や保管衛生管理が出来ていない食品にバイ菌が付いて起きると考えていると思います。間違いではありませんが、食中毒は口から入って来た有害・有毒生物・物質により、下痢や嘔吐、発熱などをきたす疾患の総称なのです。

Th_img_3411 食中毒といってもその種類別に ①細菌性食中毒(微生物が原因で一番多い)②ウイルス性食中毒(冬場のノロウイルスなど)③化学性食中毒(ヒ素、水銀など)④自然毒食中毒(キノコ、フグなど)⑤その他 に分類されています。

もう一つの分類方法に食中毒を直接的な原因で分けると、原因物質が毒素を持っている為に起こる毒素型と細菌・ウイルスが体内で増殖することで症状を起こす感染型に分けることが出来ます。毒素型は最初から毒を持っていますので、症状も早く出ます。感染型は微生物が体内で増殖するにはある程度時間が掛かるため、症状が出るまで時間がかかる訳なのです。

多くの皆さんにとっては食中毒の範疇は種類別では①と②が殆どで④もありかな・・・そして直接原因では感染型が食中毒と考えていると思います。

前回書いていなかった夏の食中毒の起因菌となることもある、黄色ブドウ球菌について追加します。この菌自体は熱に弱く加熱処理すれば死滅します。

黄色ブドウ球菌は特別な菌ではなくて自然界に沢山存在します。例えば私達のニキビやおでき、水虫に混在する感染巣に存在する代表的な菌です。それ以外にも健康な私達の鼻腔や動物の皮膚や腸管にもいます。

この菌も夏場の細菌性食中毒の代表菌で、毒素型になります。Th__2 この食中毒はブドウ球 菌が作り出した毒素(エンテロトキシン)により起こるので、熱処理してブドウ球菌が死滅しても、残ったエンテロトキシンを食事と共に食べてしまい食中毒になります。エンテロトキシンは100度で20分間加熱しても分解されません(フグの肝を鍋で煮て食べてもあたるのと一緒です)。

手指などに切り傷や化膿巣のある 方は食品に直接手を触れないように工夫して下さい。

直接毒を接種して症状が出ますので、感染型より早く症状が出ます。食事をして30分から6時間で、嘔気、嘔吐、腹痛がでて、下痢になる場合もあります。あまり高熱にはなりません。多くは24時間以内に改善することが多く、特別な治療も有しません。

食中毒は熱処理すれば多くは防ぐことが出来ますが、過信しないで下さい。手や調理器具も綺麗にして新鮮なものをよく水洗いして、加熱して召し上がって下さいね。

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医療」カテゴリの記事

コメント

残暑お見舞い申し上げます。
と申し上げても、沖縄は、夏真っ盛りでしょうか。
いつも、貴重な情報をご提供いただきましてありがとうございます。熟読させていただいております。
故郷、九州に住んでいたころは、まだ、パスポートが必要で、いまもって、そちらへ伺ったことはありませんが、元気なうちに、行きたいと思っています。
先生には失礼ですかね。残暑、ご自愛ください。

omoromachi 様
食中毒、気をつけて過ごしていますが
気を許すと、食中毒になるのかも知れない
のですね。夏場、体調に気をつけて過ごしたいと
思います。

しらこばとさん、こんばんは。

毎日暑い日が続いていますね。この時期だけは沖縄県より関東の方が気温が高い日もあり、大変だと思います。暦上は立秋を過ぎたのでしょうが・・・真夏です

九州の出身だったのですね。もうかれこれ復帰してから44年となりました。兄達はパスポートを使って東京の大学に行っていました。私の場合は復帰後でしたので必要がありませんでした。 いつか機会がございましたらお越し下さい。

暑い日が続くと思いますので、こまめに水分補給、熱中症対策をとってお過ごし下さい。

nadoyamaさん、こんばんは。

防ぎようもない食中毒もありますが、やはり基本的なことを守って防ぐしかありませんね。

夏場の体調管理も食中毒を防ぐ対策にもなります。nadoyama さんは丁度旅行中でしょうから、美味しいのを食べてリフレッシュしてお過ごし下さいね。

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