世界を夢みて 33 : カンタベリー
8月も今日で終わりですね。夏バテはしていませんか? 今回もイギリス旅行記の続きを書いてみました。
英国国教会の総本山のカンタベリー大聖堂があるカンタベリーも今回初めて訪ねた場所でした。チョーサーの作品に「カンタベリー物語り」があり
ましたので、名前だけは知っていましたが、その歴史などは全く知りませんでした。
カンタベリーは次に訪れるセブンシスターズと同じ最も西よりの地方にあります。イギリスの交通網は発達していて、高速道路は全て無料で旅行者に取っても有難い移動手段となっています。しかしロンドンからカンタベリーに向かう道路は細い曲がりくねった田舎道でなかなか行くには時間がかってしまいます。
カンタベリーには英国国教会の総本山カンタベリー大聖堂があり、ゴシック建築の傑作といわれています。
元々イングランドはローマの支配下で発展したため、宗教もローマカトリックが主流となっていました。今は正面ゲートのみが残存するセント・アウグスティヌス修道院は6世紀にローマからやってきた聖アウグティヌスによって建てられ、その修道院跡も世界遺産となっています。
英国にも宗教改革が起こります。ルターのような宗教的なことで起こったわけではありません。14世紀の君主ヘンリー8世は、当時王妃キャサリンと不仲で恋人アン・ブリンとの結婚を望んでいました。 ローマ・カトリックは離婚を認めていませんでしたが、ヘンリー8世は一応教皇クレメンスにキャサリンとの結婚の無効を訴えますが、却下されます。それならと英国国教会を立ち上げその長となり、教会統治権を王位の下に制定します。
これによりアン・ブリンと結婚しますが、そのような王様ですのでその後離婚、死別、死刑によって6人の女性と結婚します。そんな訳での宗教改革のため、英国国教会は厳密なプロテスタントでもなく正式なカトリックでもないといわれています。
いまでもイギリス王室の戴冠式や結婚式などはロンドンのウェストミンスター寺院で行われても、その式を取り持つのはカンタベリー大主教が行うことになっているそうです。カンタベリーからロンドンに出かけて、大主教の手によって王冠をかぶせることになっているのです。
違う方向に流れてしまいしたが、雨のカンタベリーも風情がありました。教会の内部は縦に長い教会で、一番奥に12世紀に殉教した大司教トマス・ベケットが安置された礼拝堂があり、その上に蝋燭が飾られいます。ステンドグラスにはトマス・ベケットの生涯を描いた物語が描かれているそうです。内容は解りませんでしたが息を吞むような美しいステンドグラスでした。
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