紫外線により悪化する白内障
今日のFMレキオは先週に引き続き、太陽光線が私達の体に 与える影響について話をしました。 日焼けしたり褐色の肌になるのは太陽光線(紫外線)が 皮膚に与える影響として解り易いのですが、光が差し込み目も影響を受けます。長年の紫外線の暴露で白内障が増加します。
上の図を見て下さい。光は角膜の虹彩を通り、無色透明な水晶体を通り、網膜に信号として返還され大脳で処理されて形となって分かる様になります。
この水晶体は、とても細かく無色透明なクリスタリンタンパクという蛋白質から出来ています。蛋白質ですから細かい構成はアミノ酸になるのですが、様々な影響を受けて変性します。変性すると無色で細かい 蛋白質の成分が失われて、細かい濁りが出てきます。これが白く濁ることで、白内障と呼ばれています。 この変性に1番関わりがあるのは加齢です。これは防ぎようがありません。それ以外に直接水晶体に入って来る紫外線もその変性を加速する作用があります。他にも目に対する衝撃、放射線、熱なども影響を与えます。
この様な変化の例えてとして卵が取り上げられています。卵の白身はタンパクで出来ていて無色透明です。しかし僅かな熱でも白濁します、かき混ぜる外力によってあるいは酸化によって容易に白濁します。この様に私達の水晶体も色々な影響で白濁してしまうのです。
無色透明で光をよく通していた水晶体が濁って来ると、目がかすむ、ぼやけるなどが出現し、濁った部分で光が乱反射し、光が眩しく感じたり、対向車のライトの光が眩しく感じたりします。 進んでくると、全体が白っぽく感じ靄がかかった感じとなり、特に夜(光が弱いと)見えづらくなります。
日進月歩の医療のかなでも水晶体のレンズの交換は機器の進歩で急速に改善しています。今では3mm程度の角膜切開部分から超音波で濁ったレンズを融解しながら吸い上げ、その場所にこの小さな孔から眼内レンズを入れて終了します(眼科医ではありませんので細かいことは判りません)。殆どの例で縫うような操作は必要なくなったようです。
手術のタイミングなどはかかりつけの眼科の先生と御相談下さい。
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院長先生
こんばんは。いつもありがとうございます。
白内障、詳しく書いて頂きよく分かりました。ありがとうございます。
加齢と紫外線で悪化するのですね。
陽射しが強い時には眼鏡の上に装着できるサングラスを
使用していますが・・・。特に?加齢には勝てません!
現在、眼科で定期検診を受けていますが、
視力が段々衰えてきております。
早ければ年内に手術になるかもしれません。
夫は一昨年に右目だけ日帰り手術を受けました。
医学の進歩は大変ありがたいと思っております。
投稿: マコママ | 2016年7月13日 (水) 22時01分
マコママさん、こんばんは。
色々な病気でもちろん加齢は重要因子ですが、それは如何せん変えることは出来ません。ただ紫外線などに関してはある程度対策は出来ます。
視力に関しては白内障だけではありませんが、以前は抗凝固薬などは止める必要がありましたが、今は殆ど中止せずに行われているようです。
白内障の手術に関しては外科の腹腔鏡手術よりももっと機器の進歩の恩恵を受けていると考えています。
専門外ですが以前の手術をかなり変わったと思いますよ。専門の主治医の先生とご相談だれて下さいね。
投稿: omoromachi | 2016年7月13日 (水) 23時42分