夏の気になるウイルス感染症
ウイルス感染症と言えば、インフルエンザのように寒い乾燥した季節に起こりやすいと考えている方も多いと思います。ウイルスは目に見えない微小の単位で世界中の空気の中に漂っています。もちろんウイルスは生きた細胞の中でしか生活できませんので、漂っているだけでは死滅してゆきます。
この暑い夏場でも外来ではボツボツとインフルエンザの患者さんが発生しています。沖縄県が現時点では一番流行っています(次いで福島県、鹿児島県)。多くの場合は大流行はしません。やはりインフルエンザウイルスは低温低湿度の密室空間を好むようです。
逆に、夏に元気のある(?)ウイルスもいます。良く夏カゼの原因になるアデノウイルスやエンテロウイルスなどがこの季節に流行ります。喉の痛みや下痢などの胃腸障害を伴うのが特徴的です。
大人も罹りますが、特に子供達で大流行するのが、プール熱、手足口病、ヘルパンギーナなどの感染症があります。 プール熱は名前の通りプールによる感染が多いアデノウイルス感染症で、主に接触感染ですので、手洗いが有効で、タオルなどは共同では使用してはいけませんし、プールに入るときゴーグルもつけて予防して欲しいですね。
今現在、流行注意報・警報が出ているのに、手足口病とヘルパンギーナ感染があります。皆様も気をつけて下さい。主に小児で流行しますが、ヘルパンギーナは大人でも感染します。 手足口病は ウイルスによる接触感染が主で、名前の通り手や足、そして口の中に特徴的な発疹がでます。手洗いうがいで予防出来ます。多くの場合は、 日程度で治癒します。ただこれが重篤化して脳炎や心筋炎になる場合もありますので注意が必要です。なんとこれも今沖縄県が一番多くて、次いで鹿児島県、香川県が続いています。
国立感染症研究所ではこの夏は流行性耳下腺炎(ムンプス:おたふくかぜ)の
流行が始まり感染の拡大が危惧されると予報を出しています。1989年のMMRワクチンにより流行は縮小していたのですが、その後MMRワクチンは中止となり、ムンプス関連ワクチンの摂取率が減っているのですが、実はおたふく風邪は4〜5年に1回の周期で大流行が起こっています。摂取率の低下と今年はこの流行の年が重なりますので注意が必要とされているのです。既に流行が始まっている地域もあるようですので御注意下さい(現時点での患者数の多い県順では宮崎県、山形県、佐賀県、鹿児島県、石川県です)
夏場は暑さのため体力を消耗したり、寝付きが悪くなったり、夜更かししたりして体調管理も難しいため,体の中に色々な病原菌が入り込む隙が出来てしまいます。 手洗い、うがいなどの基本的な感染予防対策と体調管理を是非とも行って欲しいと思います。 そう言う私も週末は風邪気味でしたが回復致しました
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