5月病:頑張りすぎたあなたへ
5月病は元々、受験勉強を勝ち抜き希望を持って大学に入学した学生が、新しい学校になじめず、ゴールデンウィーク明けから気持ちが落ち込む症状を示していました。 学生だけではなく、新しい職場になじめない新入社員などにも同様な症状があり、仕事が本格的になる6月頃に起こりやすいといわれています。
5月病は新しい環境や生活に適応できずに、「何とかしなくては」と焦りと頑張りが空回りし、一時的に強いストレス状態に陥っていると考えられていま す。 厳しい受験勉強や入社試験を乗り越えて希望で胸一 杯なはずなのに、新しい教室や職場、人間関係に馴染めない・・・この様なことは多くの方が経験することだと思います。
このことを上手く乗り越えることが出来たら、また1つ成長することも可能でしょうが、現実的には自分の適応能力を超えて、仕事や対人関係が上手く処理出来ない場合はそれが大きなストレスとなって襲ってきます。
処理能力を超えたストレスは私達の自律神経に影響を与えてしまいます。いわゆる自律神経失調状態が起こってしまいます。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つが相互に作用しながら私達の体が維持できるように食べたり、寝たり、血圧の調整、呼吸や脈拍の調整、発汗や体温調整、胃腸の運動など高度で複雑な問題を解決してくれています。
自律神経も季節の変化や1日の変化に合わせて私達の体を調整しています。5月は冬から夏へと大きく気候も変動する時期ですが、急激に暑くなったり寒さが戻ったりと外気温の刺激の変化も著しいため自律神経には大きなストレスとなる時期です。
自律神経は何も精神的なものだけでなく肉体的にも影響を与えてしまいます。食欲不振、倦怠感、高血圧、動悸、睡眠障害、無気力や鬱症状など体や心に変調をきたします。
5月病は決して怠けているわけではありません。肉体も精神もどうにか適応しようと頑張りすぎたために変調をきたしたのです。周囲もこのような方を見た場合は「しっかりしろとか、頑張れ」ではなくて「頑張りすぎたので少し休みなさい」と声をかけて欲しいです。
うつ病ではなくて一種の通過儀礼だと思って見守る必要もあるかも知れません。その為、5月病は一種の適応障害(アバシーシンドローム:無気力症候群)とも考えられています。
産業医の講習などを受けていると、以前は労働災害への対応が多くの時間を占めましたが,今では職員のメンタル的な問題への対応に時間を費やしています。そのため最近は5月病の対策をとっている大学や企業も増えてきているようです。ストレスや疲労を感じたら一人で悩まず家族や友人、または専門医に相談(カウンセリング、精神療法など)してグチを聞いてもらいましょう。人に聞いて貰えるだけで気持ちが楽になる場合もあるのです。
また、症状が進んで、不安、焦燥、うつ状態などが強い場合には、専門医(心療内科、精神科など)を受診してみましょう。一時的に抗うつ薬、抗不安薬を使うことも有効です。適量の薬で、はやく症状が改善することもあります。
現代社会でストレスのない場所は恐らくないと思います。 心や体の不調は、我慢しないで治すことを優先することが大切です。疲れを感じたらしっか りと体を休める、ストレスを発散するために旅行、趣味などでゆったりとした時間を過ごすなど気分転換をはかったら如何でしょうか
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ストレスは万病のもとですね。
現役で働いている時は神経の収まる時が無かったような・・?
第三の人生を歩み出した今は、趣味も睡眠も思う存分取れますので、ストレスはかなり減少しましたが・・歳を重ねると違う悩みが・・いかんいかん・・困った時は相談するとかなり減少しますね。
投稿: yasu | 2016年5月11日 (水) 23時10分
yasuさん、こんばんは。
私達はストレス社会の中で生きていますね。仕事における現場でのストレスは大きいですよね。今は少しノンビリ出来ているようで良かったですね。
年を取ると色々とがたが来ますね。まあ中古品ですからメンテナンスをしながら大事に扱うしかありませんね(笑)。
悩み事を打ち上げるのはなかなか出来ないのですが、困ったときに話が出来ればそれだけでもだいぶ気持ちが楽になります。 まあお互いに残りの人生を楽しむぞという気持ちで生きて行きたいですね。
いつも暖かいコメント頂きありがとうございます。
投稿: omoromachi | 2016年5月11日 (水) 23時57分
こんにちは
同じ仕事を何十年もしていても
担当業務が初めてだと、その
ストレスが大きいと感じている
今日この頃です。きちんと
リフレッシュして頑張っていきたいと
思います。ため込まないように気をつけます。
投稿: nadoyama | 2016年5月12日 (木) 17時44分
nadoyamaさん、こんばんは。
本当ですね、いくら慣れていても新しい業務や担当が変わるとストレスを感じると思います。
自分だけ頑張れば済むことなら余り苦にならなくても色々な方や部署との調整となるとイライラが募ることもあるかも知れません。
お互いにオン・オフと切り替えてリフレッシュしたいですね。
投稿: omoromachi | 2016年5月12日 (木) 19時23分
こんばんは。ゆりこの事ではお心遣いいただき有難うございました
omoromachiさんの「人の死とは一線を画すべき」という言葉に
目がさめ、今はゆりこのいない日常にもどってます。お陰様で
ペットロスにもなりませんでした。今は涙もこぼさずにゆりこの事を
話せます。自分的にはもっと落ち込んでそれこそ、五月病みたい
になるか?と思ってましたがそれほどでもありませんでした。
根がよくいえば、あっさり、悪く言うと冷たいんでしょうか?
とにかくあの「一線を画すべき」ということばが私の心の深い所に
ピンポイントでささったのは、確かです。心から「そうだ!」と思ったんです
的確なアドバイスありがとうございました
投稿: フーミン | 2016年5月12日 (木) 21時21分
フーミンさん、こんばんは。
飼い猫のゆりこさんとの死別は本当に悲しかったと思っています。一緒に生活していたのですから喪失感は大きかったことでしょう。命はどんなものでも大切です。しかし人間とその他の生き物たちは区別すべきだと思っているのです。あのようなことを書いてしまいましたが、嫌に思われずに安堵しています。
私も沢山の動物を飼っていました。多くの生き物たちを弔って来ました。いつも一緒に生きてきたことに感謝してお別れしています。
この世で生きているものはいずれ死を迎えるはずです。フーミンさも私も命のリレーを繋いで来たと思います。これからも頑張って生きてゆきましょう
投稿: omoromachi | 2016年5月12日 (木) 22時20分