フォト

« 世界を夢みて 26:英国 湖水地方③(ワーズワース) | トップページ | 今週の生け花(平成28年3月第4週) »

2016年3月23日 (水)

地震、災害時の医療トリアージ

今日のFMレキオでは、地震や広域災害に対する対処法について話をしました。

地震や災害などによる広域災害においては、医療機関もダメージをTh_234345 受けるわけで、少ない機材や人材にて効率良く情報を集約し、治療を行わなければならなくなします。

医療救護活動は時間との戦いですが、それそれの時間帯で医療の要請も変化します。

まず災害直後から6時間以内は「建物の倒壊、その後の火災などの発生により、直撃を受ける傷病者が多数発生し、それに対する救急活動が準備され、初動となる時間帯です。

その後の6〜72時間がいわゆる超急性期で、救急現場から傷病者が病院に搬送されるか、搬入できない場合は現場での治療を待ちながら搬入できる場所の確保に費やされる時間帯です。この時期がいわゆる人間の生存に大きく関わってくる時間帯となります。

72時間が過ぎ1週間の時期が急性期の医療となります。次第にライフラインが復旧し、災害の規模も把握出来る様になりますし、人的にも物的にも各方面からの援助が可能となり、徐々に体勢が調ってきます。

1ヶ月〜3ヶ月で、避難生活も環境整備も少しずつ整い、地域医療機関も再開が始まります。おおよそ3ヶ月程度経つと、現場での臨時の救急救援所も撤退され、徐々に慢性期や心のケアと移行してゆきます。

救命医療においてはまず超急性期の時間帯をどう乗り切るかが問題となり、トリアージの重要性が増してきます。

医療トリアージという言葉があります。トリアージとは患者の重症度に基づいて治療優先順位を決定して選別を行うことで、フランス語の選別「triage」からきた言葉です。第一次世界大戦の戦場で初めて使われたようですが、その後は多くの災害医療現場で使用されています。

震災後の超急性期では、救急を受け入れる人材も資材も不足し、多数運ばれる患者さんの選別が必要となります。この様な状況下では助かる人を助けるのが重要となります(大変酷な状況ですがそれを行わなければ救える命も失われるのです)。

Th_ 現場で患者さんをみながら初めにその区分を行っていきます。①:第一順位;最優先治療群<赤色(Ⅰ)>:直ちに処置を行えば、救命が可能な者。 ②:第二順位;非緊急治療群<黄色(Ⅱ)>:多少治療の時間が遅れても生命に危険がない者、基本的にはバイタル(血圧、脈、体温など)が安定しているもの ③第三順位;軽処置群<緑色(Ⅲ)>:①、②以外の軽症な傷病でほとんど専門医の治療を必要としない者 ④:第四順位;不処置群<黒色(0)>:直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能な者、または既に死亡している者

その現場で搬入者の状況を見て、その後の治療や搬送がスムーズに行くために、それぞれの搬入者に赤色、黄色、緑色、黒のトリアージタッグを付けて貰うことになります。

ただ1度トリアージがなされても刻々と病態が変化してゆきますので、混乱を生じる現場でも再度トリアージが行われながら経過を診ることも重要となります。

日本は地震災害が多い国です。阪神淡路大震災後、日本でも医療機関や行政の取り組みが行われて、救急現場でも次第にシステム化された流れが出来つつあります。災害はいつ起こるかわかりません。他人事ではなくて日頃より私達自身で何が出来るかを考えて欲しいと願っています。

« 世界を夢みて 26:英国 湖水地方③(ワーズワース) | トップページ | 今週の生け花(平成28年3月第4週) »

医療 FMレキオ」カテゴリの記事

コメント

救急現場での72時間以内の対応は
ニュースなどでもよく流れますね

震災時のトリアージは重要だとわかりますが
「助かる人を助ける」となると本当に
シビアな現実ですね。 その後
経過をみながらトリアージの段階も
変更してゆくのですね。

私は5年前の地震を経験しました
あの混乱の中で救急隊や医療
自衛隊の活動は本当に救い
でした。

初めてコメント致します。以前のブログ
に遠いomoromachi様の病院から
看護師さんが応援にきてくれたと
書かれていましたね。有難う
ございます。

これからもご活躍期待しております。

未完ずきんさん、こんばんは。

地震災害時には広域的に混乱している状況ですね、私より未完ずきんさんの方がよく知っていることと思います。 医療体制が整わない72時間以内の超急性期は生死を分ける大きな時間帯となります。皆助けたい気持ちはありますが、優先順位を付けないと現場が混乱して救える命も救えなくなる可能性も多いのです。

そのためにある程度経験を積んだ医療スタッフが短期間に見落としのないようにチェックをして医療優先順位を決めて行きます。ただ色々な状況下で病態が変化しますので、その変化も見落とさないようにしなければなりません。そのような事が現場には求められています。

5年前当院の看護師さん達が宮城県で医療活動を応援しました。彼女達にとっても貴重な経験になったと思います。

わざわざコメント頂き感謝致します。これからも宜しくお願い申し上げます。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/590699/63380066

この記事へのトラックバック一覧です: 地震、災害時の医療トリアージ:

« 世界を夢みて 26:英国 湖水地方③(ワーズワース) | トップページ | 今週の生け花(平成28年3月第4週) »