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2016年3月30日 (水)

ジカウイルス感染症:ジカ熱について

今日のFMレキオはジカウイルス感染症について話をしました。外科医の私にとっては専門外ですが、今年注意して欲しい感染症ですので注意喚起の意味でも放送しました。

ジカウイルスなんて聞き慣れない名前です。このウイルスは1947年にアフリカのウガンダのアカゲザルから発見されてたため、その猿の住む「ジカの森」より名付けられました。蚊を媒介する感染症として1952年にウガンダとタンザニアで人への感染が確認され、その後徐々にアフリカ、アジア、南米へと広がっています。

Th_ 特に2015年よりブラジルを中心に大流行が発生し、妊娠中に感染した場合に、中枢神経の障害をともなる小頭症の児が多数生まれたことで重要となっています。2016年の2月1日にWHOは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態と宣言しました。

これを受けて日本でも2月15日より「4類感染症」に指定し、診断した医師は保健所に届ける義務が必要となりました。これにより早めの対策と情報が共有される態勢を取れるようになりました。

ジカウイルスに対するワクチンはありませんし、まだ世界中の多くの方はこれに感染したことはありませんので、抗体を持っていません。特に今年は最流行地のブラジルでオリンピックがあります。日本のみならず世界中から人や物が移動するはずです。世界中での大流行が危惧されているのです。

以前話題となったデング熱と感染の症状はあまり変わりません。感染しても60〜80%の方は、殆ど症状が出ません。ジカウイルスは主に蚊を介して感染するのですが、性行為を介しても感染しますし、輸血によっても起こります。感染後5〜10日して、軽度の発熱、結膜充血、筋肉痛、関節痛、頭痛、斑点状丘疹が起こりますが、殆どは4〜7日で軽快します。

この感染が問題となっているのは、全身特に四肢の麻痺を起こすギラン・バレー症候群と因果関係があると考えられていて、この場合は少ないですが死亡者も出てしまいます。

最も危惧されているのは、妊婦さんへの感染です。私達沖縄は1965年に風疹が大流行し、その時に感染した妊婦さんより、目や聴力の障害をともなった先天性風疹症候群の子供が406名生まれたことを経験しました。当時のWHOも復帰前の沖縄の流行を調査してその後の公衆衛生に参考にしています。

ブラジルでの調査では、昨年末から今年の半年間で、小頭症の子供の出生が過去5年間の10倍に当たる2401人だった報告しています。これは明らかに何らかの原因が存在すると思われ、疫学調査などで妊婦中のジカウイルス感染が疑われたのです。もちろんジカウイルス感染のならなくても小頭症は発生します。

世界がクローバル化する中で、地方病と考えられた疾患も世界中で大流行することもあるはずです。

今年はブラジルのオリンピックがあります。感染地域への渡航も増えるはずですし、日本に住む蚊もウイルスの媒介となります。

特にこれから妊娠を希望される方々は今後、ジカウイルス感染症に関する情報には敏感になって欲しいと希望致します。

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コメント

こんにちわ。ご無沙汰でした。今日はジカ熱の話ですね。怖い!子供が
障害を持って生まれると本人はもちろんのこと、周りの人も大変なことです
家の娘が4歳の時、川崎病にかかりました。親戚に小児科の小さい医院が
あったので、そこで診てもらって「、おたふくかぜ」と診断されたのですが
あまり高熱が続くので水戸の大きな小児科で診てもらったら「川崎病」
と診断されました。その時は川崎あたりでの公害病かと思いました。
いまでは、この川崎病、珍しくなくなったのでしょうか?

フーミンさん、こんばんは。

娘さん川崎病に罹患されたことがあるのですね。1歳前後から5歳未満の子供に多く起きる急性の炎症疾患ですが、未だに原因が判っていません。川崎病は地名ではなくて、この病気を初めて報告した日本の小児科の先生の名前より名付けられています。

この病気は現在でも多くの子供さんがかかっています。早めに診断して免疫グロブリンなどを使用しますが、治療に難渋することもあります。ご存じと思いますが、血管炎を起こしますので、心臓の血管である冠動脈の狭窄は動脈瘤が後々問題となるケースが多いですね。

この病気は1952に発見され、総患者数は30万近くと言われていますが、子供の頃に発症した方々の成長後の影響もまだはっきりしていません。大丈夫と思いますが、娘さんは時々検査などを行った方がいいかもしれませんね。

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