テロと戦争の犠牲者を悼む
パリの同時多発テロ、無差別に人を殺傷する方を許す訳にはいけません。 フランスのオランド大統領は戦争だといい国民の団結を鼓舞しました。世界中の首脳達もテロとの戦いに意見の一致をみています。
9.11の時もアメリカは戦争状態だとアフガン戦争に参入しました。武力で勝ってもテロは減りませんでした。 今回フランス軍は最大規模の空爆をIS地域で行っています。 しかし爆弾を落としすことでテロがそして難民が減るのでしょうか?
ニュースなどでもピンポイントで武力組織の施設を破壊した映像が流れて、私達もゲームの様に悪を倒し勝ち誇った気分になってしまいます。 美しいフォルムの高性能な戦闘機からミサイルが放たれ地上の建物が破壊されます。
しかし上空からではなくて、爆弾が落ちた所からみたらどうでしょう? 戦闘員だけが死んでいるのでしょうか? 子供や女性、なにも罪もない人々は被害を受けていないのでしょうか? それも綺麗なまま死んでいるのでしょうか?
もしも私が罪のない子供を無人機や戦闘機で殺されたらどうするか考えてしまいます。恐らくISではなくて爆弾を落とした国を憎むのではないだろうか、冷静に世界情勢を分析してテロ撲滅のためだったと受け入れることが出来るのでしょうか?
そもそも大国の利害関係の駆け引きの結果、今の中東はあるのです。言葉は悪いですがアメリカがイラクでの石油権益確保のために始めたイラク戦争が中東情勢を複雑化させた原因だったと理解しています。
だからといって今ある凶悪な集団を許すことは出来ません。爆弾を落とすことは避けることが出来ないかも知れません。しかし同時並行で難民を増やさない、貧困で希望の持てない人々を増やさない手段を講じる必要があると考えます。
いま世界中で人の命が住む地域、民族、宗教によってあからさまに違う現実が人々の心を蝕む要因になっています。
パリで起きたことはひどいことです。 しかしこれ以上に戦争とは関係の無い沢山の人間がテロ撲滅のために殺されているのです。 その方々への想いも同時に持ち合わせなければ解決には至らないと思います。
1人1人の命はみな尊いのです。武力は紛争の解決には一時的になっても、相手の憎しみを買い、いつかは自分に跳ね返って来るのです。
その為にも世界はテロ撲滅ために貧困の解消や大国の利害関係なしに地域の安定を計る努力を同時に行って欲しいと願うのです。
これから世界各地でテロが多発するかも知れません。テロリストは憎むべきです。しかしテロリストを生み出す社会を私達が作りだしている現実から目を逸らしてはいけないと考えるのです。
« 今週の生け花(2015年11月3週) | トップページ | 二足歩行と痔核(イボ痔) »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 沖縄慰霊の日:戦後77年(2022.06.23)
- 梅雨時期のお花達(2022.05.06)
- 憲法記念日とウクライナ危機へのジレンマ(2022.05.03)
- 春は花を選ぶのか食を選べばいいのか?(番外編)(2022.04.11)
- ウクライナへの支援の在り方(2022.03.16)
ご無沙汰しております。
今回のパリの同時多発テロで
沢山の罪のない方が亡くなりましたね
私達はテロに遭った側から
考えてしまうのですが
omoromachi様はいつも
反対の立場のことも考えて
対応している姿勢に
改めて私も勉強させて
頂いています。
「良い戦争や悪い平和なんて
あったためしがない」・・
本当にそう思います。
投稿: ツクシンボ | 2015年11月22日 (日) 09時53分
私も同感です。テロリストは憎むべき存在です。
大切に守られてきた世界遺産パルミラ凱旋門を破壊したり、人質を殺害したり、今回のようにパリの同時多発テロを起こす驚愕な事件を起こしたり、無差別殺人としか言いようのない出来事に恐怖を覚えます。
それに立ち向かうように欧米からなる有志連合は、ISに対してさらなる空爆に踏み切ったようですが、これでいいんでしょうか、これも無差別殺人に値します。
テロを憎むのは当然ですが、憎しみの連鎖につながってしまうのではと懸念するところです。
今朝の朝日・朝刊を観ると「盲目的な憎しみに盲目的な愛を」の見出しで、13日のパリ同時多発テロで妻を失いながら、テロリストたちに向けてフエイスブック上に手紙を乗せたフランス人映画ジャーナリスト、アントワーヌ・レリスさんは「君たちに憎しみという贈り物はあげない。君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる」とメッセージを綴ったそうですが、まさにその通りで、目には目を、歯には歯をにならないよう投げかけた素晴らしいメッセージだと思いました。
日本も安保法案を成立させたり、米印の海上軍事演習に参加する意向を示したりするなど、なんだかきな臭い話が漂う中、テロ対策にも慎重に対処して欲しいものだと望むばかりです。
投稿: yasu | 2015年11月22日 (日) 16時25分
ツクシンボさん、こんばんは。
仰る通りだと思います。私達はいつもテロを受けた側に立って物事を考えがちですが、何故テロを起こすような人々が育ったのかを考えないといけないと思います。
タリバンを作ったのはアフガンで旧ソ連邦と敵対する勢力に武器や訓練をしたのが始まりでした。 ISの拡大もイラクの軍事部門にいた人達がかなり作戦を立てている為ですし、シリアでロシアと米国が敵対している中で勢力範囲を増やしています。
パレスチナでも、イスラエルが虐殺に近いような行動に出ても世界は見向きもしませんでした。パリの何百倍の犠牲者を出しても、パレスチナのためには花も添えてやらなかった西側への鬱積した苛立ちが中東の安定化を阻んでいると思います。
戦争にいい戦争なんてありません。どうにか早く戦争が起こりにくい地球を作って欲しいですね。
投稿: omoromachi | 2015年11月22日 (日) 17時09分
yasuさん、こんばんは。
自分達が支配した地域で世界遺産とも呼べるものを破壊する行為に対して文明ということを知らない無知の人々だと考えます。 敵対していても素晴らしい文化は認めるべきですし、少なくとも自分達が住んでいる地域の過去の遺産は本当は自分達にも繋がる大切な遺産でもあるはずです。 遺跡が破壊される画像を見るだけで心が裂けそうなりますね。
アントワーヌ・レリスのメッセージを私も読みました。素晴らしい投げかけです。 彼はテロ犯に対して「無知」と言う表現を使いましたね。 自分達だけの価値観で全てを支配しようと考えている偏狭さを無知と呼んでいると思います。
世界の人々が沢山の方向から学び、テロとの戦いに備えて欲しいです。単に力で制圧しても、解決出来ないことを世界の人々も学ばなければならないと考えます。
安保法案が通りましたが、それを運用する政府が世界情勢を分析し禍根のない決定をして欲しいと考えます。 敵対国を作ることは簡単ですが、平和を維持する方が難しいことを政治家は謙虚に受け止めなければならないと思います。
投稿: omoromachi | 2015年11月22日 (日) 17時23分
私はこのニュースを聞いて、テロリストになっているあの人達、自爆する人たちはどこから連れてこられた子どもたちだったのだろうか、どう育てられた子どもたちだっただろうかと胸をかきむしられる思いでした。親を亡くしたり、戦争の犠牲になった村から、貧しさではじき出された子供たちがさらわれてきて、銃を持たされ。人を憎むように育てられ組織されている、そんなことを何年か前に聞きました。そんな子たちがまるで石ころのように世界のいろんなところに投げつけられ、人を殺していく。そこからまた憎しみが生まれる。いつも一番犠牲になるのは弱いもの、逃げられないもの、幼いものです。憎しみを生み出しているものは何でしょう。テロを生み出したのは何でしょう。そこから考えないといくら爆撃を強化しても憎しみは広がるばかりだと思えます。世界で一番不幸な子供たちを助けよう守ろうとする人がこの問題を解決する人達だと思います。
投稿: はるか | 2015年11月25日 (水) 00時22分
はるかさん、こんばんは。
私達はややもするとテロを受けた側の立場でものをみがちですが、自爆を起こすような方々がどうしてそのような行動に出たのかも同時に考える必要があると思います。
戦争はお互いの憎しみから生まれるものですが、その指導者は自分達の手先として貧しく、反抗も出来ない若者を使う場合も多いと考えます。勿論成人し、自分自身で判断する方もいるとは思いますが必ずしも今の中東やアフリカではそうではないと思います。
私はイスラエルのガザへの攻撃を観たときに、あまりの力の違いに、戦争ではなくて虐殺ではないかと心を痛めました。 しかし今テロに対して空爆を行っている国々の政府はこのことに対して黙認をしていました。
どの命も等しく尊いことを世界中の指導者を含めて認識して欲しいと思います。 人を殺したら自分も殺されるという認識を持って生きないといけないと思います。 悪の連鎖をどうにか断ち切る手段を講じて欲しいと願っています。
武力では何も解決出来ないと第二次世界大戦で学んだ国々の人々はあの時に得た大切なことをもう一度思い出す必要があると感じています。
投稿: omoromachi | 2015年11月25日 (水) 00時56分