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2015年10月18日 (日)

TPPの検証と日本文化の危機

TPPの長年にわたる交渉が妥協したと、何故か喜ばしい事のように報道されたています。「各国が一生懸命、自国の国益をかけて交渉した。汗をかいたと」・・努力したのだからよくなると勘違いしている国民も多いと思います。
TPPが国益に叶うかどうかはまだ未知数です。よくなることもあるし悪くなることもあると想像はある程度できます。

Th_e6d5fdc0602f6f4dc90abe29548390_2 TPP締結後の食料品に対する国民への インタビューで私が気になったことがあります。 

その中で「いいんじゃないですか。ものが安く手に入るのだから」と・・・ 確かに消費者からすれば一円でも安くなればいいとの意見が当たり前かも知れません。

私はこれを聞きながら、日本人の多くが「同じ国民への配慮や気配りがなくなってしまっている」と寂しく感じたのです。人を思う気持ちは金銭的にも精神的にも余裕がないと生まれ難いと思うのです。その意味では今の日本人に余裕がなくなっているのかも知れません。

日本の物価や平均賃金はTPP参加国で高いのですから、第1次産業においては人的コストや肥料やエサのコストが元々高くつくはずです。米国やオーストラリアやカナダなど地価も安く、既に大規模農場で低コストで生産されます。日本で許可されていないような農薬も使用出来るのです。

既にハンディがあるのです。あえてそれを言わずに日本の農業はこれまで守られ過ぎていたのだから、自由競争では努力次第で世界に打って出られると述べている人がいます。

本当にそうでしょうか? 例えば高級な果実などは海外に日本ブランドとして輸出できるかも知れません。では主食のお米はどうでしょう。品質はよくても、海外で高い日本のお米を買う人はどれ程いるのでしょうか? 

更にTPPの問題として重要なのは、日本の主食の国内総生産が低下した場合の危機管理です。 政府はホルムズ海峡を通る石油が輸入出来なくなれば、国の存続危機事態と説明していました。 もし農業が衰退した時に、お米が外国から輸入出来なくなったらどうでしょう・・・石油より早く沢山の餓死者が出てしまい、石油の枯渇より怖い事態となるのではないでしょうか?

もう一つは日本文化への影響です。Th_d561bbef56382aa764de76a1dcba1a24

日本は弥生時代から稲作を中心とした国を作ってきました。日本の原風景は田んぼや畑、棚田であったはずです。そこから日本人の言葉や文化、共存共栄の意識も芽生えたと思います。何も手を打たなければ、日本の景色、日本人の持つアイデンティティーも稲作文化と共に消滅するのかも知れません。

変化は必要です。しかしTPPで日本人が築き上げてきた文化まで消失してしまったら何をよりどころに日本人は生きて行くのでしょう。

現実の問題として更に怖いのは保険、医療制度の崩壊です。私は米国が狙っているのは日本の農業が一番ではなくて実は保険、医療、金融への参入と考えています。

TPP、締結、グローバル経済、関税なき自由化、世界40%の経済圏の確立・・・・・・など沢山言葉がおどっていますが、その「中身を吟味して初めて評価する」スタンスが国民に求められているのかも知れません。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。とても不安ですね…。
特に農業に関してですが、現在でも食料の自給率が低い日本は、
ずいぶん輸入に頼っています。これでさらに打撃を受けて、
自給率が下がり農業が衰退したら…。
気象変動で、ゆくゆくは世界的な食料不足が来ると予想されています。
そうなったとき、日本に食料を輸出してくれる国がいるでしょうか…。
そうでなくても、日本の風景はずいぶん変わるでしょうね。
原風景とも言える水田は姿を消し、田畑は荒れてしまうかも。
そうなったら悲しいですね。

omoromachi様
TPPという新しい枠組みが決まりました。
この枠組みがどのように今後、影響するか
不透明な部分があります。書かれているとおり、
医療関係に悪影響があると心配です。今年、
二回、入院生活を送りました。現在の医療制度が
あったから、医療保険がきいてスムーズに支払いが
できました。病気になることは避けたいのですが
もしなった場合に医療費が払える金額内でいて
ほしいと思います。確か、アメリカの利用費は大変
高いと聞いています。日本のような手厚い保険制度が
あるといいなぁと思っています。TPPでこの保険制度が
どのように変わっていくのか心配です

sakiさん、こんばんは。

sakiさんが書いてある通り、日本の食糧自給率がこれ以上低くなったら、戦争などの状況にならなくても、地球の気候変動で世界的にも農作物の確保が困難な時代が来るかも知れません。

台風や干ばつなどで農業輸出国で生産が減量すれば、まずは自国の食糧の確保にあてるでしょう。その時に急に日本の農家がお米を増産するなんて出来ません。食はミサイルより怖いです。

日本の田舎の光景が変わるかも知れませんね。ただでさえ後継者不足、減収になっている農業に関して、今踏ん張っている方が農業を放棄すれば日本の田舎は荒れ果てた景色が広がのかも知れません。そんな日本の景色は見たくありません

nadoyamaさん、こんばんは。

日本の医療はアメリカの制度と比べたら何十倍もよい制度だと思います。 はっきり言ってアメリカでは受けられる医療は金次第です。裕福な人は先端医療も受けれますが、貧しい人は病院の入り口で門前払いです。
何でもかんでもアメリカがいいと思うのはおかしいと思います。国民の医療費にかける社会保障費は年々増加しています。しかしそれにより国民の命が守られるのであればそれはいいことだと思います。 オバマケアでさえ導入出来ない遅れた制度のアメリカに見習う必要はありません。

もしも保険や医療でアメリカの企業は入って来れば、国民皆保険の制度が根底から崩れる可能性があります。アメリカの大統領戦の予備候補者の討論会でも出たようにアメリカは1%の方に富が集中しています。特に保険や金融などは利益追求しか考えていませんので、この制度を導入すれば、日本も更に二極化した医療となると思います。

次を狙ってくる制度に関しては本質を見極めて、私達日本国民も賢く交渉しないといけないと思います。


omoromachi様、ご無沙汰しております。

TPPやはり気になりますね。私も田舎が好きで
時々家族で出かけたりします
田んぼがあり、時々お地蔵さんに出会ったりと
やはり日本の原風景は田んぼがあって成り立つ
とおもいます
私はサラリーマンですのがやはりomoromachi様
が書いているようにTPPになり日本の農業が
衰退するのではないかと本当に心配です。
これ以上日本の食糧自給率が低下したら
もし戦争などが起これば直ぐに存続危機自体
となってしまいますよね

最近色々なことが日本で起きています
この変化が正しい方向に向かうことを願いますし
私達も他人任せではなくて本質を知るように
勉強しないといけないと反省しています

いつも納得しながら読ませて貰っています
有り難うございます

ツクシンボさん、こんばんは。

同じことを考えていらしたのですね。私は田舎で生まれ育ち、農家の人の手伝いもしていましたので作物ができる喜びも少しは分るつもりでいます。

物価が安く給与も安い国での農業生産と自由競争をしたら日本の農業では大きなハンディがあります。 農家の方は朝早くから日没まで本当によく働いています。台風や気象条件など予期せぬ場合もありますし、豊作だと作るだけ損をすることもあります。

日本の食料自給率がこれ以上落ちたら本当に国の存亡に関わる事態になると考えています。

TPPにより今後どのような影響が出るのかを早急にシュミレーションして崩壊が起こりそうな分野には早く手当をしないといけないと思います。私達国民もただ安ければいいという視点だけでなく色々な視点で物事を評価、判断しないといけないと思います。

同じ日本人です。誰かが困っていたらお互いに助けある必要があると思うのです。

まったく同感です・・・TPP交渉の妥結で、何かいいことを期待している国民も多いような感じも致します。しかし、本当のことを理解しているのでしょうか。
私は農業で生計を立てています。正直、今の米価では間に合わないのです。それを何故続けているのかと言えば、他に仕事はないからでもあります。農業をして赤字になって、それでも続けることに不思議に思われるでしょうね・・・しかし、遊んでいることも出来ませんし、地方に働き場所等そんなにないのです。
TPPの妥結は、もう農業の時代ではないということでしょう・・・例えば車を輸出するために、農産物を輸入する、日本の農産物は高い!と。それでは、地方創生と言いながら地方の維持は無理な話です。
確かに何でも安いものが求められる時代です。でも農業は、他の産業の維持にも貢献しています。農林関係の職員の多いこと、農薬・肥料・運送・農機具・・・農産物を安くするのなら、そちらも安くして下さい、そう言いたいのです。
例えば、米は今では余っているといいます。余っているから不安等ありませんが、不足したらどうでしょう、外国だって冷害もあります、その時日本に送ってくれるでしょうか・・・
わが村でもどんどんと離農が増え、耕地の荒廃も目だっています。
欧州でも農業は保護されています。農業に補助金が多いとは言え、それは農家を通して他に流れているのです。農業は国の基本だと総理はこの間言っていましたが、これまでのことを考えると、ああまた出任せとしか思えません。

でんでん大将さん、こんばんは。

今度のTPPの締結のニュースをみて、国民の多くが何か世の中がよくなると勘違いしている気がしました。お互いに国が国益を考えて交渉するのですから、よかっただけではないはずです。

でんでん大将さんは農業を営んでいますので、特に関心も高いと思っていますし、守るべきは守ると言っていた割にはふたを開けると多くの農作物が影響を受けるのは必至と考えられました。

農業は国の基盤です。大将さんも書いてあるようにヨーロッパをはじめ自国の農業を保護するのは国を守るためです。日本では何かと補助金との言葉が飛び交いますが、それで農業者が潤っているのでしょうか。ぎりぎりでやつている方が殆どだと思います。

総理も国を守るのは軍事力だけではないことを学んで欲しいです。国の根幹、食についてもう少し考えて行動して欲しいです。

総理が以前言っていた「美しい日本」とは田園が広がった豊かな地方と人間の絆だと思います。今の政策では両方とも破壊してしまいしそうです。

私は医療の分野で働いていますが、大多数の国民が病気や老後の心配をしなくても済む世の中になって欲しいと思っています。

こんにちは~

沖縄がアメリカの一部だった時と違って、アメリカの医療制度、保険制度は世界の先進国の中では最悪です。
アメリカは日本やヨーロッパの国のように医療を福祉や共済のようにとらえているのではなくて、金儲けの手段と考えています。

保険会社が治療の費用を出すかどうかを決定するので、生死にかかわるような治療や一刻を争うようなケースでも、患者や家族に治療を受けるかどうかの決定権はありません。
保険会社が費用の負担を拒否した場合、患者や家族が治療費を払えることを証明できなければ、治療は受けられません。

保険会社が拒否しているにも関わらず、治療を受けてしまった場合は、とんでもない額の治療費を請求されます。
分割にしたり、本人の資産で払えない場合は、破産するしかないです。
勤勉に働いて浪費もしない真面目な一般市民が、高額の治療費のかかる慢性疾患にかかってしまうと、財産や住む家も全て失くしてしまうケースはざらです。

yuukiさん、おはようございます。

米国のいいところも理解しているつもりですが、米国の一般庶民の受ける医療は最悪です。yuukiさんは米国在住ですので現地で医療がどのように受けられているかをよくご存じですね。

アメリカの医療はその人が入っている保険で受けられるランクが違います。 救急車で入って来ても,まず聞かれるのはどの保険に入っているかです。保険に入っていなければ門前払いです。それでも治療は受けられますが、公的援助はありませんのでそれこそその後借金地獄が待っています。

日本人は医療もアメリカが最高と思っているお方が多いのですが、アメリカの医療は「金しだい」と言うことをまず知らないといけないと思います。 それでも日本の医療費が諸外国と比べて高いのかを評価したらいいと思いますね。
恐らく日本の医療は質においてもコストパフォーマンスにしても最高のレベルを行っていると思います。

私達も全て一辺倒に考えるのではなくて、良いものは良い、悪いのもは悪いと評価できる力をつけないといけないと考えました。

おはようございます
これではますます自給率がさがるばかり。。
ただでさえ農業は高齢化が進み、後継者も
少ないのに、離農する人も増えるでしょう。
不安でいっぱいです。
ささやかな抵抗として
多少高くても
国産にこだわってスーパーで買い物をしています
魚ひとつにしてもロシア産、中国産だったりして、油断がなりません

monnaさん、こんばんは。

今回のTPPで多くの農産物の関税が撤廃されるようです。あからさまに車を売るために農業を取引に使った印象を持ちます。 TPPによって更に職業別や地域別の格差が生まれることが予想されて、大都市中心、大企業中心の日本になりそうです。

monnaさんの住まわれている北海道や私の沖縄でも農家は大打撃を受けると思います。 私もなるべくなら日本産の食材を買うようには心がけていますが、色々な物に加工されて入って来たら日本製なのか外国製なのか分からない状況となりますね。

国民の食を「安全に・継続的に・国内で」確保するのは改めて重要なことだと認識するこの頃です。

omoromachiさんのおっしゃっていることそのままが現実だと思います。そして心配していらっしゃることそのままが未来だと思えます。もう農家には未来がありません。法人化だとか企業と組んでとかブランド品を作れば等という誘いにほいほい乗る元気もお金もありません。今村にいる人たちが何とか生きていくというだけで精一杯なんです。この先も農業をするという誇りがもう誰にもないのです。そんな農業を子供に継がせられない政策が続いていたのです。限界集落といわれ、家が数件残っているだけで若者のいない村があちこちにあります。田畑はもう山と化しています。そんな中で村を柵で囲い檻の中で暮らしているのは年寄りばかりです。助け合いながら、都会で暮らす子供たちに迷惑にならないように、少しでも食料を送ってやりたいと一生懸命腰をかがめて働いています。生活のたしになるものならと農産物を道の駅に出したりもしています。しかしもう数年すればその人たちもいなくjなり、農村がなくなってしまいます。国民の皆さんはTPPで安い危険な食料が入ってくるのでそれを食べてください。今国内で作っている米や野菜はほんのわずかな貴重品になって、普通の人には手に入らないものになってしまうでしょう。農家のおばあちゃんの独り言です。

はるかさん、こんばんは。

田舎で農業を営んでいるはるかさんにとっても大変な状況だと思います。 戦後の日本は東京一極集中で、地方から人も物も吸い上げて来ました。 
大切か大切でないかではなくて、成長しない分野は取り残して成長する分野にだけ目がいってしまっています。

ことあるごとに農業は守られている自由競争がないから駄目なのだと言う方がいます。 いま地方で最後の農業の担い手となっている多くは、子供達を都会に送り込んだお年寄りの方々ですね。

成長分野、金儲け以外に農業が国にとって最も大切な産業であることを私達も気がつかないといけないと思います。日本人の食の確保のため、若い人達が生活できる最低限の賃金の確保が出来ないと地方で農業することが出来ないはずです。

TPPの中身が明るみに出るにつけ、守らないといけない分野も守れていない状況が分かってきました。 私達国民がもう一度足元の農業の有り難さを再認識する必要があると思います。

私の所へも時々田舎から無農薬の野菜が届けられたりします。安全な食材があることは本当に有り難いこと、嬉しいことです。

TPPの決定で、日本の自給率がまた下がるのが怖いですね。
スーパーに並ぶ乳製品、肉類の価格が国産、外国産で大きく差が出てしまうと、消費者はやっぱり安い方に手を伸ばしてしまうと思います。

日本は、外国から原料を仕入れなければ、海外にモノを売れない国家ですので、国際的立場から参入を決めたのかも知れませんが、これからの日本がどうなってしまうのか・・・

本当に心配です。

ナニワさん、こんばんは。

本当に、これ以上食糧自給率が下がったら怖くなりますね。
スーパーで買い物をしたらやはり同量のものがあったら安いものを揃えてしまいますよね。原材料や生産するまでのコストが安い方が有利に決まっています。日本の農家がこれ以上疲弊しないことを祈るばかりです。

今は地方の高齢の方が農業を支えていますが、若い人が農業で生計を立てられる仕組みを国が整備する必要があります。総一億活躍社会と言っていますが、まず足りない場所を重点的に補充する必要があると思います。 一度放置した農地は簡単には戻すことができません。

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