うそをつかない
私は人を信用したいし、信用されたいと何時も考えています。信用する基準としては、その人と考えや意見が違うことは気になりません。その人が発する言葉に対して偽りがなく、人のためを思って考えていることが信用できれば、それでいいのです。
昨年年末の衆議院で、今解散すれば現議席より数が増やせると予想した為に、消費税を「8から10%に上げる期間を延長する」という偽りの大義名分を並べて、解散総選挙。 安保法制や憲法改憲などの言葉を選挙中は意図的に全く発せずに、経済!経済!と叫び、選挙後は日本経済が明るく変貌するかのようなことを述べていました。
そして目論み通り圧勝。国民から選任されたのだから、これからはなにをやっても「国民の代表が私達」との考えが固まったように感じました。
経済が大優先と言い選挙で勝ったら、今度は数の力で無理矢理安保法制(国民の理解も進んでいない憲法違反の法律)を強引に進める。消費税延期の問題よりも国の方針を変える大問題(国民の命がかかっている大問題です)ですので、本来解散総選挙をして国民に問わないといけない場面でしょうが、今度は支持率が低いために、選挙は知らんふり。
安保法案が通過したと思ったら、「1に経済、2に経済、3に経済」だと演説。まだ安保法案に対しては国民の理解も進んでないのに説明する気は既にありません。
経済政策は以前も3本の矢に例えて説明し、実行では日銀が紙幣をジャブジャブに発行するだけで成り立つ第1、第2の矢まではどうにか放つことは出来ました。ここで真価が問われる第3の矢は鳴かず飛ばずのままで、実行できるかどうかが今後の政治の責任だったはずです。
なにも達成されないうちに、今度は新三本の矢ですって・・・もう呆れて物が言えません。 短い単語を並べた3つや5つのキーワードで示される手法を首相はよく使うのですが、これは単純で如何にも解り易いように見せかけますが、中身がなにもないのです。
安保法案の最中に「文化芸術懇話会」における「報道規制」の大問題。発言した議員に対して、谷垣氏は「極めて遺憾で無神経な発言」として1年間の役職停止を下しました。少しは谷垣さんにもリベラルな部分が残っていたかと考えましたが、単に安保法制の邪魔にならないためのウソだったようです。
このことに関して、昨日のニュースで(安保法制も通ったし)本人も反省している(まああの種の議員が反省することはあり得ませんが)とのことで3ヶ月に短縮だって・・・もういつでも役職復帰が出来ます・・・これっていったい何なのと素直に思います。
私は自分に都合のよい嘘をつく人間が一番大嫌いです。大阪のあの方も何度も嘘をつきますね。 120%ないと言っていたことを直ぐに翻し、何事もなかったように振る舞う人間が人ととして信用出来ないのです。人に嘘をついてはいけません。
子供の頃におばあちゃんから「お天頭様が見ているよ」と何時も言われていました。自分についても他人対しても嘘をついてはいけないなと教わって生きてきました。これが人の生きる道だと思ったのです。
今の政治家の方にこの一説を読んで欲しいです。論語の中で曾子が言った言葉です。「吾れ日に三たび吾が身を省みる。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝うるか。」
現代の言葉で訳すると「わたしは毎日何度もわが身について反省する。人のために考えてあげて、まごころからできなかったのではないか。友達と交際して誠実でなかったのではないか。よくおさらいもしないことを[受け売りで]人に教えたのではないかと。(金谷治訳『論語』より)」
本来政治は民のために行うことであり、政治家である前に人として信頼を得る人であって欲しいと願うのです。
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omoromachi様、こんにちは。
読みながら、もっともな話だと読み進めて頂きました。
同じ保守政権でも現政権は異常だと感じております。
余りにひどいことが多すぎて、私達国民も鈍麻されて
しまいそうで、逆に怖いですね
最後の論語の言葉、政治家の耳に届いたらいいなと
・・・まあ今の政権の人には無理でしょうか?
この怒りを次の選挙更に次の選挙まで持ち続けるのが
私達有権者の勤めだとかんじました
投稿: ツクシンボ | 2015年10月 4日 (日) 12時27分
嘘をつかないで生き続けることは難しいと思います。
政治家という立場では政策があり、安保の説明段階で
それをしないで、経済と別の話題に変わっていますね。
よくわからないうちにいろいろなことが決まってしまわないように
国民の一人として生きていきたいですね。沖縄の国政選挙で
自民党推薦で当確することは出来なかった事実があります。、
その意味で国は、沖縄に嘘をつかないでほしいですね。
投稿: nadoyama | 2015年10月 4日 (日) 16時42分
ツクシンボさん、こんばんは。
色々な意見がありますので、私の意見は間違っているかも知れませんが、私が最近やはり感じていることを書きました。
確かにこれまでの自民党政権の中でも安倍政権はこれまでになかった政権だと感じています。 自分に対して自身を持って政策を進めているのでしょう。これがいち企業のトップなら構わないと思うのですが、国民のトップとなるとやはり多様な意見に対して真摯に向かい話しあって、妥協点を見つけ出す必要があると考えています。
この特殊な政権のお陰で、これまで安泰としてきた私達国民も危機意識を持ってきたと思います。
医者の世界でもそうですが、今ではインフォームドコンセントが当たり前となっています。昔のように「素人がつべこべ言わずに専門家の言うこと聞け」の時代は過ぎたように思います。
国民が解らないと言っているのですから、何が解らないかを整理して、解らせる義務が政権にはあると感じるのです。
投稿: omoromachi | 2015年10月 4日 (日) 18時34分
nadoyamaさん、こんばんは。
私もこのブログの記事を書いた時点で嘘をついているのかも知れません。私も嘘をついたことがないとは言えないからです。ただ次第に嘘がつけなくなって来たのは確かなような気がします・・・何故でしょう?・・少し物事を頭で考える様になってきたからでしょうか。
責任政党は理想だけを言ってもいられない所はあるともいます。最終的には多数決が民主主義だと考えます。だからしも、今回の安保法制の解決法はと言うと・・・民主主義的とは思わないのです。 前回の衆議院選挙は明らかに焦点を経済に絞って、憲法改正(集団的自衛権の改訂)などは全く争点にしていなかったのです。 私はこのやり方が嫌いなのです。自民党が嫌いとかではありません。 やり方が卑怯と思うのです。
私は幸い政治家ではありませんので、このように批判することが出来るのですが・・・やはりこれが医療なら・・・・例えば腹腔鏡手術の利点だけ話をして、欠点や合併症の話をしないで一方的に手術を進めたら・・・これはいけない事だと思うのです。最後まで説明する義務があると思うのです。
沖縄は非常に色々なことが絡み合って、日本の矛盾点も如実に表れる場所だと思います。
基地の問題、ゴミ処理場、核施設など必要と思うのに自分の近くには置きたくない。解決出来ない多くの問題点をどう国民1人1人のコンセンサスとして形作って行くのかが政治の大変な所だと思います。
私は個人として、やはり「お天道さんに見られていても、恥ずかしくない生き方が出来ればと」考えて、少しでもやれたらいいなと思っています。
投稿: omoromachi | 2015年10月 4日 (日) 19時00分
こんばんは~。
」
それにしても与党の政治家の先生たち
本当に全員、心から安保法制や憲法改憲に賛成
なんでしょうか?それよりも先に
政治家としての自分の保身が大事なんじゃないの?
って思ってしまいます。
今後何かあったら、「やっぱりあれは本意じゃなく間違いでした
なんて言ってきそうですね。
投稿: monna | 2015年10月 4日 (日) 20時45分
monnaさん、こんばんは。
私も同じ事を考えています。 ある政党に属するのですから最終的には同じようにまとまるのは仕方ないと思います。しかし今の与党は、自らの党内で議論することさえやらなくなったことを一番危惧しているのです。
与党議員の中で安保法制について本当に理解出来ているのは殆どいないと思います。閣僚でさえ説明が二転三転します。 国民の命がかかる法案を議論しないで何が国会議員だというのでしょうか。
党首に反対したら次の選挙で公認が得られないための保身と考えられても仕方ないでしょうね。
政治家の得意とする「記憶にございません」「あれは本意ではなかった」とまた使うのでしょうか?
相手を想うことから出た嘘はついても、自分の為の嘘はついて欲しくありませんね。政治家としても人としても・・・
投稿: omoromachi | 2015年10月 4日 (日) 21時11分
そうですね、いまだに何一つ約束した事が満足に出来てないですね。
TPP、拉致家族、日露交渉、日朝関係改善、経済インフレ政策、改正選挙区等々・・・。(これらを支持する・しないは別にして)。
言った端から次々と言葉を変えている様に思えます。
彼のやった事と言えば、弱いものいじめの消費税アップとモラル低下(嘘と詭弁の蔓延)が真っ先に思い浮かびます。
投稿: めいぷる | 2015年10月 4日 (日) 23時18分
めいぷるさん、こんばんは。
仰る通りですね。私達も次々に出てくる言葉に欺されて、何か世の中が好転しているように勘違いしている気がします。
当時の野田首相と安部さんが約束して解散した筈ですのに議員削減など何も出来ていません。東京オリンピックの誘致の時に福島の原発事後の汚染水はコントロールされていると言っていたのですが、現在も海に垂れ流しの状態です。見せかけの景気の上昇も税金を沢山投入して株価を上げましたが、もしこの景気浮遊策が上手く行かなかったら更に国民の借金は増えるだけですね。
この政権の基本は金持ちをより金持ちにして、ここからこぼれたお金を庶民に分配する構想で始まっていますので、弱い立場の人は更に最後に回されてしまいます。これで景気も悪くなれば一億下流社会になってしまいそうです。
どんな偉い人でも謙虚にならなければいけないと思います。
投稿: omoromachi | 2015年10月 5日 (月) 00時17分