きょうのFMレキオは私達の血液型について話をしました。 外科医にとって血液型は輸血関連で気になるところですが、一般の皆様は血液型と性格診断などに興味はあるのではと思います。あるアンケート結果で日本人は血液型と性格は合っていると答える方が8割近くいるそうです。なんとなくA型は「几帳面」、O型は「大雑把」、B型は「自己中心的」、AB型は「気分屋」となるそうです・・・皆様方も如何でしょうか?
日本人は血液型の話題が大好きです。誰彼のプロフィールでも血液型が書いてあったり、日常会話の中でも「血液型はなに型?」と聞かれたります。外国で血液型を質問したら、恐らく怪訝そうな顔をされ「なんでこんなことを聞くの」と逆に質問されるはずです。 輸血を必要としていない時にわざわざ個人情報を表には出しません
私達日本人が血液型を話題にしやすいのは、四つの血液型がまあまあの割合で存在するからではないかと考えています。日本人でA,O,B,AB型がそれぞれ4:3:2:1の割合で存在します。外国ではその国で結構血液型が同じだったりします。例えば南米のある国では、国民の95%はO型です。では全員が大雑把と言う訳ではないでしょうから、この国ではきっと血液型診断なんて本が出たとしても売れないと思いますね。
さて本題に入りましょうか
血液型を最初に発見したのはオーストリアの医学者カーン・ラントシュタイナー博士で、現在のように4つの血液型が確定したのは1910年です。まだ血液型が解って100年しか経っていないのです。
皆様もご存じのように違う血液型を輸血すると不適合輸血と言って体で異変が起こり、最悪の場合は死んでしまいます。 私達の血液を遠心分離機で赤い血球の部分(赤血球)と抗体などが入っている血漿の部分に分けることができます。
カーン博士は何人かの血液を採取して、この赤血球と血漿部分を違う人同士で組み合わせると、全く反応を起こさない場合と、血液が固まってしまう組み合わせがあることを発見します。そのため人間の赤血球には2種類の抗原があり、血漿成分にはそれに対する2種類の抗体があると考えたのです。 アルファベット順にそれをA抗原・B抗原に対して抗A抗体と抗B抗体としたのです。
その為、最初は「A抗原」を持ち、B抗原の血液を凝集させる「抗B抗体」を持つものをA型の血液と命名し、今度は「B抗原」をもち「抗A抗体」を持つものをB型の血液を名付けたのです。 その後調べたら、両方の抗原を持たない血液型があることが解ったため、その血液型をC型としたのです。
ここまでならよかったのですが、今度はAとBのどちらの抗原も持つ血液があることが判明します。血液型はとなるとD型ではなくて素直にAとBの抗原があることより「AB型」と命名するのです。
そうなると先ほどのC型の名前をどうしようかとなるわけです。 この血液型はA抗原もB抗原も両方持っていないから「ゼロ型」となり、アルファベットのO型と命名されるようになったのです。その為、人間の血液型はA型、B型、O型、AB型に分類されるようになったのです。
理論上はA型への輸血はA型とO型が可能、B型への輸血はB型とO型、AB型への輸血はAB型とO型、O型への輸血はO型が可能となります。O型は何型でもよいのですが、AB型からの輸血はAでもBでも駄目でABだけです。その為O型の血液は何でも引き受けるおおらかな性格と結び付いて考えるようになったかも知れません。
これ以上長くなると読むのも大変でしょうから、手短に・・Rhプラスとマイナスも気になるのでしょうから・・・抗原のAとBから血液型を分けましたが、それ以外に人間の赤血球上には5つ抗原のがあります。そのうち輸血などで重要となるのはD抗原となります。D抗原を持っている人をRh(+)、持っていない人をRh(−)と分けています。日本人ではRh(+)が95%、Rh(−)は5%となります。そのことより日本人でAB/Rh (−)は非常に少ないと言うことになるのです。
外科医の私からすると赤血球の抗原が人間の性格や行動を規定するとは考えにくいのですが・・・・これを言うと国民の8割から拒否されそうですので、血液型性格関連説もあっているかも知れないと・・・お茶の濁して逃げるとします


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