フォト

« 改めて冷静になるために:ユネスコ憲章 | トップページ | 今週の生け花(2015年2月1週) »

2015年2月 4日 (水)

インフルエンザの流行

今週のFMレキオは冬場に増える疾患について話をしました。インフルエンザを初めとする感染性疾患、脳出血・狭心症などの循環器疾患、転倒・骨折などの整形外科領域などが冬場に増える疾患です。

今日のブログは全国的に大流行しているインフルエンザに関してお話をします。いま流行している殆どはインフルエンザA型です。その辺りから解説してみたいと思います(外科医の説明ですので間違いもあるかも知れませんがお許しをcoldsweats01)。

太古からインフルエンザの大流行に人類は悩まされていたはずです。そのことはこの名前の由来をみたら判ります。インフルエンザの「インフル」とは古代ラテン語の「影響する」から来ています。周りの人と影響し合う病気、すなわち感染力の高い病気であると知っていたのです。(英語でも影響のことをInfluenceと言いますね、同じ語源です)Akino_ann

インフルエンザは少しずつ形を変えて私達の免疫力から逃れようとします。時々大きく異なる変異株が出現しそれが世界的大流行となり多数の死者を出すようなことがあります(パンデミックと呼んでいます)。

近代でみても、1918年から1919年に流行ったスペイン風邪は全世界の1/3が罹り、死者数は4000万人(日本だけでも38万人)に、1957〜1958年のアジアインフルエンザでは死者数は2000万人以上、1968〜1969年の香港インフルエンザでは死者数は100万人とされています。

いずれもA型インフルエンザによるものです。インフルエンザウイルスはその内部の蛋白質によってA型、B型、C型に大きく分けます。世界的な大流行はA型が殆どで、毎年の様に流行を繰り返すも中規模に止まるのがB型です。C型は稀に小児に感染することはありますが流行を起こすことはありません。そのため一般的にインフルエンザと言えばA型とB型を指し、ワクチンもA型とB型に対応して作られますし、病院などでインフルエンザを調べるキットもAとBを判別できますがC型には対応していません(ほぼ必要ないためです)。

少し細かになりますが、A型が世界的に流行を起こす理由や宿主についても説明します。インフルエンザA型(H1N1)と言う表現みたことありませんか?

同じA型でも細かく分けるため「H1N1」などと表記する訳なのですが、A型インフルエンザの表面の抗原にはヘマグルチニン(H)ノイラミニダーゼ(N)の2種類あり、それぞれ15種類(H1〜H15)、9種類(N1〜N9)が判っています。 HとNの型番の違いは15×9で135の組み合わせが可能です。A型インフルエンザは違うタイプに変わり易いことと、増殖速度もB型やC型と比べても速いため、大流行を起こすのです。

ちなみにスペインかぜ は「 H1N1型」、香港かぜは「 H3N2型」、今年の流行の型の「H3N2型」となります。香港インフルエンザと同じ型ですが、人類がすでに経験しているタイプですし、予防注射にも想定範囲ですので1968年の大流行は起きないと考えられます。 しかしこれらの組み合わせが人類が経験したことのないような組成になるとパンデミックになる危険はいつでもあるのです。

B型は毎年発症はするのですが、数年に一度その型が変異するため、数年に一度は中規模な流行を引き起こします。

流行に関して、時々「鳥インフルエンザ」が発症したため養鶏場の鳥を全部殺傷処分にするお話を聞いたことがあると思います。
それは、鳥のインフルエンザが人にも感染する可能性があるからですし、鳥の感染を防いでおかなければ、鳥同士の感染を繰り返しているうちに新型のインフルエンザウイルスに変化し流行することを恐れているからなのです。

Th_hl24_04_2 現時点でB型インフルエンザは人しか媒体しませんが、A型インフルエンザは人以外に「トリ類(ニワトリ・アヒル・カモ・カモメなど)・ブタ・ウマ・クジラ・アザラシ・ミンク・イヌ・アライグマ」などで確認されています。 そのことからもA型インフルエンザは家畜や渡り鳥などにも注意が必要となっているのです。 

ワクチン以外の予防は手洗い、うがい、マスクの着用、流行期に人混みを避けるなどの一般的な対策しかありませんし、それを徹底することが重要となります。皆様方も今流行していますので、実行なされて下さいねscissors

(2015/02/04のFMレキオ「いきいきタイム」はこちらから視聴出来ますdownhttp://www.stickam.jp/video/182407768


« 改めて冷静になるために:ユネスコ憲章 | トップページ | 今週の生け花(2015年2月1週) »

医療 FMレキオ」カテゴリの記事

コメント

とても勉強になりました。
ありがとうございました。

omoromachi先生
今晩は。
インフルエンザの集団感染でお亡くなりになられる方が増えていますね。
それもほとんどが高齢者!私も立派な?高齢者なので外出時(ほとんどスーパーと病院)にはマスクを着用。帰宅後はうがい、手洗いを励行しています。
室内は加湿器と今はお洗濯ものを部屋干しにしています。
勿論、予防接種は毎年受けています。
インフルエンザには罹りたくありませんもの。

「肺炎球菌ワクチン」は6年前に打ちました。
暖かい御地でもやはりインフルエンザは流行していますか?

とんぼさん、こんばんは。

長い文書を読んで頂き有難うございます。もっと簡潔で分かりやすい文書に出来たらいいのですが、私の語学力ではこれぐらいしか説明出来ませんでした。

勉強になると言って貰えて嬉しいです。こちらこそ有難うございます。

マコママさん、こんばんは。

インフルエンザは通常の風邪とは違います。感染力が高く、高齢者においてはそれから肺炎やひどい場合には脳症になりなくなる方も多く見受けられます。

沖縄も1月下旬頃より流行しています。先週はインフルエンザの患者さんが多く、急遽発熱患者さんの待機ブースを作って対応に追われていました。

肺炎球菌ワクチンも5年経ったら再度打てるのですが、今回から制度が変わり、年齢によって(今年の年齢が65,70,75,80,85,90,95歳と5歳毎)と補助の対象者が限定されています。 マコママさんもこの年齢になられたら、再度ワクチン接種を受けたら良いかも知れませんね。

マコママさんはワクチンは接種されていますが、油断は禁物です。どうか手洗い・うがい・マスクで予防して下さいね

インフルエンザのこと、とてもよく理解できました。
私もボチボチ?立派な?高齢者、用心することと致しましょう。
先月下旬、義弟が通勤途上で心筋梗塞で倒れ、一度は蘇生したものの、急変逝去しました。
独身で健康には人一倍気をつける人でしたが、冬場に多いのですね。

お黒ちゃんさん、こんばんは。

お黒ちゃんさんも、立派な高齢の仲間に入りつつありますでしょうかhappy01
義弟さん、残念でしたね。冬場に多い季節病として、寒冷刺激は私達の交感神経を刺激しますので血圧や脈拍なども上昇します。そのため寒い時期は脳出血や心筋梗塞が増えてしまいます。

冬場はこのような循環器疾患、インフルエンザに代表される感染症、転倒骨折なども増えますし、乾燥のため皮膚疾患も増加します。

誰にでも起こり得る身近な病気ですので、それぞれが注意しながら寒い冬を乗り切らないといけませんね。

コメント頂き、有難うございました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/590699/61078910

この記事へのトラックバック一覧です: インフルエンザの流行:

« 改めて冷静になるために:ユネスコ憲章 | トップページ | 今週の生け花(2015年2月1週) »