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2015年1月28日 (水)

脳卒中の病態

今日のレキオは冬場に多くなる脳卒中について話をしました。 この病気の病態が正確に分かるようになったのはごく最近のことになります。

勿論、脳卒中の患者は有史以来いたと思います。 これまで特に何もなかった人が、急に倒れて意識がなくなったり、半身に麻痺が起こったり、呂律が回らなくなるようなことを、多くの方が見てきたわけです。 当然以前はこれが脳の中の出血や梗塞で起きたことなど分かりませんでした。

Th_ この様な病態も見て、昔の方は「脳卒中」と名付けました。「脳」は名前の通り脳みそ(脳実質)のことで、「卒」は「にわかに」という意味です。また「中」は命中とか適中などと同じ意味で「あたる」とのことになります。

ですから、今まで一緒に過ごしていた方が急に麻痺や意識消失を起こしたため「脳がにわかに(邪気に)あたった病気」として捉えたのです。

医学の進歩する以前は、それこそ悪霊が取り付いたとして、邪気を払うために荒治療や拷問に近いようなことも行われたと記録には残っているそうです。

Th__2 やっとルネサンス期になり、解剖が行われるなかで、同じ様な脳卒中を起こす病態(症状が似ていいる場合)でも、血管が破けた場合、血管が詰まって起こる場合もあるのが判ってきました。 更に脳の出血でも脳実質の中に出血する場合(脳出血)とくも膜下のスペースに出血する場合(くも膜下出血)があること、脳の血管が詰まる場合にも血管そのものが動脈硬化が強くなり血管が狭くなっている場合(アテローム性脳梗塞)と心臓でできた血の塊(塞栓物質)が飛んできた脳の血管を詰まらせて起こる場合(脳塞栓症:心原性脳塞栓症)も分かるようになりました。

画像器機が進歩するまで、その殆どは死んだ後に解剖で判って来たことで、治療には簡単には結び付きませんでした。 出血と梗塞では同じ様な症状でも治療は全く異なることになります。

単純にいえば、出血していれば血を固めて出血を止めたいですし、詰まっているのであれば血をさらさらにして固まらないようにしないといけません。 もしもこの病態と違う治療をすれば、何もしないより更に悪化させることになります。

いちかばちかで治療を行うことは出来ません。そこで人類に福音をもたらしたのは、頭部CTの開発、その後MRIなどの医療器機も開発されました。それらのお陰で、硬い頭蓋骨の中で起こった病態を短時間に把握出来て、早期治療が可能となったのです。

ご存じの通り、今の日本人の死因のトップがガンですが、昭和25年から昭和55年までは脳血管疾患(脳卒中)が死因トップでした。 脳出血も脳梗塞も高血圧と関連が深く、国民運動として減塩に取り組んだことも功を奏していますが、やはり早期診断、早期治療が可能になったために、脳卒中による死因は現在では第4位となっています。  しかし脳出血は減少傾向にありますが、脳梗塞は増加の一途を辿っています

皆様も「脳がにわかに邪気にあたらないよう」に、高血圧などの生活習慣病、不整脈などに注意して下さいねheart01

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コメント

今晩は。
怖い事ですがまさに私は該当しています。
不整脈による血栓・・・それを防ぐために今服用中のお薬は新薬で
有難いと思っております。
それ以前は「ワーファリン」でしたので色々お食事などの
制限がございました。
寒い折、血圧が少し高くなっています。
減塩を心がけてはいますが、なかなか思うようには参りません。

マコママさん、こんばんは。

以前は脳卒中とひっくるめていた概念の中に出血と梗塞という全く異なった病態があり区別するようになっています。

マコママさんの場合は不整脈があってのことですから、心臓内で血液の乱流が起きて血栓ができる可能性があります。 ワーファリンは長い間抗凝固薬の絶対的な存在でした。最近やっと不整脈による血栓形成を防ぐ目的で新たな薬が開発されています。

味覚は子供の時から作られてしまいますし、外国と比べて日本は塩分が多い食品が多いのも事実です。その中で減塩をするのも大変と思いますが、高血圧に対してまず取り組まないといけない問題でもありますね。

収縮期血圧を10mmHg低下させると、脳卒中のリスクは20〜30%減るとも言われていますので、特に寒い時期は血圧のコントロールが重要となりますね。大変と思いますが頑張って下さいねheart01

いつも解りやすい解説で場合によっては、コピーさせて頂いております。
今回もまた有難い解説でした・・・
実は40代に脳梗塞を経験しています。父がなくなって3年目、農作業も多忙な4月始めでした。入浴を終えたら左手が思うように上がりませんでした。何の医学的な知識もありませんでしたから、翌日、hospitalへ・・・すぐ入院でした。
今では後遺症もほとんどありませんが、もう少し医学的な知識があれば、入院も短かったのかも知れません。
血圧は母に似てやや高めでした・・・健康に対する意識が低かったこと、反省しています。

こんにちは(^_^)
実は 家族が くも膜下出血で 倒れたことがあります。
奇跡的に「絶対出ます」と言われていた後遺症は ほとんどなく
今も元気で生活しています。
お医者様の説明を聞いても ちょっとよく理解できなかったのですが^^;
この絵をみて納得しました。
脳幹のあたりもくも膜のある場所なんですね。
健康診断を受けても 勝手な自己判断をしていたようで
受ければ終わりではなく そのあとの対応が大事ですね。

姉は脳出血であの世に旅立ちました。母は脳梗塞後、7年生き長らえましたが、昨年、別の病で旅立ちました。
遺伝が関係するのだとしたら、私もいずれは脳に来るのかなと、漠然と思っています。二択かあ、だったらどっちがいいのかなあ、なんて思ったりしています。

でんでん大将さん、こんばんは。

若い頃にこういったことがあったのですね。若いから無理をしますし、明日になれば治ると思ってしまう場合もあるかも知れません。 今では薬も色々と開発されていますが、やはり如何に早く診断、治療をするかによって後の経過が大きく変わることもあります。 大将さんは麻痺が残らず運が良かったのかもしれません。

この季節は寒冷の差があり、血圧の変動も起こしやすい時期ですので、無理をしないで下さいね。 

モカラテさん、こんばんは。クモ膜下出血は脳の実質に出血するのではありませんので、症状も突然の激しい頭痛で発症することが多く、麻痺は通常すぐには出現しません。ただ重篤になる場合も多く死亡率もまだまだ高い疾患です。

クモ膜下出血は1万人あたり1年におよそ2人の割合で発生しています。喫煙者、高血圧の方、痩せている方や、多量の飲酒が続いたり、感染症にかかった場合などでは、より発生しやすいといわれます。

また、他の脳卒中と較べ家族性に発生する傾向もあります。脳動脈瘤が破裂した方の近親者(一親等以内) では、約4%の方に脳動脈瘤が発見されるといわれますので、注意が必要です。

今ではMRIなどで脳動脈瘤の有無を調べることが出来ますので、クモ膜下出血を起こしたことのあるご家族には頭部のMRIの検査を勧めています。 もしそのようなことがあれば一度病院で調べて見て下さいね。

丸に橘さん、こんばんは。

お姉さん、残念でしたね。脳血管疾患は昭和26年から昭和55年までの30年間、日本の死亡原因の1位を占めていました。現在でも死因の第4位(癌、心疾患、肺炎、脳血管疾患)です。

脳出血は減少傾向ですが脳梗塞に罹る方は年々増加しています。どちらも高血圧が関係しますので、丸に橘さんは血圧の管理が重要になるかもしれません。 二者択一ではなくてどちらもリスクを減らすことが可能ですから、高血圧、高脂血症、糖尿病などの動脈硬化を促進する因子から先ずは体調管理を計って下さいね。

お互いに楽しくギターを弾き続けるためにも麻痺が起こらないように努力しないと行けませんね。頑張りましょうscissors

先生こんばんは。 
脳卒中に関する知識、待ってました!
有難く拝見しました。 亡き母が80歳代前半に、脳梗塞で右半身が麻痺し、リハビリに励みましたが、車いす生活7年・ベット座位生活5年・寝たきり生活2年・・・95歳で亡くなりました。 亡き父は89歳でとても元気でしたが、冬の入浴中にヒートショックで亡くなりました。 どちらも元気故に、医者通いすることがなく血圧など健康管理が疎かになっていたのでしょう。 最近のように”住民健診”を受けていれば・・・と、悔みます。
私は今のところ、コレステロール値が少し高め(薬の必要はないでしょうと言われています)ですが、他は大丈夫のようです。 が、遺伝も関係あるのでしょうね。
癌(カルチノイド)・脳卒中~と荷物(笑)が増えていきます。
しかし、予防と早期発見で2度目の人生を大切にしたいです。

 いろいろ勉強したいです、引き続き宜しくお願いします。

神戸のomoroおばさん、こんばんは。

ご両親ともに脳血管障害となったのですね。お母さんのように脳梗塞で一命を取り戻しても後遺症が重くのしかかってしまう場合もあります。 
冬場の寒暖の差、特にお父さんのように、お風呂場でのヒートショックにより突然死も多く認められますし、夜間のトイレなどでも急な血圧の変動で亡くなる方もいます。 お風呂場やトイレなどの寒さ対策が必要かと考えます。

コレステロールが少し高めでも、血糖値や血圧が正常範囲なら大丈夫かと思いますが、やはり予防は大切だと思います。 自分自身の体の健康、冬場の温度管理などの環境整備も重要ですね。

いつも見てくれて有難うございます。

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