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2014年9月 3日 (水)

デング熱について

今日のFMレキオは急遽デング熱について話をしました。
デング熱は世界中の熱帯地方を中心に毎年5千万人から1億人が罹るウイルス感染症です。

日本では多くの場合、渡航先(外国)で感染し帰国(入国)後に発症、あるいは感染した蚊が荷物などと一緒に入って来たことによる感染(確定は出来ていません)が殆どで、日本で毎年100〜250人の方が発症しています。
(実は戦中、戦後直ぐには南方戦線からの人や物資の移動にて日本でも20万人の方がデング熱に感染しています)

Photo 今回、そのような渡航先と関係の無い方が国内で感染したことが問題となっています。

世界中の熱帯地域を中心に多数の感染者がいます。 ウイルス性疾患ですので、デングウイルスは自分では増殖できず蚊や人間の生きた細胞の中で増殖して、繰り返し感染が起こります。 特殊な状況(感染者からの輸血など)を除いて、インフルエンザのように人から人に感染することはありません

感染者の血液を吸った蚊の中で4〜10日するとウイルスが増殖して、蚊の唾液腺の中にもウイルスが出現し、伝染する力を持ちます。 

ご存じの方も多いと思いますが、血液を吸うのはメスだけです。メスは卵巣を発育させるため血液の栄養分を必要とします。 蚊の多くは一ヶ月程度の寿命ですが、血を吸って1回に300個ぐらいの卵を産み付け、また血液を吸って産卵する・・・これを5回程度行い寿命が尽きます。 オスはとなると交尾後人知れず(coldsweats01)死んでしまいます。

蚊は血液を吸う時、痛みでばれたら私達に叩きつぶされてしまいます。そのため麻酔薬に似た作用のある蚊の唾液を注入し、皮膚を麻痺させて血を吸って行きます。 まんまと吸ったあと、私達は痒くなり刺されたことに気がつきます。痒くなるのは蚊の唾液に対するアレルギー反応なのです。

唾液にウイルスを持った蚊に刺されてから、3〜14日で発症します。感染しても50〜80%の方は無症状です。 症状は発熱(40度近くなります)、頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛が出ます。インフルエンザに似ますが違うのは、50〜80%の方に1〜2目に皮膚の紅斑が現れ、4〜7日目に全身に発疹が出現します。多くの方は7〜10日で改善して行きます。Photo_2  

日本国内で2006年から2010年の間にデング熱と診断された患者581名について調べた結果、重症(デング出血熱)となったのは24名(4.1%)で、死亡者はいませんでした。重症型のデング熱を放置した場合は10〜20%の致死率とされています。

デングウイルスは4種類のタイプの違いがあり、違うタイプを刺された時に重症化するのではないかと推測されています。

まだワクチンや抗ウイルス薬はありませんので、対症療法しかありません。 先ずは蚊に刺されないように予防が必要です。 媒介する種類の蚊の成虫は日本では10月頃にはいなくなります。それ以降の感染はなくなり、日本での大流行はないと考えられています

地球温暖化と共に熱帯地方の風土病といわれたデング熱も日本で今後常在化して行くことも予想されています。 現在感染地域の北限は台湾ですが、まもなく沖縄、日本でも普通の病気となってゆくのかも知れません。今後目の離せない疾患となると思われます。

早くワクチンや治療薬が開発されて欲しいものですhappy01

(2014/09/3FMレキオ「いきいきタイム」はこちらから視聴出来ますdownhttp://www.stickam.jp/video/182357723

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医療 FMレキオ」カテゴリの記事

コメント

「デング熱」
久しぶりにこの名前を聞きました。
マラリアと同様に南方帰りの兵隊さんがかかる病気としか知りませんでした。

私は、日本脳炎の予防接種を受けた世代なのですが、
「恐るべし蚊」なのですね。

omoromachiさん、こんにちは
タイではデング熱は一般的で、高熱がでるけど対症療法しかない程度の知識しかなかったのですが、簡潔に分かりやすくまとめていただき有難うございます。
治療薬がなく重篤化することもあるので、怖い病気には違いないのですが、症状がでれば、きちんと病院に行き体力があれば、死に至ることはほとんどないと思っていたので、最近の日本での騒ぎを仄聞して、ちょっと過熱しすぎでは?と思っていたので、こうしてきちんと纏めていただけるのは有難いです。
私も蚊に刺されないよう気をつけたいと思ってます。

とんぼさん、こんばんは。

デング熱はマラリヤと共に戦中、大戦直後に流行しました。
確かに南方帰りの兵隊さんが持ち込んだことが多かったようで、西日本を中心にかかった方も多かったようです。

蚊を媒介とする感染症には、マラリヤやデング熱、日本脳炎などが有名ですし、米国で流行しているウエストナイル熱(脳炎)なども日本に入ってくることも予想されています。今後日本においても蚊の対策が重要となるかも知れません。

Khaawさん、こんばんは。

私の専門は外科ですので、デング熱には詳しくないのですが、毎日の報道をみているとKhaawさんが書いてありますように少し過剰報道のような気がします。その為にFMで放送し、ブログに書きました。

実際か罹っている方がいますので、回復を願いますが、新型インフルエンザのようなパンデミックとなるような恐れはありません。 なによりも、今年突然日本で発症者が出たわけではありません。勿論国内感染という事態は重要ですが、毎年日本で100名から250名の感染者が出ています。

正確な情報を元にパニックにならずに対策を講じて欲しいと思いブログに書いてみました。 私の主旨を分かった頂き助かりました。

タイプの違うデングウイルスに複数回、感染する時に重症化が多いようです。タイはデング熱の感染地帯ですので、蚊の対策は充分に取って下さいね。

omoromachi様
デング熱も温暖化とともに、沖縄で
当たり前の病気になってしまうことは
怖いことですね。
気をつけて、過ごしていきたいと
思います。いつもありがとうございます。

nadoyamaさん、おはようございます。

地球の温暖化や人や物資の移動に伴い、これまでいわゆる風土病(地域の限定的な病気)といわれたものが、国、地域を越えて広がりやすくなって来ています。

台湾は既にデング熱の感染地域ですので、気候的にも地理的にも近い沖縄では温暖化と共に流行するのではないかと心配しています。 蚊の発生源になる空き缶や放置タイヤ等の水たまりを極力なくしてゆかなければいけません。 
また個人的には虫除けスプレーなどを利用して蚊に刺されないようにしないといけませんね。

こんばんはmoon2
デング熱のomoromachiさんの解説、
とてもわかりやすく、参考になりました。
そうですか、メスは5回も・・・gawk

私は蚊に刺されやすく、
刺されると、腫れやすいので、気をつけねば~
冬を越して来年は国内感染が収まるのを願うばかりです。

monnaさん、こんばんは。

今日もやはりデング熱の感染の拡大の報道がされていました。 感染された方は大変だと思いますが、エボラ出血熱と同じ扱いでは困ると思います。

ただ日本において公園など管理しないといけない場所で蚊の対策がされていませんでしたので、これを機に日本でも蚊の発生源の対策が重要かと思います。

monnaさんは蚊に刺されやすいタイプなのでしょうか? 蚊に刺されやすいタイプなど巷では血液型のタイプなどもあると言われていますが・・・私は? です。 ダダ言えるのは新陳代謝がいいのでしょうか? 蚊は二酸化炭素をたよりに動物を見分けますので、新陳代謝が速かったり、熱があったりすると呼吸や皮膚から放出する二酸化炭素が増えますので、蚊が寄ってきます。

monnaさんは蚊も寄ってくるいい女なのでしょうheart01・・そう言えば血を吸うのはメスでした・・・失礼しましたbleah

omoromachiさま
こんばんは。

今日ニュースで新たに伝えられた感染場所、
新宿中央公園・・・ですが、
実はわたしの勤務先のすぐ近くなんですsweat02

ひゃ~コワイ!と思いつつも、
実際何がどうなのか、どうすれば防げるのかなど
さっぱりわからなかったので、
今日、omoromachiさんのお話を読ませていただいて
少しホッとしましたcoldsweats01

ありがとうございますconfident

アケさん、こんばんは。

感染地域が広がっているようで心配ですね。特に勤務先が代々木や新宿でしたら、勤務先でも一番の話題で、心配ごとと思います。

現在の所、予防策は蚊に刺されないことしかありません。罹った方には不快な思いをさせてしまうかも知れませんが、現時点で日本で重症化し死亡したケースはありません。ですのでパニックにならないことも重要かと思います。

感染しても症状が出ない方が多いですので、蚊に刺されたからと言って余り心配せずに、もし高熱や頭痛などの症状があれば医療機関を受診して欲しいと思います。

今後地球温暖化と共に毎年のようにデング熱の話題は出てくると想像しています。 心配とは思いますが、どうかパニックにはならないで下さいね。

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