憲法記念日に
今日(厳密には昨日ですね)は憲法記念日でお休みでした。 昨年一気に国会だけでなく国民世論も改憲への方向に突入するかと思いましたが、今年の世論調査では改憲への流れが少し落ち着いたように感じます。 何も具体的な議論がされないまま、改憲のみが先行することへの不安が増したからだと思うのです。 機密保護法もうやむやのうちに決議がなされました。 どうにでも解釈できるような法律は、間違った方向へ進んだ時に歯止めがきかなくなることを私達は判っているからなのです。
戦後長く同じ憲法の下にあるため、時代に変化と共に調合性がなくなった部分も確かにあると思います。 でもこの憲法のお陰で権力の思い通りにならない、歯止めもかかっているのかと思います。
当然、私が一番影響を受けたのは父母です。 親父は満州に出兵し、その後も捕虜となり沖縄に帰国して初めて、当時学校の校長であった父親や今の高校生、中学生だった弟達がにわか軍人として使用され、爆弾の雨の中死んでいったことを知らされました。弟達はとても優秀で将来が楽しみな二人で、戦地に行く親父の無事を祈って見送ってくれたそうです。
悔しかったと思います。 口数の少ない親父でしたが無念であったと思います。 私にはその弟の名前の一字があてられています。
この様な沖縄で育ち、戦争の本質を少しは知っているつもりでいます。私は戦争が嫌いです。 一人一人の命はとても重いのです。戦争は簡単にその命が消耗品のように失われてしまいます。 戦争で亡くなるのは戦争を決めた人達ではなくこれから未来がある若者達です。
侵略を受けても戦争をしないと言っているわけではありません。 自分の大切な人を奪うようなら、自分の命をかけて反撃します。 しかし、それは最後の最後です。 メンツを潰された程度でけんかをしてはいけません。 国のメンツ、指導者のメンツで若者を殺してはいけないのです。
戦争が嫌いと言ったら左翼かぶれと言われたことがあります。戦争が嫌いなのと、政治思想とは違います。 人の命の重さが一番大切と思っているだけです。 医師をして一人の人間を助けることの困難さを知っているつもりです。 こんな大切な命ですのに、ボタン1つで多数の人間が死んでしまうのが現在の戦争です。 その爆弾の下で死んでいく人々の中に何の罪もなく、私の何十倍も素晴らしい人々が沢山いると思うと残念なのです。
議論を尽くした末に憲法を変えても良いのかも知れません。それは弱い立場の人を守り、政治が自分勝手に出来ないようにするための重しになるためならの話です。
<日本国憲法前文> 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由 のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を 確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれ を享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
« 睡眠時無呼吸について | トップページ | 子供の日は大雨ですが »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 穏やかな春の1日(2023.02.23)
- 今年もアトリエトトロの子ども達から素敵なクリスマスプレゼントが届きました(2022.12.21)
- 第7回世界のウチナーンチュ大会に感激(2022.11.03)
- 私達の選択(考えることの大切さ)(2022.09.28)
- 旧盆の3日目(ウークイ):お月様(2022.08.12)
おはようございます
全くその通り出だと思います。
国どうし仲良くした方が
お互いの国益になるはず・・・。
政治的思想とは関係なく、ケンカはいずれにせよ、
さらに末代まで恨みが残るので、良くないです。
投稿: monna | 2014年5月 4日 (日) 05時54分
monna様、おはようございます。
私の生まれた環境のせいでしょうが、子供の頃より戦争だけはしちゃいかんと言われて育ちました。 親父からは若い時に自由に勉強出来るなんてこんな幸せはないのだと言われました。確かにそうだと思います。
死んでいった沢山の人々の目線からみたら、戦争をするぐらいだったらどんな難しいことも解決出来るのです。
戦争(けんか)を起こす指導者同士の想像力のなさ、我慢のなさが戦争へと突き進めるのだと思うのです。その暴走を監視するのが国民の義務でもあるのです。
投稿: omoromachi | 2014年5月 4日 (日) 10時26分
本来の憲法があるのに、解釈解釈で自分の都合のように変えられていることに不安を感じている国民も多いのだと思いますよ
憲法改正の議論の後に特定機密保護法が内容が、うやむやのうちに決定されたのをみるとやはり怖さを感じてしまうのです
omoromachi様が仰られているように戦争反対と左翼右翼とは違うことだと私でも判ります。 いつもブログを拝読して一人の人間の命の大切さが判る、本当の意味で温かいブログだと思います
初めて憲法の前文を読みました。凄いことが書いてあったのですね・・・いつか日本国憲法を1回は読破してみたいと思います
私は今日まで仕事でこれから4連休です。omoromachi様もお休みはあるのでしょうか? 少しはのんびりされて下さいね。
投稿: ツクシンボ | 2014年5月 4日 (日) 17時45分
ツクシンボ様、こんばんは。
日本は世論が一気に同じ方向に向かう傾向があるため心配していましたが、少し立ち止まって考える方が増えたのだと思います。 特定機密保護法の成立の強引な手段をみていて多くの方が危うさを感じ取ったのかも知れません。
憲法は国民を守るためであって、権力が自由になるためにあるものではありませんし、逆に県曲の暴走を止める役目が重要なのですよね。
今日までお仕事でしたか。 明日から4連休を楽しんで下さいね
投稿: omoromachi | 2014年5月 4日 (日) 19時25分