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2014年4月23日 (水)

PM2.5と喫煙・COPDの関係

今日のFMレキオはPM2.5について話をしました。 中国から偏西風と共に飛来するPM2.5についてマスコミ等でお聴きのことと思います。

ただ患者さんとの会話の中で少し誤解している部分もありそうなので少しまとめてみます。 「PM2.5=発癌物質」では必ずしもありません

Th_ まずPM2.5の定義です。空気中には色々な大きさの塵がただよっています。空気中の粒子が小さければ小さい程、呼吸と一緒に肺の奥にまで入ってしまいます。 1mmの1000分の1の単位をマイクロメートル(μ)と呼んでいます。 空気中に漂っているマイクロメートル単位の小さな物質を粒子状物質と呼び、英語ではParticulate Matterと言うので略してPMとなっています

「PM2.5」とは2.5μより小さな粒子状物質の総称で、大きさで決めていて、この物質がなんであるかではありません。(大きさの例では髪の毛の直径は80〜100μ、杉花粉は30μ、黄砂などは4μです。それらよりずっと小さい粒子です)

なぜこんな小さな物質が問題となるのでしょう? それは大きな塵なら鼻毛にかかったり、くしゃみと一緒に体外に出してしまいます。杉花粉などはアレルゲンとなってくしゃみなどの原因になりますが,肺を破壊しません。

肺は呼吸をする器官ですが、空気は気管、気管支、細気管支を通り肺胞という一番奥の場所で酸素の入れ替えを行います。 PM2.5ぐらいの小さい粒子になるとこの肺の奥まで入ってしまうのです

有史以来、偏西風に乗って黄砂などが日本に押し寄せていたはずです。しかし今問題となっているのは、中国が急激な経済発展で石炭需要が増し、車の急増と環境対策の遅れでなどで、Th_pm25 大気中のPM2.5が激増し、その成分も変化したことが問題となっています。 その中身は沢山の硫酸塩、硝酸塩、有機化合物などや発癌物質も多く含まれていることが問題となっているのです。

それによりアレルギーなどや気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増加や悪化、癌の発生、さらに循環器系にも悪影響を与えるのです。

PM2.5は大きさとその成分が問題となっているのです。何となく日中関係がギクシャクしている中で、中国憎しとなってしまいそうです。日本もかつては経済成長の中で、世界の海や大気を汚染してきたのです。 それから得た環境技術を今の中国で生かすことが出来ればWin・Winの関係になれると思うのですが・・・・。

皆様もPM2.5は中国からやって来た問題だけと思っていませんか? 日本にやって来た時にはかなり大気に拡散されて濃度も低くなっています。 もっと身近に高濃度のPM2.5があります。

Th_hl24_12 これは喫煙です。タバコの煙はPM2.5そのものなのです。たばこの煙には喫煙者が吸う「主流煙」と、たばこが燃えることにより発生する「副流煙」があり、非喫煙者はこの両方から影響を受けます。副流煙には、主流煙よりも多くのタール・ニコチン・一酸化炭素・窒素酸化物等、多くの有害物質が含まれ、アルカリ性のため、目や気道について、刺激性が高いという特徴があります
日本禁煙学会のHPに、様々の場所でのPM2.5濃度が書いてありますので参考までに追記しておきます。
(全面禁煙のコーヒー店:8μg/㎥ 、喫煙家庭:46.5μg/㎥ 、  自由喫煙パチンコ店:148μg/不完全分煙禁煙席:336μg/㎥ 、不完全分煙酒屋喫煙席 496μg/㎥ 、自由喫煙居酒屋:568μg/㎥  タクシー喫煙一人  1000~μg/)・・・・・ちなみに中国で一番ひどい状態が500程度と書いてありました。

国(環境省)のPM2.5基準値は「1年平均が15μg/㎥以下であり、かつ、1日平均値が35μg/㎥以下」としています。

もしも喫煙者が中国の大気汚染を気にかけているのであれば、自分自身と周りにどれだけ迷惑をかけているかも鑑みながら行動しないといけないかも知れませんね・・・今回も愛煙家にとっては厳しい意見になりましたrun

(2014/04/23のFMレキオ「いきいきタイム」はこちら視聴出来ますdownhttp://www.stickam.jp/video/182295435

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コメント

お久しぶりです。

PM2.5に関して中国からの公害物質とおもってニュースなどをみていました。大きさの定義であることを初めて知り、ビックリしています

粒子が細かいと肺の奥まで影響を及ぼすのですね。やっと理解出来ました。テレビで連日のように放送されていたのにomoromachi様のような解説がなかったのも不思議な気がしますけれど

私は結婚し、子供が出来る前に禁煙していて、改めてよかったと思います。禁煙していなければ今頃PM2.5 の真っ直中だったのですね。いつもながら判りやすい説明、ためになり感謝します。

ツクシンボ様、こんばんは。
お忙しそうですね。少し職場は落ち着きましたでしょうか?

PM2.5について、ニュースの話題からは遠くなりましたが、外来で患者さんと話をしていましたらPM2.5という名前の健康被害をおもたらす物質と思っているようでした。

ニュースで伝えられた割には本当のことを知らない方が多いと思いましたので、話題に取り上げてみました。

昔はタバコを吸っていた時期があったのですね。年取ってから息苦しくなる方も多いので止められてよかったですよ。
奥さんと子供さんに感謝ですねhappy01

おはようございますsun

職場の人がタバコを吸うので
閉口していますsweat01

健康に悪いのでやめた方がいいよ!お金もかかるしって
やんわり言っているのですが、効果なし・・・shock
空気清浄器で対応していますが、
その人はPM2.5を毛嫌いしているので
このomoromachiさんの話をさっそく
してみたいと思いますrocksign01

monna様、おはようございます。

タバコを吸う人が配慮がない時には本当に困ってしまう場合もありますよね。

タバコは百害あって一利なしです。 愛煙家は吸うのは自分の責任だからと言っています。もちろんその自由は認められています。 ただ本当の意味で周りに迷惑をかけていることを知らない方が多すぎる気がします。

副流煙は最悪ですが、それがなくても分煙の出来ていない居酒屋で行くと、空気の悪い所にいたくもないと思いますし、帰っても服を始め体中からタバコの臭いが消えません。

そろそろ日本人もタバコが必要でもないことに本気で認識して欲しいですね。

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