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2014年2月 5日 (水)

肺炎について

今日のFMレキオは冬場に多い肺炎について話をしました。

抗生物質やワクチンや抗インフルエンザ薬が開発されてたとはいっても肺炎は未だに日本人の死因の3位にあります(平成23年の統計で癌、心疾患、肺炎、脳卒中の順)。

冬場のいわゆる風邪や感染性肺炎の原因はウイルスよる場合と細菌によるものが主です。 私達は当然息をしますので、空気中にある細菌やウイルスも一緒に肺の中に入ってきます。その時病原微生物は呼吸器の粘膜に取り付いて炎症を起こして病気を発症させてしまいます。

Th_ ただ私達の体も黙って微生物の侵入を許している訳ではありません。息を吸った空気中にあるゴミなどの物質や細菌、ウイルスなどを、鼻毛や鼻の粘膜、のどの粘膜で大きな粒子を捕えます。 そこで捕えられなかった小さなものが気管に入ると、咳をして勢いよく外へ出してしまいます。更に奥に進むと気管支に分かれてゆき、その気管支の表面には繊毛と言う顕微鏡でしか見えないような毛が無数に並んでいて、細かな粒子を捕らえることが出来ます。それだけでは無くなんとその毛は1秒間に15回というスピードで動いて、気管の奥から外の方に痰と一緒に追い出します。凄い排除システムが備わっているのです。まさに驚異の世界ですhappy01

さて話を戻して肺炎の話をします。解りやすいように図を書いてみました。病原微生物が空気から入ってきてまず炎症を起こすのは殆どは上気道と言われる場所で起こります。一般的に風邪と言っているのはこの部分の炎症で上気道炎と呼んでいます(細かく言うと咽頭炎、扁桃炎、喉頭炎と分ける場合もありますが、ひっくるめて上気道炎(風邪)で構わないと思います;呼吸器の専門の先生に怒られそうですが・・・)

更に上気道を越えて気管や気管支まで炎症が及ぶと気管支炎の状態となります。気管支炎になると喘息の方のようにゼーゼーやヒューヒューといった気管支の狭窄音が出現することがあり、一般的に咳がひどくなり、高熱や息苦しさも出現してきます。

更に炎症が肺の実質の酸素交換をする肺胞まで及ぶと肺炎と言うことになります。これがなぜ重症かというと、上気道炎、気管支炎は空気の通り道の炎症ですが肺炎は肺実質(肺胞)そのものが破壊されますので、高熱、咳、痰が続き、体に酸素を取り入れることが出来なくなります。そのため呼吸困難となり心臓にも負担がかかり、特に高齢者では亡くなる確立が高くなります。胸膜の近くまで炎症が波及すると胸痛も出現するようになります。肺炎は現在でも日本人の死亡の原因の第3位となっている重篤な病態です。たかが風邪されど風邪といわれる所以です。

冬場の呼吸器感染の8〜9割はウイルスによるものですので、自己免疫を落とさないように無理をせず、手洗いうがいで防いでいきましょうpunch 。風邪をひいたら無理は禁物ですね。

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コメント

こんばんは。
肺炎は歳を増すごとに怖い病気ですよね~
寝たきりになったご老人の多くが、風邪をこじらせて肺炎から致命的になるように思います。
若いときは、肺炎なんてと思い罹ってもタバコ吸ってました。(おバカですね)
今日も詳しく勉強させて頂きました。
ありがとうございます。

EOSのパパさん、こんばんは。

肺炎などの感染症は未だに高齢者や合併症を持っている方、あるには乳幼児期には怖い病気の1つです。

若い時には、たかが風邪だと思って無理が出来ても、ある程度の年齢になると肺炎へと進展することがあります。タバコは気管支の絨毛の動きを悪くし、肺胞そのものを破壊してしまいます。 年齢が早い時期にタバコを吸う程肺の破壊が早く肺気腫となり、少しでも運動すると息切れが出現するようになります。やがては酸素療法が必要となる場合も多くみうけられます。

風邪などがあれば早めに治療を行い、また全ての肺炎を予防出来るわけではありませんが、肺炎球菌ワクチンなどの予防注射もあります。これからは自分の体に相談しながら早めのチェックが必要かも知れませんね。

omoromachi様、いつも分かり易い説明有り難うございました。気管支炎と肺炎の違いがやっと分かりました。
実は叔母が肺炎で入院して一時状態が悪いと病院に呼ばれてことがありましたが、何故風邪をこじらして危篤になるのか解りかねていました。
肺炎は直接呼吸に関わるようなことなのですね。病院で人工呼吸器につなぐかどうかを説明を受けたような記憶がありました。納得しました。
omoromachi様のように素人が判るように説明して欲しいと希望します。皆様忙しくて大変でしょうけど。
今日も勉強になりました。医学が好きになりそうですhappy01

おはようございます^^
食道癌で闘病中だった義父が最後は血痰を吐き出すことができず、(大学病院に検査入院していましたが、看護師さんの態度が悪いといって怒り、タクシーで病院を抜けだして帰った頑固者で我侭者で自宅闘病しました)末期は肺炎で高熱が3日出たあと亡くなりました。余命半年だったのが2年生き延びました。自宅では最後は水も飲めず近くのかかりつけの先生に点滴をお願いしました。
好きに自宅内をウロウロして、好きなテレビを見て、65キロあった体重が35キロまで落ちましたが、仏壇に一日二回お参りして死の準備をしていました。
pen繊毛は1秒間に15回というスピードで動いて、気管の奥から外の方に痰と一緒に追い出します。凄い排除システムが備わっているのですpen
良く勉強になりました。そのシステムも働かなくなったのでしょう。
食道のそばの大動脈が破裂しなくて良かったと安堵しています。

亡き姑も病院を嫌って、大腸がんと痴呆で自宅療養中に痰を喉につまらせて、5年の痴呆末期(口を開けず食べることもできなくなりました)に亡くなりました。
人の最後は どうしてすーと天に召されないのかと思いますが、赤ちゃんと同じように、数年はオムツなど人の世話になってあちらに旅立つのでしょうね。
癌は怖くないけど痴呆が人の尊厳がなくなるようで怖いです。
夫は研究一筋、趣味も無く運動もせず母の痴呆の遺伝子を受け継いでないかと不安になりますが、神のみぞ知るで、天にお任せしています。ありがとうございました。

ツクシンボ様、こんばんは。

いつも温かいコメントありがとうございます。私は難しいことは解らないので単純に説明しました。

医学をやっていて人間(生き物)の体はなんと素晴らしくできているのなと思っています。 神様がいるかどうかは解りませんが、地球上の生き物を創ったのは私の想像を超えた凄い力の持ち主だと感心しているのです。

このブログを通して医学が好きになってくれたらこんなありがたいことはありません。私も励みになりそうです。また頑張りますねscissors

愛様、こんばんは

人は生まれる時も死ぬ時も選ぶことは出来ません。
ですから、自分の意志で出来ている時間を大切にして、真っ当に生きたいと願うのです。少なくとも恥ずかしい生き方はしたくないのですね。

ご自身の御病気だけでなく、沢山の方を介護されながらそれでも前向きに生きて行く愛様の姿にはいつも感銘を受けています。

明日のことはわかりませんが、今やれることをお互いに頑張ってゆきましょう。折角この地球に生まれて来たのですからflair

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