ノロウイルス感染症
今日(平成26年1月22日)のFMレキオ「いきいきタイム」はノロウイルス感染症につい話をしました。
ノロウイルスは感染力が強く毎年繰り返し集団発生がありますが、今年は浜松市の給食のパンによる1000人を超す集団感染、山形県での大学生の90名近い集団発生があり、注目が集まっています。
ウイルスや細菌による急性胃腸炎は昔からよく認められ、原因の分からない昔は「お腹の風邪」と呼んだ多くがウイルス性の胃腸炎だったかも知れません。特に冬場はノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなど沢山の急性胃腸炎を起こすウイルスが存在します。
ウイルスは細菌ではありませんので、抗生物質は効きません。同じように毎年流行するインフルエンザには予防接種もあり、もし罹っても抗インフルエンザ薬が開発されています。しかしノロウイルスにはまだ予防接種もありませんし、抗ウイルス薬もありません。ノロウイルスは変異株が沢山あり、1度罹っても免疫が出来にくく、ノロウイルスに罹っても再度罹患することもあり注意が必要なのです。
ノロウイルスは非常に感染力が高いのが特徴です。僅かなウイルスでも口から取り込むと感染の可能性が非常に高いこととと、厄介なことは症状が出ない人もいること、あるいは罹って腸炎の症状が消失後もしばらく便の中に多量にウイルスが存在し続けること。
ノロウイルスの特徴の1つに十二指腸や小腸などの口に近い消化管にも影響が強いため、下痢だけでなく嘔吐が頻回にあることがこの病気の特徴でもあります。 これは感染拡大の防止にとっては困難な状況を作り出しています。
下痢だけなら主にトイレ周りを消毒すればいいのですが、嘔吐の場合トイレに行く前に吐いたりすると、部屋中に吐物が散らばり、吐物を処理する際にも部屋中に目に見えないウイルスをまき散らすことになります。 部屋中に俟った空気の中にも沢山ウイルスが存在しそれが他の人の感染の元にもなります。
殺菌には熱湯や0.05〜0.1%の次亜塩素酸
ナトリウムを使用します。ノロウイルスにアルコールや逆性石けんは殺菌効果がありません。次亜塩素酸ナトリウムは市販の塩素系漂白剤(ハイターやブリーフなど)でおそらく5〜10%濃度がありますので、50〜100倍に薄めて(例えば原液10㏄を水1000㏄に溶かして)使用します。
この希釈した溶液を使用し衣服や食器類を浸した後に通常通り洗えば良いと思われます。 カーテンやドアノブ、便座の周りなどマスクと手袋をして拭き取り消毒します。 吐物や拭き取ったペーパー、マスク、手袋などをビニール袋に密封して処理して下さい。
(塩素系漂白剤が良いからといって、これで手を洗ったり、うがいなどは絶対に行わないで下さいね。)手や喉が真っ赤に焼けただたれた報告があります。 最後は流水で通常の石けんを利用して、少なくとも30秒以上かけて手洗いをして予防して下さい。
冬場はインフルエンザやノロなどウイルス性疾患が流行しやすい時期ですので、やはりマスク、手洗いの基本をしっかり行って少しでも感染のリスクを減らして下さいね。(余りに多すぎて書けませんので詳しくはネット等で調べて見て下さい)
今日のFMレキオ「いきいきタイム」はこちらから視聴出来ますhttp://www.stickam.jp/video/182230041
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omoromachi 先生
こんばんは^^
浜松市の給食のパンによる1000人を超す団感染の
ニュースには え! どうして?と不安になったものです。
給食パンを製造する方のトイレのノブに ノロウイルスが
付着していたと新聞に載っていましたね。
食べ物に係わる人は、その日の体調を報告しないと
いけないそうですが症状の出ない人もいるのですね
外出したらインフルエンザやノロウイルスのウイルスが
)思って 手洗いうがいを
ありがとうございましたm(_ _)m
蔓延していると(大げさかな
励行します。
マンションや病院のエレベーターや大型店のエスカレーター
などには 手や指を触れないように自衛はしています。
勉強になりました
投稿: 愛 | 2014年1月22日 (水) 23時56分
愛様、こんばんは。
給食のパンによる集団感染はノロウイルスの感染力の凄さを改めて教えてくれました。
ノロウイルスの感染は毎年12月をピークに報告されています。 昔からこの感染はあったのかも知れませんが、食事が1カ所で多量に作られ、多数の場所に納入されるため感染した場合、感染者の数が膨大になることが多くなった気がします。
ウイルスによる感染症の殆どは、まだ予防接種もありませんし、特効薬もなく自分自身の免疫力でしか抵抗出来ません。
愛様が仰るように、どこにもウイルスはいると考え、手洗いうがいをしっかりやることが一番重要なことだと思います。
これ以上、ノロウイルスやインフルエンザウイルスが蔓延しないことを祈るばかりです。
投稿: omoromachi | 2014年1月23日 (木) 01時14分
omoromachi様
ノロウイルスの感染力がすごいですね。
私も気をつけたいと思います。
石けんで手洗いしても、取り除くことができないのですね
投稿: nadoyama | 2014年1月23日 (木) 07時00分
nadoyama様、おはようございます。
ノロウイルスはウイルス自体の致死性は強くないのですが、感染力の強さと予防が難しいウイルスです。
ノロウイルスを死滅させる為ではなくて、流水で石けんを使い丁寧に手洗いをすることで、物理的に手についたウイルスを洗い流すことが出来ますし、可能です。
沖縄ではインフルエンザが大流行しています。やはり,マスクの着用やうがい、手洗いの基本的な行動でウイルスを体内に入れないようにすることが肝要かと思います。
コメント頂き有り難うございました。
投稿: omoromachi | 2014年1月23日 (木) 08時38分
おはようございます。
ノロウイルス、目に見えないものだけに、
。
本当に怖いですね。
アルコールが無効というは、このブログで初めて知りました。
ブリーチ、
布巾の消毒にくらいしか使っていませんしたが、
他にも掃除や食器洗いにも使ってみます
投稿: monna | 2014年1月23日 (木) 09時12分
こんにちは(^_^)
ビックリするようなニュースでしたが
十分 ありうることなんですね。
生ものを扱う仕事をしているので
以前の「食中毒」の記事や今回の「ノロウィルス」の記事は
大変 勉強になります。
職場でも細心の注意をはらっていますが
まだまだ油断はできませんね。。
2月3日には「恵方巻き」をた~くさん作ります(ノ^^)ノ
節分豆で 厄払い! 出来たらいいのですが…
投稿: モカラテ | 2014年1月23日 (木) 10時19分
monna様、こんばんは。
ウイルスは細菌より何十倍も小さく、厄介な相手です。
見えないのでやはり予防しかありません。 アルコールのシュポシュポは多くの細菌やウイルスに有効ですが、ノロウイルスには効果がありません。
ブリーフがノロ対策になるのは私も10年前ぐらい前に知りました。ただ皮膚炎等もありますので、これだけではいきませんが・・・
予防対策は石けんを使って流水で時間をかけて手を洗うことですので、頑張ってみて下さい。
投稿: omoromachi | 2014年1月23日 (木) 18時28分
モカラテ様、こんばんは。
ウイルスや細菌は目に見えないので、食品を扱うには気を遣いますね。 特殊なメガネをかけるとウイルスが光って見えるよなものを誰か開発してくれませんかね。
「恵方巻き」・・?。。。読み方さえ知りませんでした この様な場合ネットは便利です
・・・・沖縄ではこの様な巻き寿司を食べる習慣はありません。 ブログを通して全国の色々なことが発見出来て楽しいです。
私はやはりモカラテ様の手作りの「恵方巻き」食べてみたいです。 藤沢道場の皆様は食べることが出来るのでしょうか。羨ましいです
投稿: omoromachi | 2014年1月23日 (木) 18時44分