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2013年12月 9日 (月)

秘密保護法と信念

今回日本の政治は歴史的な汚点を残しました。今後もこの先例に倣って色々なことをやるようになれば戦後民主主義は終焉を迎えるはずです。

秘密保護法案が十分な審議もされず、形だけの第三者機関の設置で知る権利を担保したと可決されました。「機密保護」とその対極にある「知る権利・言論の自由」は同じ重さの位置関係にあり、その均衡を監視するためには時の権力者から完全に独立し、どの官庁の監視も出来る第三者機関が必要だと思うのです。

そもそも国民をなめています。 この程度の審議で十分だと、この法案に賛成した人が、もし選挙前だったら本当にこの法案に賛成したでしょうか・・答えはNoです だから嫌いなのです。 「選挙に通るまではペコペコ、通ったら威張る」。君主はどの状況でも誰に対しても同じ態度で臨むものです。 これはどの政党とか、右翼とか左翼とかの問題を言っているのではないのです。信念を通しているかを問いたいのです。

国民の多くはまだまだ議論が必要で、Th_photo2_78 実際にどのような法律なのかを知りたいだけです。 知ることも出来ないことへの漠然とした恐怖を抱いていると思うのです。 

それをあえて強行採決した裏には、国民は一時的には不満を訴えるが、次の選挙までには忘れるはずと高をくくっています。

本来、力のある人は、自分の強さを知っているだけに自制するものです。マジョリティーであるが為にマイノリティーの意見もくみ上げる必要性を感じているはずです。一昨日南アフリカのマンデラ元大統領が亡くなりました。最高権力者となった時に、投獄された記憶を乗り越えて、信念を貫きとおして、自分を投獄した白人社会に対しても平等に扱いました。今の政界はこの様な配慮にかけるのだと思うのです。

自分たちの行っていることが間違っていないと思うのであれば、国会の密室を出て国民に説明をすればいいのです。この法律が正しく、心配する必要がないことを多くの国民が納得出来るように説明をすればいいだけなのです。 

この様なことを書けば私も監視対象になるのでしょうか。 ものが言えない萎縮した社会、監視された社会になって欲しくないのです。この法案の最も怖いところは徐々に私達の中で無意識に自主規制がかかることです。

何かを言ったり、調べたり、たまたま写真を撮った所に基地や原発があったり・・・どれが機密に相当するかもわからない恐怖心、猜疑心に包まれる社会が健全だとは私には思えないのです。 これから施行までの間に丁重な審議を行って欲しいものです。

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コメント

読んでいてスッキリしました。 国民が何故疑問に思っていることが伝わらないのでしょうか? やはり庶民とかけ離れた人達なのでしょうか? 今回の件は残念でなりません。

外国との交渉で秘密保持はあるべきだと皆思っているはずです、ただそれは知る権利も保障されており、ある期間20〜30年後には開示されるべきです。100年後に開示されてもも私達は生きていません。

今回おかしいと思えるのは、秘密の罰則は決めているのに内容はわからないような曖昧さです。

曖昧でどうにでも解釈されるような法案は法案とは言えない状態です。吟味ではなく、どのような場合にもしっかり対応出来るのが法律と思うのですが・・・どうも意味がわからないのです。 気持ち悪い法律で不気味な感じがする法律ですね。

私のコメントも意味不明な内容になりました、知らないことは恐怖心を思えるのがわかる気がします。

ツクシンボ様、おはようございます。

この種の問題が出てくると、支持政党がどうのこうという話が出ますが、個人的に嫌いなのが態度をころころと変えることなのです。 この法案が正しければ、何か足りないのであれば補足するようにすればいいし、反対する側は単に反対ではなくて、これがいけない、これが必要だと話して解決すればいいと思うのです。

今回は余りにも急ぎすぎて、法案を通すことが先で議論は後から的な感じですね。 公聴会を開いて翌日採決では全く形式的なもので、これを参考にしようなどと鼻から思わない訳ですから公聴会に参加した方を愚弄しているのではないかと考えてしまいます。 この様なやり方は人として失礼だと思うのです。

政治家は政治家でしょうが、人としてまともな感覚でいて欲しいと思いますね。 誰に対してもどの状況でも自分自身の基準を持つべきではないでしょうか

施行までに僅かに時間はありますので、国民の不安感を払拭して欲しいものです。

こんばんは。
私もそう思います。
日本はいったいどこへ行こうとしているのでしょうか?
国家百年の計を誤ったような気がしてなりません。
こんなことをさせるために、政権に返り咲かせたはずではないのに。。。
前政権があまりのも頼りなく空虚であったために、さんざんだまされ続けた政党に再び期待した国民が愚かだったのでしょうか?

EOSのパパさん、こんばんは。

前政権時に決まらない政治にうんざりしたり、内紛的になってしまったり、経済的に落ち込んでいる時に再度この政権に期待して投票したはずです。

国民が現政権に期待したのは経済を立て直して欲しいとの思いが強かったはずです。

選挙を行ったら過剰なまでに一党独裁的な数を得てしまった。 ブログにも書きましたが、数を持ったから何でもやっていいのではありませんし強いからこそ謙虚にならないといけないと思うのです。

国民も納得できないのは納得できないと意思表示はしないといけないと思います。 数の力を頼っているものは数の力に弱いですので・・・

一般の国民が漠然とした不安感を感じなくてもすむようなシステムを作って欲しいと願うだけです。

たいへん残念ですが、ついに成立してしまいましたね。
こんなに反対している人がいるのにどういうことでしょう。

国の安全にかかわることに秘密があるのは当然としても、
現状の国家公務員法や自衛隊法による規制で、
いったい何の問題があるというのでしょう。

なんでも隠せる、何が秘密かもわからない、
誰のプライバシーでも調べられる、
それをだれにも追求させない、延々と隠せる、
しかもなにを隠したかの記録に関してはどうでもいい、
全体が正しく運用されているかのチェック機構もない、
民主国家にそんな法律があるでしょうか。

一部の人たちは、よっぽど
後世の人達に知られたくない仕事をしたいンでしょうね。
悲しいことです。


また、今回、決まるまでの過程を見ていて思うのは、
意味のないパフォーマンスしかできない
野党のなさけなさ以上に、立法制度自体の破綻でしょうか。
最後は牛歩戦術でも始めるのじゃないかとヒヤヒヤしました。

いまの制度下では、実質的に与党のやりたい放題ですので、
表面的な議論は、バラエティ番組の内輪話以下の意味しか持っていません。
与野党ともに「議論をしなかったわけではありません」の証拠を残したいだけで。
制度自体の見直しも必要ですね。
(無視されているとはいえ選挙の無効化もあがっているわけですし。
 ってここで言いたいのは、そういった票の平等だけの狭い話ではありませんが)

後の世にたいへんなものを残してしまった、を
今のおとなは記憶にとどめ、反省すべきだと思いますね。
ちゃんと修正できる日が来ることを祈って。

はま様、こんばんは。

ご指摘の通りだと思います。

自分が行った行為に対して責任を持つことが大人だと思うのですが、今の議員は残念ながら自分の保身のみを考えているように見えてしまいます。

この法案の条文では恣意的に解釈、実行されることは明らかです。それは自分達に都合のよいことですので、あえて変える必要がないからです。 

変えるには私達国民自身がどこに向かいたいのかを考えないといけないと思います。雰囲気や右へ倣いではなく、物事の本質を見る目を養うことが必要です。

私もはま様のように大きな視野で物事を考える人間になりたいです。


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