今日のFMレキオは12月に入ると、忘年会などでお酒を召し上がる機会が増えると思いますのでアルコールと肝障害について話をしました。
アルコール性肝機能障害に関してはラジオでは話しましたが、ブログでは何故お酒に強い人と弱い人がいるのかどうかについて書いてみます。
「アルコールの弱い強いは遺伝で決まっている」と書くとこんなこと分かっているよと思われるのでしょうか。 では白人でも弱い人もいるの?となると答え難いと思います。 外国の映画シーンを見ていると、色々とお酒を飲む場面があり、パーティーなどでも皆が飲んだり踊ったりしています。あまりドレスを着飾っているのにお茶やオレンジジュースを飲んでいるシーンは見かけません。
ジェームス・ボンドもアルコールをストレートで飲んでいるのにクールで顔色ひとつ変えません。 私でしたら直ぐに顔が赤くなって、この状態で犯人を追いかけたりしたら、心臓が破裂しそうになるはずです。私のアルコール分解酵素が最強だったら人生変わっていたかもです

アルコールの強さはアルコールを無毒化する分解酵素(アセトアルデヒド脱水化酵素ALDH)を持っているかどうかで一番決まります。
人類はアフリカが起源でヨーロッパやアジア、南北アメリカに広がって行ったと言われています。元々人間は黒人や白人のようにアルコール分解酵素を持っていたのですが、東アジアに到達した時、環境因子によって黄色人種となり、その一部にアルコールを分解出来ず、飲めない方も出て来て、更にこの方々も日本へ移動、定住します。
アジアで人類が広がって行く途中で、黄色人種の1人が突然変異でアルコール分解酵素を失ってしまったのです。アルコールを飲まないと生きてゆけないのであればその1人で消滅したのかも知れません。
お酒を飲む勝負で生存が決まらなかったせいでこの遺伝子を持った子孫が中国、韓国、日本に移り住みました。 そのお陰で日本人の5〜6割は白人や黒人と同じようにお酒が強い方となり、少しは飲める方が3〜4割、1割近くは全く飲めない人に分かれてしまったのです。
アルコールを分解する能力で考えると、
同じ量のお酒を飲んだ時、お酒が強い方の1杯の量は、弱い方では4〜5杯分と同じで、飲めない人では20〜30杯に相当するそうです。 全く飲めない方(下戸)がお酒に漬けた漬け物やアルコールの入ったチョコレートでも顔が赤くなったり、酔うのも頷けます。
宴会などで、飲める方は飲めない方の量をご理解下さい。 酔っぱらって「俺の酒が飲めないのか」と言われても飲みたくても飲めない方もいるのです。 貴方にとっての一杯は相手にとっての5〜6杯、あるいは20〜30杯になるのです。無理に勧めるより「安上がりでよかった、また一緒に飲みに行こう」と思った方がよいでしょう
この様にお酒が飲めるか飲めないかは基本的に遺伝で決まります。余り強くない方が無理に飲むと他の分解酵素が誘導され肝機能がはやく悪くなります。忘年会シーズン、肝臓をいたわって下さいね
2013/12/11のFMレキオ「いきいきタイム」はこちらから視聴出来ます
http://www.stickam.jp/video/182194272
最近のコメント