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2013年9月25日 (水)

真菌症(爪白癬)について

今週(平成25年9月25日)のFMレキオでは真菌症について話をしました。

真菌症とはカビ類が起こす感染症ですが、 Smi_2 深部真菌症のように重篤な合併症もありますが、一般的には表在性真菌症が身近だと思います。

皮膚の1番表面の角質層に感染して起こす皮膚真菌症を白癬と呼んでいます。足に発生するのを俗に水虫、外陰部に感染するのは「インキンタムシ」、手足以外の胴体・腕などに感染するのを「タムシ」「ゼニタムシ」、頭に出来るのは「シラクモ」と呼んでいますが、場所は違えど白癬菌による症状です。日本人の10人に1人がかかるポピュラーな疾患です。

表面ついた真菌によるものですので抗真菌薬の軟膏・スプレーを塗り続ければ基本的に治って行きます。 しかしながら爪の中に白癬菌が入り込んだ爪白癬は外用薬ではなかなか退治出来ません。その理由を説明します(外科医が説明するので皮膚科のように専門的ではありません)

真菌は通常の細菌では栄養として吸収出来ないセルロース、リグニンといった高分子成分を様々な酵素を使用して炭素、窒素、リンなどの低分子化合物に分解出来る性質を持っています。

人間の皮膚の最表面の角質層は生きた細胞の核を失いケラチンなどの物質で構成され、垢やふけとなり体から剥げ落ちて行きます。角質は細菌の栄養にならず菌も住み着きませんが、白癬菌は角質を栄養源に出来るため住み着くことが可能なのです。

Th_img_0180_3 爪は皮膚が変化したもので硬質のケラチンやコラーゲンなどから出来ています。硬くて指の先端を守っています。ケラチンなどが煉瓦を積み重ねた様な頑丈な要塞の作りとなっています。

白癬菌もすぐに爪の中に侵入しませんが周囲の指が長らく水虫に感染していると次第に爪の中に菌が入り込むことがあります。また外傷などで爪がひび割れした場所からは入り込み易くなります。

強固な要塞の様な爪ですが、1度入ってしまえば、爪は伸びてくるため白癬菌にとって終わりのない食料庫となり、守りも堅いので籠城するには最適となります。白癬菌に感染した爪は白く濁ったり黄褐色に変色し、厚くなり変形してしまいます。痒みなどはありません。 爪の表面を水洗いしても、軟膏を塗っても内部に浸透せず爪白癬を撃退することは容易ではないのです。

この様な理由で爪白癬の治療は主に内服薬でおこないます。一ヶ月に2〜7日間、抗真菌薬を飲んで、効果があれば爪が生えてくる部分から良くなって来ます。正常な爪に生え替わるまで、手の爪で3〜5ヶ月、足の爪で5〜8ヶ月間内服を続ける必要があります。飲み薬ですので肝機能などが悪くならないかどうかなどのチェックも必要となります。皮膚科の先生に御相談された上治療計画を立てた方がよいと思います。

最後は真菌の名誉回復のため、有益な真菌類を紹介:真菌の仲間の酵母はブドウ糖、ショ糖をエタノールに発酵し、お酒、チーズ、醤油、味噌などを造ってくれます。秋の味覚の椎茸、松茸なども真菌類です。青カビからは人類初の抗生物質ペニシリンがつくられました。凄い奴らですhappy01

真菌がいなければお酒で乾杯も出来ないのですwinewine

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コメント

水虫はなかなか治りませんね。
私が治ると女房からうつされ、又逆の場合もあります。
水虫とは長い付き合いです。
でも最近どうにか良くなってきています。

酵母菌やキノコも水虫と同じ仲間なんですね。
水虫を見る目がちょっと変わりました。

チビクロサンボさん、おはようございます。

真菌類は床に落ちたふけや角質の中に3ヶ月程度生き残ることは出来ますので、一般家庭でも沢山いるのが普通なんですね。 「たかが水虫、されど水虫。あなたの熱意とやる気次第で治ります。」という薬屋さんのキャッチコピーが笑えますが、気長に治療するしか方法はなさそうです。

真菌類がいるので森などの再生が出来ますので、自然のリサイクル屋さんなのです。 本当は良い奴かも知れませんね

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