熱中症に注意を
今日のFMレキオは熱中症について話をしました。
梅雨入りから初夏にかけては、
湿度が高かったり、気温が急に上がる場合も多く、1年のうちこの時期は暑さ対策がより重要となります。 毎年日本では熱中症で、1000〜2000人程度の方は亡くなっていますので、熱中症は他人事ではありません。
熱中症は高齢者に多く、家内で起こることが多い一方、スポーツとの関連では若者でも起こりますし、仕事に関連する場合は30〜50代で発症しているのが特徴です。若いから大丈夫というわけでもありません。
熱中症とは、私たちの体の中と外の「あつさ」によって引き起こされる、様々な体の不調の事を言います。 一般的には周りの環境が暑すぎたり、スポーツなどで動き過ぎたりして、体温を調整できなくなったり、あるいは多量の汗による脱水や電解質異常のよる全身障害を熱中症(正確には次の4つに分類されます)と呼んでいます。
①熱失神とは、暑い環境にいたり、作業やスポーツなどで体温が上がる状態になると体温を下げるために皮膚の血管が拡張します。そして脱水と相まって血圧が下がってきます。そのため脳へ行く血流が減って、めまいや失神を起こす場合があります。
②熱けいれんとは、大量に汗をかくことで血液中のナトリウム(塩分)が汗と共に失われます。塩分を含まない水だけを補給すると、脱水状態の体は素早く水分を吸収します。更に血液の中のナトリウム濃度が低下してしまいます。 血液の中のナトリウムが正常より低くなると、脚や腕、お腹の筋肉がけいれんを起こしやすくなります。この様な原因でけいれんが起こることを「熱けいれん」と呼んでいます。熱けいれんと言いますが、体温がまだ上昇していない時に、けいれんが起こります(子供が高熱の時に起こる「熱性けいれん」とは違います)。
③熱疲労は大量に汗をかいて脱水になり、体温が維持できなくなり、体温上昇が始まり、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などが起こる状態となります。④熱射病は熱中症の1番重傷となった病態で体温が40度以上に上がり、脳の機能(中枢機能)がマヒしてしまうために意識障害が起こり、さらには肝臓や腎臓などの多くの臓器がダメージを受けて、死に至る可能性が高まります。非常に危険な状態で一刻も早く救急車を要請し、その間とにかく冷やし続けることが重要となります。
<中等度もしくは重傷の熱中症の処置>
体温の上昇のある重篤な熱中症の場合は、最初の20分で体温を下げることが出来るがどうかで、生死を分ける場合があります。まず重傷者がでたら、涼しい木陰などに移します。救急車を呼びながら、うちわ、扇風機などで風を送り、水・氷などで全身を冷やします。その人が寒いと言うまで冷やし続けます。人間は高体温より、低体温の方が助かる率は高いので、救急車が到着するまで冷やして、もしも意識が戻るようならスポーツドリンクなど塩分の入った飲み物を与えて下さい。
熱中症は身近に潜んでいます。こまめな水分補給、家庭・学校・職場などの環境状態を判断し、休憩などをとって体を守っていきましょう。
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omoromachiさん、こんばんは☆
年間1000~2000人って・・・。
今まで感覚や印象的に、暑さよりも寒さのほうに用心していましたが、
木々や土に代わってコンクリートやアスファルトが周りを囲んでいる今の時代、
暑さに細心の注意を払う必要があるんですね。
これからの時期に色々と役立つ情報をありがとうございます!
投稿: kokage_zzz | 2013年6月12日 (水) 22時51分
Kokageさん、コメントありがとうございます。
日本全体がヒートアイランド化していますので、コンクリートやアスファルトのからの熱の跳ね返りで、屋外では大変な暑さになります。
体温上昇を防ぐため汗をかいてその気化熱で体温を下げる仕組みがあるのですが、湿気が高い場合は温度が高くないときでも熱中症になることがあり注意が必要となります。
暑いときにはしっかり水分を補給して、「 kokage_zzz」っと休憩をとりたいものです
投稿: omoromachi | 2013年6月13日 (木) 00時40分
こんばんは。
私は一昨年と去年続けて熱中症にかかっちゃいました。
炎天下の中で夢中になってひまわりの写真撮っていたら、あせもでなくなって「ば
たん」でした。
幸い、点滴で回復できて助かりました。
分かっていながら、つい機材を背負って夢中になってしまいました。
今年は十分に対策を講じて臨みたいと思っています。
結構こわいですよね。
投稿: EOSのパパ | 2013年6月13日 (木) 21時54分
EOSのパパ様、熱中症にこれまでなったことがあるのですね。 それほど熱中して写真を撮っていたのでしょうけど・・・・
熱中症になりやすい性格もあるそうです。普段から我慢強かったり、無理をしてしまうタイプはなりやすいといいますのでパパさんもこのタイプかも知れませんよ。
お写真を撮るときも、長時間の炎天下を避けたり、大丈夫と思っても水分(プラス塩分 → プラス糖分の順に)の補給は意識して行った方がよいと思います。
今年も長い夏になりそうですので、ご注意下さいね。
コメントありがとうございました。
投稿: omoromachi | 2013年6月13日 (木) 22時13分