胃は何故グ〜って鳴るのか?
今日と来週のFMレキオでは胃潰瘍について話をします。今日は主に胃や十二指腸の役割、胃潰瘍について話をしました。
胃は小腸や大腸と違い、空腹時は小さくても、食事中はテーブルの上に並んだ食べ物が短期間にお腹(胃)の中に消えてしまうぐらい胃は拡張性に富んだ組織です。胃袋と言われるゆえんです。若い女性に多い胃下垂は骨盤の中まで胃がたれ込んだ状態ですので、胃が如何に大きいのかが想像がつくと思います。
胃の役割は①食物の貯蔵能と攪拌(かくはん;お粥状にミキシング)②胃酸(ペプシン、塩酸、粘液)の分泌③内因子(ビタミンB12 の吸収に作用)
などがありますが詳しく述べても面白くなさそうですので、皆様も経験する空腹時にお腹が鳴ることについてお話しします。
空腹の時などにお腹が「グ〜」って鳴いたことありません。何故か決まって静かな時とか聞かれたくない時に限ってよく発生します
これは胃の蠕動運動によるものです。
胃はアルファベットの「J」の様な形をしていて、上は食道から、Jの先の部分は十二指腸へと繋がっています。重力の関係で胃液や食べ物は下方に貯まり、上方には食事やおしゃべりながらしながら飲み込んだ空気がたまっています。胃の蠕動運動によって空気も一緒に胃の奥の方、十二指腸側に送られます。その途中で蠕動運動が止まったときに胃の下の方まで送られた空気が、一気に胃の上の方に戻って行きます。空気が戻る時に胃の壁にも振動が伝わってあの「グ〜」と言う音が発生します。 げっぷもグ〜も胃の中の空気によるものなのです。
ちなみに「おなら」の殆ども飲み込んだ空気が食べ物と一緒に十二指腸・小腸に送られて、大腸を通り出てきたことによるものなのです(腸内でガスが発生するのはごく僅かです)。その意味では「げっぷ」も「おなら」も親戚です。
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