かなしい?経験
ふと自分のおばあちゃんのことを思い出していました。子供の頃、可愛がってくれたおばあちゃんに、あんたは「いっぺー(沢山の意味)かなさんど〜」とよく声をかけられました。 悪い意味ではないと思っていたのですが、でも悲しい存在? 私って何か悪いことでもしたのかと少し考え込むこともあったのです。
その疑問が解けたのは高校の古典の授業で「いとかなし」という言葉が出てきた時でした。
おばあちゃんが小さな私に沖縄の方言でかなしいと言っていたのは古語の「かなし」のことで「しみじみとかわいい、いとしい」という意味だったのです。
安心した気持ちと、沖縄の言葉は日本語の古語から来た方言だということを意識した時でもありました。
そういえば、那覇空港などに降り立ったとき「めんそーれー沖縄」の看板を見ることがあると思います。「めんそーれー」は英語の「ウェルカム(welcome)」に近く、歓迎を表したいときに、「いらっしゃい」という意味で使用します。
この「めんそーれー」も「面候へ」(めんそうらえ)という平安期からの古い日本語がなまったもので、元々の意味は顔を近う寄せろということから「いらっしゃい」の意味となった言葉だそうです。
沖縄に住んでいても沖縄の言葉のルーツを知らない方が多いような気がします。
沖縄にいらっしゃる機会がありましたら、沢山の歓迎「めんそーれー」を見聞きすると思います
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ありがとうございます。初めて知りました。めんそーれーの語源を。
源氏物語を勉強していて、{いとおかし」とか「いとにくし」とかの「おかし」とか「にくし」という言葉の意味が今使う意味とずれていることは知ってましたが、「かなし」も「しみじみとかわいい」という意味だとは勉強不足でした。
そういう古語のままの意味が残っているのは、関西から遠くに行くほど残っているということですが、沖縄にそのまま残っているとは知りませんでした。ありがとうございました。もっともっと知りたいです。
投稿: はるか | 2013年4月16日 (火) 18時51分
はるか様コメントありがとうございます。言葉は生きていて新しい言葉は発祥した場所から、それこそ昔は携帯などありませんから、口伝えに伝わり円を描くように広がったと思いますね。柳田国男先生もその様に仰っています。そのため日本の端の沖縄で平安時代の大和言葉が色濃く残っているものだと思います。地名も「南風原(はえばる)、東風平(こちんだ)」などがあり、平安時代の菅原道真が読んだ「東風吹かば匂いおこせち・・・の「こち」と一緒です。
沖縄って結構遠そうで実は近いのかも知れません
投稿: omoromachi | 2013年4月16日 (火) 19時57分
こんばんは。一時期沖縄に住んで居ましたが、沖縄の方言で話しかけられるとまるで外国語のように聞こえました
この話をよんで初めて日本語の古語が沢山残っていることを知りました。勉強になりました、また色々教えて下さい。
投稿: た〜ま〜や | 2013年4月17日 (水) 00時25分
た〜ま〜やさんコメントありがとうございます。よくウチナーグチ(沖縄方言)が外国語のように言われますが、言語体系から沖縄の方言は日本語の一地方語である事が分かっています。そして古典が分かれば沖縄の言葉は理解し易いそうです。でも沖縄方言は消滅の危機にあるそうです。正しい表現として残って欲しいと思います。
投稿: omoromachi | 2013年4月17日 (水) 00時32分