劇薬の効果と副作用
私は外科を担当していますので、多くのがん患者さんの手術を行い、日々抗がん剤治療を行っています。
臨床医として薬を使うとき、いつも気を使うのが 効果と副作用(副反応)という点です。 効果にだけ目をやっていると、重大な副作用を見落とすことがあります。副作用による異変に早く気づき、薬を中止し対策を講じていくことで被害を最小限に抑え、新たな治療計画を立てることが出来ます。
なぜこの様なことを書いたかと言うと、今日本は官製のミニバブル状態に突入し、かつてない劇薬を投じている状況だと思うのです。
劇薬ですので効果も著しく、局面を打開してくれることがあります。しかし喜んでいるばかりだと、些細だけど重要な局面を見誤ることがないかと心配するのです。日本全体が次第に行け行けムードとなり、皆このブームに乗り遅れまいと打算を始めています。 しかしその局面の中で、些細なほころびに気づき、劇薬のため命を落とす前に分岐点を指摘できる人がいて欲しいと望みます。
今日本はまさに劇薬を飲んでしまったのです。効果をみながらも、副作用が出たらそれこそ「大胆に」舵を取らなければ死を招きかねません。
ハイテンションになっているときほど、冷静に全体を見る必要があるのではないかと田舎者の外科医は考えてしまうのです。
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さすがお医者様としての観点からの鋭い指摘だと思います。はるかは女の勘として主婦の勘として、「何かおかしい、うさんくさい、詐欺にかかっている、子どもたちや孫たちが危ない」と感じています。
借金すればお金は手に入る、お金をどんどん印刷すればお金持ちになれる。そんなことで喜んでいて本当の貧困問題解決や経済活性化を回避しています。それを大手マスコミは報道したり指摘したりしません。マスコミにジャーナリストとしての使命感がないのです。むしろ地方紙などの方が現実を見て、鋭く指摘しているものもあります。
もっと恐いのは、そんな麻痺状態を作っておいて憲法を変えようと目論んでいることです。副作用が遅く出れば出るほど恐ろしい結果になると思います。
投稿: はるか | 2013年4月22日 (月) 19時50分
はるか様、コメントありがとうございます。成長戦略を政府が発表するのは当然と思いますが、国の借金の問題や原発を含めた復興対策の遅れ、生活物質の高騰の問題なども併せて報じなければならないと思うのです。 マスコミも含めて負の問題を提言しないのはなぜなのでしょう。 それを元に今後の日本の問題を私達国民も冷静に判断出来るのだと思うのですが。 憲法は他の法律と重みが違います。重いから改正発議をするにも2/3以上の国会議員の同意が必要なのです。 1/2以上にしたら政権が変わるたびに憲法を変えないといけない状況にもなりかねません。
政府も日米同盟が最重要といっている割には憲法に関してはなぜか米国から押し付けられたと言っています。私は矛盾を感じてしまいます・・・
投稿: omoromachi | 2013年4月22日 (月) 22時06分