いまなぜ風疹なのか
今なぜ風疹の流行が注意喚起されているのかを、専門外ではありますが明日FMレキオで放送予定にしています(昨年の7月にも同様な放送をしたのですが、まだ状況は余り改善されていないようです)。
①風疹は発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性疾患で日本では4〜5年に一度流行が起こります。主に小児期に感染することが多く、2〜3日で軽快しますので、3日はしかと呼ばれています(はしかは麻疹のことですが、風疹と麻疹は全く違うウイルスです)。合併症としては血小板が減少する血小板減少性紫斑病が3000人に1人、脳炎が6000人に1人ぐらいで起こります。
②先天性風疹症候群:妊娠10週までに妊婦さんが初感染すると90%の胎児に心奇形、難聴、白内障などが発症し、11〜16週までの感染で10〜20%に発症。妊娠20週以降では影響は少ないとなっています。
③日本ではワクチンの種類、副作用、効果などによりその都度法整備が変わり、接種時期が変更となりました → 日本では35・36歳以上の男性では予防接種なし、23/24〜35/36歳の男女ともワクチン接種回数の少ない低予防接種年代(免疫が十分に出来ていない可能性が高い)となっています。
(上記の図を2024年3月27日に追記しました)
④今この年齢が妊娠・出産の多い世代。 今の日本で大流行が起こると昭和39年から41年復帰前の沖縄で、風疹の大流行に伴い先天性風疹症候群が多数発生したことが繰り返されるかもしれません。
⑤:①〜④の理由で、妊娠可能性のある方はもちろん、パートナーの方も抗体価のチェック、予防接種をすすめています。
身近にこの年代の方が居ましたら、風疹についてお話をして欲しいと思うのです(この年代以外でも妊娠の前に風疹の抗体価は測って欲しいと思います)。
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