イビキについて
今日のFMレキオは まじめに?「イビキ」の話をしました。
通常イビキで困るのは、聞かされる側の方で、かいている本人には問題はないように思いますが、やはり多くの問題もあるわけです。
騒音だけの問題なら一人暮らしであれば何の問題もないのでしょうが、パートナーいる場合は毎晩のことですので、寝不足になってしまい・・時に深刻の事態となります(突然夜中に蹴飛ばされたり、鼻をつままれたりしかねません
)。
毎日のようにいびきをかく人は、日本の人口の約 30%にもなります。中年以上の人では、50%以上になるといわれています。自分は関係ないと思っていても、実はいびきをかいているかもしれません。日中、体がだるい場合や睡魔に襲われる場合は、家族の人に、いびきをかいていないか確認してみましょう。
ではイビキはどのようなメカニズムで起こるのでしょう?
イビキは、睡眠中に上気道(ノド)が狭くなり、空気が通るときノドが振動して音が鳴ることを呼んでいます。気管支喘息のような気道の狭窄で起こる音(ヒューヒュー音)ではありません。
イビキは咽頭という鼻や口の入り口から、気管や食道の入り口までの部分でイビキが発生します。 この部分はもともと狭いうえに、周囲に骨による支えがないためつぶれやすく、息を吸ったときに吸い寄せられてさらに狭くなる構造となっています。ストローで水を吸おうとするとホッペがくっつくのと同じような感じですかね。
ここで質問です。「イビキは息を吸うときと吐くときのどちらの方がかきやすい」と思いますか? ・・・・・
そうですね。息を吸ったときにノドの狭い部分は吸い寄せられて狭くなり、狭い部分で空気の流れが速くなりますので、周りの咽頭が振動して音(イビキ)が出てきます。吸った時にイビキをかくのが多い理由です。しかし、吐く時にもかく、いわゆる往復イビキもあります。
狭いだけならイビキだけですみます。さらには吸い寄せられてられると息が出来ない閉塞した状態となります。 振動するだけならイビキ、閉塞すると無呼吸ということになり、いろいろ体に負担をかけた睡眠時無呼吸の状態となってしまいます。
寝ないでイビキをかく人はいないと思いますが、「なぜ眠るとイビキをかくのでしょうか」?
ノドは周囲の筋肉でささえられています。眠るとこの筋肉の働きが弱まるためノドは狭くなります。健康人では熟睡時にいびきをかきます。
舌は口の中で一番大きな筋肉です。 寝ている間、舌の筋力が脱力し、喉をふさぐことからイビキが起こり易くなります。加齢や疲れている時、お酒を飲んだ時、睡眠薬を飲んだ場合も起こしやすくなる理由なのです。
たかがイビキされどイビキでしょうから、睡眠時無呼吸の話は後ほど書きたいと思います。外科医の私が考えることですので、専門科目ではありませんので・・まあ読み流してくださいませ!
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