ビタミンとは
毎日のように普通の会話の中や、スーパーや薬店に行くと見たり聞いたりする、ビタミン(vitamin)も、その存在が発見されて100年しか経っていないのです。
多くの方はビタミンと聞いて「ビタミン=健康・美容」とうイメージだけで、実際それがどの様な物質でどのような作用があるかは余り気にしたことはないと思います。
ではビタミンとはどのようなものなのでしょうか?
ヒトがとらなくてはならない栄養素としては、まず3大栄養素と言われるタンパク質、脂肪、糖質(炭水化物)があります。 それにビタミン、ミネラルを加えたものを一般的に5大栄養素と呼んでいます。 3大栄養素と言われるタンパク質、脂肪、糖質は私達の体をつくるために多くの量が必要となることより、マクロ栄養素といわれています。 それに対してビタミンとミネラルは微量(ミクロ)栄養素といわれ、必要な量はごく少量ですみます。しかし多い少ないではなく、どちらも無くてはならない栄養素です。
まずはビタミンの定義とは つかみ所がなく難しいのですが、教科書に書いてある通りに書きますと 1.体の組織の構成成分でなく、エネルギーに変換されないもので、 2.体内で必要量が合成されず、 3.欠乏症が確認されているもので、 4.無機物(ミネラル)でないものをさします。 これを聞いて理解できた方は恐らく、天才的頭脳の持ち主と思います。
とりあえずビタミンとは、量は少ないけれど、人間が生きていく上で無くてはならない栄養素で、私達人間の体で作ることは出来ない成分と理解してください。
このことをまず押さえておいて、ビタミンの働きとは
私達の身体の機能を維持したり、調節をする3大栄養素の中でエネルギー源となるのは主に炭水化物と脂質で、臓器や筋肉など身体を構成する成分となるものがたんぱく質です。しかしこれらの栄養素は、食べ物として摂っただけでは働きません。
私達が食べた栄養素は、消化や吸収、分解、合成などの化学反応によって人間の体に合うようにつくり変えられて初めて利用できるようになります。化学反応は何も工場や製薬会社などで起こっているわけでなく、私達の体内でも化学反応が起こって処理されています。
たとえば豚の肉を食べたとします。これがこのまま直接、人間の肉にはなりません。当然ですよね。 このお肉はタンパク質として人間の体の中で、いったん一番小さな部品・これ以上小さくならないとう物質(アミノ酸)まで分解されます。次にこの部品を利用して、今度は私達のDNAの設計通りに組み立てたられて、人間の体の成分をなり、始めて利用されます。馬の肉を食べても決して走りが得意になるわけではないのです。
ビタミンは栄養を私達の体に合わせて作り替える化学反応を調節する栄養素といえます。
車でいえば、たんぱく質は車体、炭水化物と脂質はガソリン、ビタミンやミネラルは車がスムーズに動くための潤滑油にたとえることができます。 ビタミン不足になると化学反応がうまくいかなくなり、全身の機能が低下してしまいます。さび付いて、とうとう動かなくなってしまいます。これがビタミン欠乏症といわれる状態です。
主な欠乏症としては ビタミンB1→脚気、ビタミンB12→貧血、ビタミンA→夜盲症、ビタミンC→壊血病、ビタミンD→くる病 等があります。いずれそれぞれについてブログでアップ予定にします。
ビタミンの摂取は基本は食事から、そして足りないようならサプリメントも考慮、必要以上にとっても無駄で綺麗にはなりません。
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わかりやすくありがとうございます。私達の身体って、ホント不思議な仕組みで精巧にできているんですね。食べ物がそれを作っていると思うと、やはり食材や調理にもっと関心を持っていかないと、サプリメントでいい加減にしていると困ったことになりますね。
投稿: はるか | 2013年3月 7日 (木) 17時24分
はるか様コメント有り難うございます。30年近く医者をやっていますが、人間の体は本当によくできているなと感心します。 私達の体はこれだけ巧妙に出来ていますので、普通に色々な食材を戴いていれば、体が自然に処理してくれます。 今は医療情報があふれて、心配性の方を増やしているような気がします。何か1つのもので全てが解決するような食材はないと思います。 季節の食材が頂けるので有れば1番それが体にも心にも満足を与えてくれるのかも知れませんね。
投稿: MC omoromachi | 2013年3月 7日 (木) 20時34分