眠りの効能
(前々回の睡眠と夢の続きで、2013.1.9FMレキオ放送の要約です)
一晩の眠りの中で、ノンレム睡眠(脳の眠り)とレム睡眠(身体の眠り)は1つのセットになって、1時間半程度のこきざみなリズムをつくり3〜5回くり返しながら朝を迎えるのが、私たちの睡眠の一般的な型とされています。
このレム睡眠と記憶には非常に重要な関わりがあります。私達の経験や学習はレム睡眠中に、脳神経細胞のニューロンの結合が進みネットワーク化され、脳内に記憶され保管されるのです。私達がただ眠っていると思っている間に、脳は記憶をするための反復練習をしているのです。
昔、睡眠学習というものがしばしば取り上げられていますが、現在では、その効果は否定的です。といいますのも、レム睡眠中に脳内の情報の整理が行われるのですが、新しい情報は起きている時にしか経験できません。
私は受験の時など、英語の辞書を枕にすることで寝ている間に英単語を記憶してくれないかと期待したのですが、無理でした(実証済みです)。何事もそうでしょうけど、楽をして手に入れられるものはないのですね。よほどの天才か、偶然がなければ「努力に勝る天才なし」でしょう。 コツコツ努力しましょう。
睡眠には
①脳を休めること②身体を休めること③自律神経を休めること④細胞を新しくすることで身体の機能修復に大きな影響を及ぼします。 質のよい睡眠が得られると、①〜④がスムーズに行われ、脳を含めた体全体をよりよい状態で保つことが出来る効果があるのです。
よく「眠らなくても死ぬことはない」と言われることがありますが、そんなことはありません。直接死をもたらさなくとも、不眠は健康に大きな影響を及ぼすのです。1つは脳・精神機能への影響で、さらには、身体機能にも影響を及ぼします。不眠によって老化が促進され、高血圧や糖尿病などの慢性的な生活習慣病が悪化する可能性もあるという報告もあります。
例えば一晩の徹夜だけでも、健康な人は、血圧を上昇させます。また、一晩の徹夜は精神作業能力にも影響を与え、ビールを1本飲んだときの酩酊と差がありません。さらに不眠は重大な事故の原因ともなり、社会問題ともなっています。
寝る子は育つは当たっていますが、寝るオヤジは横に育ってしまっています。
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年末年始、しっかり睡眠をとり、三食きちんと食べた結果、
朝昼晩食べないとお腹がすく、11時には眠くなる、という
なんとも健康的な体になりました。
体内時計が正常になった効果でしょうか。
人体の神秘ですね!
というわけで、今年もよろしくお願いします。
投稿: ゆうこ | 2013年1月10日 (木) 19時16分
ゆうこさん、明けましておめでとうございます。普段お仕事が忙しいでしょうから、年始年末の休みで本来の体内時計がリセットされたかもしれませんね。ゆうこさんのコメントにあるように、人間の構造を解っているつもりでいても人間って神秘的で奥が深いです。今年もお互いにストレスにも負けずに頑張っていきましょう。
投稿: MC omoromachi | 2013年1月10日 (木) 20時50分