真っ赤なお鼻の・・
この季節になると、サンタやトナカイのイラストや写真を見る機会が増えます。 真っ赤なお鼻のトナカイさんのお鼻が赤い理由が新聞に載っていました。
オランダの研究者が「トナカイにおける鼻粘膜微小循環の調査」という論文を発表しています。 論文には「トナカイは重いそりとサンタクロースを乗せて飛ぶため肉体的負担がかかり、異常高熱になる可能性が出てきます。車のラジエータと似た仕組みで、鼻の先の毛細血管が発達させ、外気と接することで冷却し体温の上昇を防いでくれます。そのため鼻粘膜が充血
し、トナカイの鼻は真っ赤になってしまいました」と書いてありました。
医学的にみると納得できます。私達ほ乳類は消費エネルギーの大半を体温維持に使います。活動することでカロリーを
燃焼し、体から熱が発生します。人間は暑くなると体表面の静脈を拡張(トナカイの鼻のようなものです)させ、汗をかくことで気化熱を利用して体温を下げます。
犬は毛に覆われ、汗による気化熱を利用できないため、暑い時はいつも舌を出してハアハアと熱を逃がしています。トナカイの鼻には微小血管が多いので、熱くなった体温を外気で冷やすために血流が多くなり、そのため赤くなったと想像ができます。
ここで、ふと思ったのですが、赤鼻のトナカイにしても、ピエロの赤い鼻にしても笑いものの対象となっています。どうしてなのでしょう? 機関車トーマスにもたしか「赤鼻のジェームス」が出てきています。
赤い鼻が滑稽の象徴となっていることに、医者としては酒叡(しゅさ)との関連を連想してしまいます。根拠のない話ですので、あまり信じないでください。
長年にわたるアルコールの多飲や慢性アルコール中毒(依存症)の方に、鼻の毛細血管が拡張して、鼻の頭が赤くなる 「酒叡」(しゅさ)という病態があります。酒焼けなどとも呼ばれているようです。
鼻の表面にある毛細血管が慢性的に拡張しているためです。アルコールによる酩酊状態となってふらふら状態となった酒叡(しゅさ)の方をみて、おかしいと思うようになり、「赤鼻=おかしな状態」となってしまったのかも・・・と想像してしまいました。 アルコールを多飲している方で、顔がにきび様だったり、酒叡(しゅさ)があったり、手のひらの部分が赤い:手掌紅斑(しゅしょうこうはん)の場合はアルコール性肝障害があるかも知れません。一度、医療機関を受診されて下さい・・なんか急にまじめになってしまいました。
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