心臓病の分類
今日のFM放送は心疾患について話をしました。今回は心臓病の大きな分類について書いてみます。
私達が生きて行くためには、酸素を体の隅々まで循環させなければなりません。それを担うのが心臓と肺ということになり、これはひとつのセットとなり活躍しますので、肺と心臓はどの動物でも隣接して存在します。肺の呼吸作用で酸素と二酸化炭素を入れ替えて、心臓のポンプ作用で血液を体中に循環させて生命を維持しています。
怠け者の私でも心臓はご主人とは違い勤勉に動いてくれています。心臓が1回の拍動で送り出す血液の量は600〜700mlで1分間に70回拍動していると、1分で約5リットル、1日ではなんと7200リットル(7.2トン)の血液を送り出しています。驚異的な値です
心臓が弱ると、心臓のポンプ機能が働かず、全身に必要な血液を送れなくなります。これを心不全と呼んでいます。主な症状は疲労感、倦怠感、呼吸困難、むくみなどがあり、重症化すると死に至ります。
心不全とは1つの病気の名前ではなくて、様々な病気の結果、心臓の機能が低下した病態をさしているのです。
ここで心臓の病気を大まかに分けて考えて見ます
①心臓そのものの構造異常で起こる心臓病; 先天的な原因が多いですね。例えば心臓の4つの部屋を仕切っている壁に穴が開いている心房中隔欠損症や心室中隔欠損症があり、チアノーゼや発育不良が起きます。
②心臓の筋肉自体の異常による心臓病; 肥大型心筋症、拡張型心筋症が代表で、心臓移植が必要な場合もあります。
③心臓の弁の異常による心臓病(いわゆる弁膜症); 心臓には4つの弁があり逆流を防ぐ作用がありますが、この弁が狭かったり、逆流が起きる心臓病です。
④心臓自身に血液を送り込む冠動脈の異常; 先天的、感染症の後に起こることもありますが、多くは動脈硬化に伴う狭窄・閉塞による狭心症、心筋梗塞です。
⑤心臓のリズムの異常による不整脈: 心臓は拡張・収縮を繰り返しますがそのリズムが一定ではない状態を不整脈と呼んでいますが、上記の心臓病に付随して起こる場合もありますし、心臓が持っているリズムを伝えるメカニズムの異常によっても起こる場合があります。
上記のように色々な分類があるのですが、全身に必要な血液を送れるかどうかが心臓に与えられた役割なのですね。私達がお喋りをして楽しんでいたり、寝ている間も寡黙に与えられた仕事を黙々とこなしている心臓に感謝です
最近のコメント