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2017年11月23日 (木)

勤労感謝の日に働く意味を考える

今日は勤労感謝の日で公休日となり、私自身も仕事に行かずにゴロゴロとしています。 病院に行かない日も2ヶ月ぶりかも知れませんが、Th_606827 仕事場に行かずに働くことの意味を考えているのも変ですcoldsweats01

毎年、職場体験やインターンシップ、看護学校の実習現場、あるいは大学などの視察などで多くの若者が職場を訪れます。高校生以上の子供達に対しては実習期間内に30分から1時間ぐらい時間を割いて話をするようにしています(私の昼食時間がなくなりますが・・weep)。 私達の様な小さな病院でも職員が300名近くいます。なぜ医療現場ではこんなに沢山の人が働いているのかを説明しています。医療はおそらく人と人の触れ合いのなかでしかやれない最後の領域かも知れません。どんなに技術が進み、オートメーション化されても多くの人が現場で働いているから医療が出来るのだと考えています。

医療の世界に興味を持って訪れたり、医療の世界に入るための学校に通っている若者達ですので、医療の実際のこと、将来の希望や夢について彼らの意見を聞きながら話をしています。

将来医療の世界で働く意義は?、働く意味とはどのようなものですかと質問を受けることがあります。

現時点で近代化している医療は様々な機器で満たされ、より高度な医療へとシフトしていますし、遺伝子レベルでの治療薬の開発、AIを駆使した情報の集約化が図られて行くと考えられます。

しかし、医療は紀元前のヒポクラテスの時代からその精神は変わっていないと思うのです。目の前にいる病める人を救うために自分の持てる知識(科学的で偏った知識ではない)を総動員して全力で医療にあたることしかありません。そのために多くの職種の方々の力を借りて、1人のために尽くすのです。

Th_772567 改めて、働くとはどうゆうことなのでしょうか? これからの日本を背負う若者達の質問にどう答えて行くのか。

働くのはお金を得る手段とドライに答えることが出来るかも知れません。ただそれだけ? ならお金があれば働かなくてもいいの? 偶然地球で生まれた私達、それも確実に期限が決められた人生。 何もしないで楽しいのだろうか?  人は社会的な生き物だと認識されています。 社会の一員として何かに役立ちたい、自分を認めて欲しいと願っているはずです。

私達は1人では生きて行けません。あらゆる人々が作ってくれたもので支えられ暮らしています。 自分が働いて、つくったもの(製品の一部、サービス、食糧などなど)をお金に換え、そのお金で他人がつくったものを買って生きているのです。

働くとは社会の一部を担っている行為なのです。人は皆、それぞれが素晴らしいのです。自分の作り出したものが、単に歯車のひとつと考えるのではなくて、この歯車ひとつのお陰で大きな機械(社会)が動いていることを想像しないといけないと思うのです。 それが生き甲斐に繋がると思うのです。 生きる意味を労働という社会生活の中で学んで行くことが重要かも知れません。 若者達に働く苦痛を考えるのではなく働く喜びを見つけて欲しいと期待する今日の日です。

2017年11月22日 (水)

メニエール病の歴史

今日のFM「いきいきタイム」はめまいについての第2段として話をしました。ブログでは何度かめまいについて説明しましたので概要は省略します。 まあ私自身は外科が専門ですので、めまいについてはあまり知らないのですが自分への勉強のつもりで書かせて貰っています。

めまいの原因となる1つに「メニエール病」があります。普通はこの様な専門用語に関しては多くの方は知らないのですが、何故かこの病名については知っている方が意外に多いのにビックリしています。                      Th_dsc01358

めまいにも色々なタイプがあり、回転性、動揺性、眼前暗黒感などが代表で、めまいに伴う随伴症状も嘔気、難聴、頭痛など様々です。

今でこそ、めまいの多くの原因が耳から来ていると分かる様になっていますが、昔はめまいは頭の病気(脳卒中など)から来ていると考えられていました。現在ではめまいの原因は大まかに耳が7割、脳が1割、その他が2割と言われています。

メニエール病は耳からもめまいが起こるということを広く知らしめた疾患として歴史上、臨床上重要な疾患となっているのです。

19世紀半ば、フランスで17歳の少女が街から街への移動中に冷たい風雨にさらされます。その移動の途中で突然の激しいめまい、耳鳴り、聴覚障害を訴えて病院に運ばれて来るのです。しかしその3日後には肺炎となりとうとう帰らぬ人になします。

この女性の病理解剖を行ったのがフランスの耳科医のメニエール先生でした。これまでめまいなどは脳出血などの脳の病気と医学会でも思われていました。しかしこの少女の解剖をした結果は脳や髄液などには全く異常がなくて、聞こえなくなった側の耳の内耳に出血が認められるのみでした。
Th_ これまでにもメニエール先生はめまい、耳鳴り、難聴を繰り返す患者さんを何人も観て来て、脳の病気ではなくて、内耳の病気ではないかと考えていたのです。この少女の解剖の結果をみて、耳鳴り、難聴を伴うめまいは内耳障害によるものと確信し学会で発表します。

当時の医学会を巻きこむ論争となりますが、フランスでは評価を受けなかったのですが、ドイツ医学会がその報告を支持し、一気に世界的に認められる様になります。

これを機にめまいが内耳の障害でも起こることが認められ、これを提唱したメルエール先生にちなんで「メルエール病」と世界に知れ渡ったのです。

メニエールという言葉の響きがいいのか分かりませんが、何故かこの「メニエール病」は広く日本国民にも知れ渡っている気がします。と言うのはめまいで来る患者さんが「私はメニエール病ではないでしょうか」と来院する機会もあるからなのです(時々経験します)

ただし、メニエールが最初に報告した内耳の出血によるものは今では「突発性難聴」で、本当のメニエール病は「内耳のリンパ液の水腫(水ぶくれ)」が原因であるとされているのです。

メニエール先生のお陰で、めまいが耳からも起こることが世に知らしめられた点と、逆に「めまい=メニエール病」と世間が認識してしまったという功罪もあります。

まあそれでも、時代と共に病気も原因が究明されてゆくのです。こらからも今は原因不明な病気もその原因が判るようになるのかも知れません。医学の進歩に期待したいものですscissors

2017年11月19日 (日)

世界を夢みて 66: ヴィエリチカ岩塩坑(世界遺産)

クラクフから南東15Kmにヴィエリチカという小さな町があります。ここは町の美しさのための観光地ではなくて、地下が重要な観光地となっています。

1250年から1950年代まで稼働していた、世界有数の岩塩採掘場がこの町の地下には編み目のように広がっています。この規模や美しさから1978年に世界遺産に登録されています。

ヨーロッパにはハルシュタット(ハルはケルト語で塩、ショットはドイツ語で場所)やザルツブルグ(ザルツはドイツ語で塩、ブルグは町)など岩塩が見つかった場所を中心に町が発展してゆきます。またイタリアの最古の道といわれるビア・サライアは「塩の道」の意味です。

周りを海に囲まれた私達は比較的塩を簡単に手に入れることが出来たため、この重要性を認識出来ないのかもしれません。

人間は塩がなければ生きることが出来ません。人間の祖先はアフリカ起源とされ、これがヨーロッパへと徐々に移動し、白人となって行きます。 しかし人間は塩がないと生きてゆけませんので、人の移動もヨーロッパの海岸沿いに沿って北上して行ったのです。そのため海から遠い内陸部には人は移動できませんでした。

ところがヨーロッパ大陸にはもともと海であった部分が隆起した所があり、その地下には海水が濃縮され、岩塩となって残っていた場所があったのです。 

この岩塩を探し出したお陰で人が住めるようになり次第に内陸にも人間が進出することが可能となります。 当時は塩は非常に貴重で金と同じ値段で取引されていたのです。この場所が見つかった国家は岩塩の採掘により莫大な富を得て、町を発展させていったのです。そのため国家は採掘場所を保存監視したのでした。

Th_dsc06993_2 このヴェエリチカ岩塩もポーランドの国家財政を支えた一つで、厳重に管理されたいました。現在観光客は地下64〜325mの約2.5Kmの採掘場のほんの一部を見学出来る様になっています。それでも巨大ですので迷子にならないためにガイドさんと一緒に入るようになっています。

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坑道へは抗夫達も使ったエレベータで降りてゆき、そこからガイドさんと共に2〜3時間のツアーとなります。

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後は入り組んだ道や大きな空間を通り奥へと進みます。

最初の空間ですが、補強のための木材以外は全て岩塩です。ちなみに歩きながら壁に付いた手を舐めても塩辛いですcoldsweats01

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全て塩の結晶で出来上がっています

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抗夫達が自分や家族を想い祈りを捧げたのでしょうか

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更に奥へそして深くなってゆきます。道も壁も天井も全て岩塩です。

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突然、地下の岩塩の採掘場に出来た巨大な空間、聖キンガ礼拝堂がみえて来ます。こんな場所が地下奥深くにあるとは想像出来ませんでした。遠景から眺めるだけで身震いする感動に襲われてしまいます。これも全てが塩で出来ています。

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この祭壇も全て塩で出来たものです

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天井から吊された巨大なシャンデリアも全て岩塩の結晶で出来上がっています

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聖キンガ礼拝堂の側面に彫り込まれた「最後の晩餐」のレリーフも全て塩で出来ています。

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地下深くには湧き水が出ますが、岩塩の中をしみ出ていますので、99%の飽和状態の水です。もしも泳いだら、有名なイスラエルの死海よりも軽々と浮くはずです(ちなみに死海の塩分濃度は40%程度です)

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この様に高い空間も存在します。

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ここの売店で売られていた塩の標本です。塩に含まれるミネラルの量で色合いが違うそうです。まるで水晶のような宝石に見えます。

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出口の近くには営業を続けているレストランもあります。この様な所でランチを食べてみたいですね。

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地上に出ると直営店もあり、様々な塩の商品を売っていました。高くもないのでここで自分用と友人用のお土産を買って帰りました。

**今回でバルト三国・ポーランドの旅も最後となります。すでに次回の場所も決めておりますscissors**

2017年11月17日 (金)

今週の生け花(平成29年11月第3週)

11月も中旬を迎え、日本列島にも寒波が押し寄せていよいよTh_img_6122_2 本格的な冬のシーズンとなりそうです。ここ南国の沖縄もだいぶ涼しくなりました。朝晩は少し寒い感じとなっています。それでも北の地方から比べると暑いぐらいかも知れませんが・・・

今週も生け花クラブの皆様が2階のいつもの場所にも生け花を飾ってくれていました。今週の生け花はしっとりと奥ゆかしい感じを受けます。

今回は丸い茶褐色の花器とそれと色を合わせたかのようなドラセナの葉を上手く使うことで落ち着いた雰囲気をだしています。その為に単独では目立つ、赤いカーネーションや黄色のガーベラも調和を保って飾られています。

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赤く細い枝はレッドウイローです、日本では赤柳と呼ばれています。丈夫で曲げても折れにくい性質があり生け花ではよく用いられています。単独で観ると人口的な色彩ですが、今回は赤いカーネーションがあるお陰で浮き足立っていない感じを受けます。

生け花の花の組み合わせ、色の組み合わせを見事に行える生け花クラブの皆様のセンスの良さが覗える作品となっています。

<花材:レッドウイロー、ガーベラ、カーネーション>

2017年11月15日 (水)

人間の持つ表現の力

東京国立博物館の興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」が開催され、多くの方が足を運こびその素晴らしに感動していると想像しています。知人もこの特別展を見学して、直ぐに「まるで生きているようだった、その迫力やエネルギーが強烈に伝わって来た」と感動のメールを送ってきた程でした。

本当に素晴らしい企画で、運慶関連の作品が一同に揃うのは今後もないかも知れないほどだと聞いています。可能なら沖縄から飛んで行って観てみたい思うのですが・・・weep

以前大学の医局時代は年に数回学会発表や研究会のおりに、可能な場合は博物館・美術館周りをしたことがありました。 運慶に関しては奈良東大寺の「金剛力士像」、興福寺の「無著菩薩立像」「世親菩薩立像」「四天王像」、浄楽寺での「阿弥陀如来座像」「不動明王立像」「毘沙門天立像」などを観たことがありました。

今思うと意外に観ていたのだと感心してしまいましたcoldsweats01。 金剛力士像や毘沙門天立像などの圧倒的な力強さだけでなく、今でも強烈に印象に残っているのは「無著菩薩立像」でした。 自分の心を見透かされているような怖さを感じたことがありました。 この印象は強烈に残っていたのですが、その理由がテレビで取り上げていた運慶展の内容で少し判りました。 

あの人を見透かすような眼は「水晶」で造られた「玉眼」だったからのようです。 ミケランジェロの作品は眼も大理石で出来ているためか、生きている人を感じることは出来ませんでした。 運慶の作品群は彫刻であると分かっていても、今も息をしている人の存在(体温)を感じることがありました。これまでは石ではなくて「木」で出来ているからと思っていたのですが、あの眼(玉眼)だったのだと気づきました。 

あまり東西の文化的なことを知らない私ですが、紫式部の時代から引き継がれる文学作品、北斎や歌麿などの浮世絵とヨーロッパ絵画、現代のアニメの原型になったのかと思うほどの鳥獣人物戯画の表現力、私が好きなミケランジェロの作品をも上回るような運慶の彫刻力などなど・・・・

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ヨーロッパと日本との距離、皮膚の色も体型、言葉さえもかけ離れているにも関わらず、表現様式は違えど、どれも素晴らしい作品を残している人間。ホモサピエンスの素晴らしさを実感してしまいます。

日頃、外科を専門としていることで、人間の体の仕組みを科学的な見地から理解しようと試みているだけでも、人間の身体の素晴らしさが分かる気がしてきます。

ただ人間の体(生命)の仕組みが素晴らしいだけでなく、人間が作り出す作品もまた素晴らしく感じます。 

美に関して、先天的なのか後天的なのかと論じられることもあります。 

私がヨーロッパや日本での文学、美術、音楽などを直接観て感じるのは、「美」を作る出す本質的な部分は先天的であり、後天的な環境により異なる表現方法になるのではないかと考えてしまいます。 人間はそれぞれの環境の中で皆等しく素晴らしい力を持っているのだと思うのです。人間の英知に乾杯です!heart04

2017年11月12日 (日)

青春の影(チューリップ)

先週のタイトな一週間を終え、やっと昨日夜にギターを弾けました。チューリップ青春の影を録音してみました。このタイトルを見ながらいつも対比してしまうのがジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)が1967年に唄った「青春の光と影:Both sides,now」です。この曲は何も知らなかった青春(思春期)時代の希望と光の世界から、現実が徐々に分かった来た青年期へと移り変わる心の動きを表現した非常に哲学的な歌詞の内容で、この美しい旋律と共に今でも世界中で歌われている曲だと思います。

Th_101 ジョニ・ミッチェルは青春の光にも影にも言及しているのに、チューリップの歌のタイトルは「青春の影」で「影」しかありません。悲しく暗い曲かと言うと、そうではなくて光りの方が強い歌詞となっています。なぜそのタイトルになったのかは分かりませんが、この曲も美しい曲です。

仕事をとるのか愛をとるのかという単純なことではなく、どちらも自分の生き様であること、運命という抗えない流れにも翻弄されるのが人生なのだと考えながら唄って見ました。皆様方の受け取り方も様々でしょか? 秋の夜長に色々と考えてみるのもいい時期ですねheart04 もし宜しければお聴き下さいmusic

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2017年11月10日 (金)

今週の生け花(平成29年11月第2週)

11月も第2週となり、この週末は日本列島に寒気が流れ込むようで、一気に冬の気配が増すかも知れません。沖縄も涼しくなりますが、この時期になると寒さに弱い私としては沖縄でよかったと思います。20度を切ると冬眠体勢に入ってしまいますcoldsweats01

今週はタイトなスケジュールに見舞われ、今日も朝からノンストップで12時間が経過して、やっと一息しています・・・コーヒーを飲みながらノンビリと・・・・ア!・・・今週の生け花の紹介をするのを忘れたと・・・もぞもぞとブログを書いているしだいです。それでもこの生け花を見ると元気が出て来ましたscissors                   Th_img_6094

今週も2階のいつもの場所に生け花クラブの皆さんがお花を飾ってくれていました。
本当に疲れを吹き飛ばすほどの元気があるお花達です。

前方と側面に穴が開いている少し変わった形の花器が使われています。この様な形のお陰で奥行きのある花を配列することが出来ます。

花器の色が茶褐色で落ち着いているせいで、より花の色が際立って来ます。もう1つ葉を落とした雲竜柳の蛇行した枝のお陰で、中心部の花がギュッと濃縮された印象を与えてくれています。

グラジオラスのピンクの花々が目立っています。私的にはグラジオラスは夏のお花のイメージですが南国沖縄では今でも開花して売っているのでしょうか? ともあれアヤメ科のグラジオラスはオランダショウブを呼ばれるだけあって、目立つ花なのですが、柔らかいイメージを与えてくれます。 

グラジオラスと言う名前はなんと古代ローマの剣であるグラディウスに由来するそうですがこの可憐な花と剣はあまり想像出来ません。 そう言えば第73回アカデミー賞と第58回ゴールデングローブ賞を受賞した剣闘士の映画のタイトルも「グラディエーター」でした・・・・ごつい剣闘士が剣ではなくてピンクのグラジオラスの花束を抱えて歩いたら可愛いのだろうかと・・・つい訳の分からない想像をしてしまうのです(今日は私の脳も疲れていますcoldsweats02

Th_29112 花器とグラジオラスの間に配置した、スプレーカーネーションの色が実に絶妙です。この色使いしかないと言わんばかりにマッチしています。生け花クラブのセンスの良さを感じます。 今回はこれだけでも十分な気もしますが、普段は目立つ黄色のヒマワリも脇役程度に飾りつけられています。

・・・また余計なことを書いてしまいましたので生け花クラブの皆様に怒られそうですrundash

少し元気が出ましたので、これから病室に上がって患者さんの顔をみたら帰ることにします。 これから寒くなりそうですので、温かくしてお過ごし下さいねheart04

<花材:雲竜柳、グラジオラス、ヒマワリ、スプレーカーネーション>

2017年11月 8日 (水)

めまいと吐き気

めまいと言っても違うタイプのめまいがあります。 自分自身あるいは周りがぐるぐる回るように感じる「回転性のめまい」、体がフラフラする、真っ直ぐ歩けないなどの「浮動性めまい」、目の前が暗くなる、立ち上がるとクラッとする、心神を伴う等の「立ちくらみ」もめまいの1つになります。
Th_3e74a33baa25f9f1602a26a8b7a974f7 回転性のめまいの多くは耳の異常から来ますが、その次ぎに脳の異常でもおこります。浮動性のめまいは中脳などの脳の病気で起こることが多く、立ちくらみなどは血圧の低下など循環器系が原因となることが多くあるのです(もの凄く大雑把に捕らえてです)

めまいは何となく頭や耳の感じですし、吐き気は消化器の症状のように思えます。しかし日常では「めまいと吐き気」が同時に起こることもしばしば経験します。

耳や脳の病気が原因のめまいもひどくなると中枢神経に作用し嘔気・嘔吐を伴うこともよく経験します。

私の専門外ですが、妊娠初期に起こるつわりも吐き気とめまいを伴うことが多く、ひどい場合は妊娠悪阻といって入院が必要な場合もあります。受精・着床し胎盤が形成される時期につわりが起こって来ます。急激なホルモンバランスの影響、胎児もお母さんとは違うための拒絶反応、妊娠初期の不安定な時期に妊婦の安静を計るため、精神的肉体的なストレスのため等が言われています。今後もってと解明が進むと思います。Th_652777  

米国の学会誌「JAMA Internal Medicine」の2016年9月版のつわりが重いと流産の確率が減ると載っていましたので、つわりによって妊婦に妊娠していることを知らせながら、安静や食事制限を強要しているのかも知れません。 つわりになったことのない私としては女性の皆様大変だと思います。

食中毒やウイルスなどによって引き起こされる胃腸炎についても嘔気を伴うことが多くあります。この作用には体外から原因物質を早く除去するために吐いたり、下痢を伴うこともあります。それにより脱水になったり、電解質がくるうこともあり、それによってめまいを来すこともしばしば経験します。

自律神経失調症、うつなどの精神的な因子によっても、嘔吐とめまいを伴うこともよく経験します。

人間の体は不思議です。繋がっていないようで繋がっている病態も沢山あるのです。どんなに医学を勉強しても(私が勉強が足りないだけかも知れませんが・・weep)人間の体は神秘的です。

2017年11月 5日 (日)

世界を夢みて 65 : アウシュビッツ収容所・ビルケナウ収容所

今回の旅のある意味の目的地アウシュビッツ収容所ビルケナウ収容所を訪ねることが出来ました。私に取って25年前のポーランドでは訪れませんでしたので、今回が初めてとなります。

今回のツアーの中で数人の方はカウナスでのショッピングのため、アウシュビッツを訪れない方がいました。こんなことを書いたら失礼かも知れませんが、ここまで来たらアウシュビッツを見て欲しかったです。 もしも外国の方が広島を訪ねたら、たこ焼きや買い物をするだけでなく、どうか広島の平和公園や原爆ドームを見て帰って欲しいと願うからです。現地のガイドさんも多くの方が負の財産だけどどうか見て感じて帰って欲しいと話をしていました。

その方に大変失礼と思いますが、同じ日本人として悲しく思いました。嫌なことに目を背けては正しい判断が出来ないと思うのです。私自身も旅行の後半で、この様なつらい場所をみる事に心が重くなりました。 しかし本当に訪ねてよかったです。 人間はこうも残酷になれること、それは私自身が残酷な人間にもなり得ることを思い知らされたのです。 そうならない為にはどうすべきか心の奥にこの場所を焼き付けて置きたいと願いました。

今回の旅行は比較的天気に恵まれていたのですが、この日は朝から雨模様で更に気持ちが暗くなりました。 バスを降りて入り口に向かうと世界中から老若男女を問わず沢山の方々が施設の入り口へと列を作っていました。入り口で1人1人チェックがなされて入ることが出来ます。

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アウシュビッツ収容所第1収容所の門にはドイツ語で「ARBEIT MACHT FRE!」(働けば自由になる)と書かれています。しかしここに入った殆どの収容者は悲惨な労働の後に帰えることはありませんでした。収容された方々はユダヤ人が多数を占めますが、政治犯、ロマ・シンティ(ジプシー)、精神障害者、身体障害者、同性愛者、捕虜、聖職者が含まれていました。

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入り口を振り返った写真です。もう2度と出ることが叶わない場所です

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中に入ると沢山の収容施設が並び、電気が流れた鉄条網に監視小屋があり、逃げ出すことは不可能でした。

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その一角に花束が置かれた「死の壁」と呼ばれる場所があります。この場所に何人もが立たされ銃殺刑に処された場所です。

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各地から集められた収容者は次々と増え、ナチスは効率良く殺す手段を研究します。それが毒室です。その小さな場所に入りきれない程詰め込めた後、毒ガスが注入されて殺戮されてしまいます。その後死体を効率良く移動するために、滑車がしかれています。人間は1度正気を失なうとこの様な事も行うことが出来るのです。これが戦争の正体です。

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アウシュビッツの建物の奥に大きな写真が棟の前に飾られていました。カトリック聖職者のコルベ神父の写真です。最後は収容所で「餓死刑に選ばれた男性の身代わりとなって」殉職した神父さんで「アウシュビッツの聖者」と呼ばれています。この様な方が居たお陰で私達人間は救われる気がします。この場所は人間の残虐さと崇高さを同時に味わう場所となりました。

コルベ神父は多くのカトリック教信者を抱えるポーランドで尊敬を集める神父さんです。実はコルベ神父は1930年から1933年まで長崎を中心に布教活動を行い日本のキリスト教関係者でもとても有名な方だったとのことでした。

アウシュビッツ収容所第1収容所(基幹収容所)だけでは収容できずに、アウシュビッツ市には次々と広大な収容所が作られて行きます。

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私達は今度はバスで15分ほど移動して、アウシュビッツの第2強制収容所(ビルケナウ収容所)に向かいました。この施設は東京ドームの37個分もある広大な収容所で、建設にはソ連兵の捕虜が使われ、その後各地から汽車でユダヤ人が強制収容されます。「死の門」といわれる場所です。列車ごとこの門をくぐり、強制収容されてゆきました。

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死の門から収容所内に伸びる鉄道引き込み線です。今は緑の生えた土地ですが、ここにヨーロッパ各地から汽車に立錐の余地もないほど詰め込まれたユダヤ人が降り立ち、身の回り品を没収され、働けるかどうかで選別されて行った場所です。

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収容所内は何段ものスペースが区切られそれぞれの段に何人もが不衛生な状態で寝て暮らし、強制労働を経て、暫くするとガス室へと送られた行ったのです。

ここまでご覧になって頂き有り難うございます。

気分の良いものではありません。しかし私はこんなひどいことが出来る人間でも、それ以上に素晴らしい人間が沢山いることを信じているのです。いつでも希望の光は私達の心の中にあると考えていたいのです。

2017年11月 3日 (金)

今週の生け花(平成29年11月第1週)

今日は11月3日文化の日です。沖縄は晴れ渡り清々しい風が駆け抜けています。私も穏やかな時間を過ごしています。日々の慌ただしさに追われて自分を見つめ直すことも疎かになってしまっています。 私は公休日のなかで「文化の日」が1番好きです。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨として制定されました。
人間が人間たり得る知性を感じてしまいます。

Th_img_6068 今週も生け花クラブの皆様が2階のいつもの場所にもお花を飾ってくれていました。

硬い岩のような花器の上に雪冠杉の緑と黄緑の葉が伸びやかに広がっています。その間から、赤いグラジオラスと黄色いヒマワリが柔らかく輝いています。その左には葡萄の実のでしょうか? 赤紫の落ち着いた色合いで調和しています。

夏の太陽の下で輝く大輪のヒマワリ以外に沢山の種類のヒマワリがあります。今回のヒマワリはレモンエクシアやゴッホのヒマワリに近い品種でしょうか? 糸菊のように細い花びらが印象的です。華奢ですが情熱を感じさせてくれるヒマワリです。

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ヒマワリはゴッホやモネなど多くの画家が描いていますし、ヨーロッパの旅行の際に辺り一面ヒマワリの畑の中を歩いたこともありました。ヒマワリはヨーロッパの印象があるのですが、原産国は北アメリカ西部だそうです。コロンブスの新大陸発見後ヨーロッパに広まったようです。花を愛でるだけではなく油をとったりと農作物として植えられたいます。 ヒマワリはペルーでは太陽神の象徴として崇められ、ヨーロッパに渡ったときも「インディアンの太陽の花」「ペルーの黄金の花」と呼ばれたとのことです。

本土の方では晩秋を迎えるでしょうか。沖縄は1番過ごしやすい時期を迎えています。

<花材:雪冠杉、グラジオラス、ヒマワリ>

2017年11月 1日 (水)

イビキは危険な信号かも:睡眠時無呼吸症候群

今日のFM放送ははイビキと睡眠時無呼吸症候群Sleep Apnea Syndrome:SAS:サス)について話をしました。

毎日のようにいびきをかく人は、日本の人口の約30%で、中年以上の人では、50%以上になるといわれています。

イビキは、睡眠中に上気道(ノド)が狭くなり、空気が通るときノドが振動して音が鳴ることを呼んでいます。気管支喘息のような気道の狭窄で起こる音(ヒューヒュー音)ではありません。

外国の方は殆どが肥満の方なのですが、日本人は顎が小さい方も多くこの場合は肥っていなくても口腔内が狭いのです。肥っていると口の中に頬も舌も飛び出してきて口峡部が狭くなります。皆様方も鏡の前で多く口を開けて見て下さい。

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上記のクラスⅠ、Ⅱならいいのですが、Ⅲ、Ⅳはイビキをかきやすくその結果睡眠時無呼吸になりやすい状態と言えます(全身麻酔では気管にチューブを挿入しますので、声門が見やすいかどうかで挿管がやりやすいかどうかある程度分かります。上記の図は挿管困難な方かどうかの目安にも使われています)。

狭いだけならイビキだけですみます。さらには吸い寄せられてられると息が出来ない閉塞した状態となります。 振動するだけならイビキ、閉塞すると無呼吸ということになり、いろいろ体に負担をかけた睡眠時無呼吸の状態となってしまいます。

<SASは命を縮める原因ともなりますので要注意です>    

Th__4 睡眠時無呼吸症候群はその名の通りですが、その定義は無呼吸(10秒異常の呼吸の停止)が頻繁に(1時間に5回以上)起こり、昼間の眠気など様々な症状が引き起こされる病態をよんでいます。 

自分では意識しなくても、無呼吸が続くと脳が短時間目覚めて(覚醒反応:本人は覚えていない)、息を吸えるよう努力するのです。 それは無呼吸から身を守る覚醒反応で一晩に数百回もおこると、睡眠はとぎれとぎれの質の悪いものとなります。

 

例えば普通に寝ている方の、鼻をつまんで息が出来ないようにして、動いたらはなしてを繰り返す様なもので、SASの状態は覚えてなくても拷問みたいなものなのです。それを想像するとこの病気の怖さが理解出来ると思います。

SASの患者さんは正常者に比較して、高血圧は2倍、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞などの心臓病)は3倍、とくに習慣性の強いいびきがある場合の方の心筋梗塞発生頻度は4倍、脳卒中は4倍、さらに日中眠気に襲われたり、集中できないため、交通事故は7倍多くなるとと報告されています。

 

中等症・重症の睡眠時無呼吸症候群は重度に死亡率が大幅に上昇します。厚生省研究班の調査では、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が20回以上おこる場合の5年間の死亡率は16%と報告されています。8年で死亡率40%という報告もあります。これは平均寿命にして約年短くなると言います死因は脳梗塞、心筋梗塞など。睡眠中や朝方に死亡する例が多いとされています。

イビキや睡眠時無呼吸を家族に指摘されたいる方、家族がいない場合は分からないこともあるでしょうから、昼間の眠気が強い、ボッとする、体がだるいなどの場合はセルフチェックをしてみて、クラスⅢ、Ⅳなら呼吸器外来を受診された方がよいかも知れません。

2017年10月29日 (日)

世界を夢みて 64: クラクフ市内観光 No2

城門を降りて、今度はクラクフの旧市街地へと向かいました。ポーランドの首都がワルシャワに移る以前の約500年間はクラクフが首都として発展していました(1038年〜1569年:ポーランド王国、1569〜1596年:ポーランド・リトアニア共和国)。

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クラクフの旧市街を外敵から守っていた城壁は19世紀には取り壊されてしまいますが、その一部が残存しており、北の入り口のゲートがフロリアンスカ門で1300年頃に造られたそうです。

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このフロリアンスカ門を防御する砦が1498年に建てられたバルバカンという円形の要塞となっています。

ヴァヴェル城の城門、フロリアンスカ門をくぐると美しく整備されたクラクフ旧市街に出ます。歴史的な建物と綺麗な石畳を歩くと、急に大きな広場にでます。

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この広場がクラクフの中心地の中央広場となります。多くの観光客で賑わったいます。何となくベネチアのサンマルコ広場を思い出す雰囲気がありました。この広場の総面積は4万㎡で、中世から残存する広場としてはヨーロッパでも最大級だそうです。

広場の中央に真っ直ぐ並んで建っているのが、織物会館と呼ばれるルネッサンス様式の14世紀の建物です。当時ここで衣服や布地の交易所だったためにこの名前がついています。

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現在は1階の中央部分はまるでアーケード街の様で、両サイドに民芸品やアクセサリー、刺繍などの店がぎっしりと並んでいます。買い物客や観光客でいっぱいです。2階はクラクフ王立美術館となっています。地下も地下博物館として2010年よりオープンしています。

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中央広場に面して、1222年に造られたゴシック様式の大きな建物があります。広場に面した部分は二つの塔が建っていて、その左側の最上部の窓は開けられる様になっています。モンゴル軍がクラクフを襲撃した際に、襲撃を知らせるラッパがこの部分から鳴らされたのです。しかしその時にモンゴル兵の矢によりこのラッパを吹いた方は死んでしまいます。

そのことを悼んで、今でも1時間おきに、この窓が開いて,実際に本物のラッパ吹きが時間を知らせてくれます。このことを知っていて観光客もこの時間には集まって来ます。最初音は聞こえるのですが、高いためにどこにいるのか気がつきませんでしたが、吹き終わった後に私達に向けて手を振ってくれたのでこの場所が分かりました。

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聖マリア教会は外壁は茶色で余り目立たないのですが、その中に入ると印象が一変します。ステンドグラスや目を見張る装飾品で飾られ、特に15世紀に作られたファイト・ショトーズ(Wita Stwosza)の祭壇は国宝に指定され、光輝く聖母マリアの被昇天を現しています。

ここで載せられないほど沢山の綺麗な風景がありますが、夜のクラクフの街もまた素敵でした。

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柔らかい光の中で、中世の世界に迷い込んだようです。

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綺麗に着飾った観光馬車もこの街に溶け込んだ風物詩のようでした。

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沢山写真を撮った中でもお気に入りの一枚です。偶然夕食の待ち合わせ場所で気がついて慌てて写真を撮った場所です。ヤママテイキ広場の騎馬銅像(グルンヴァルト戦勝記念碑)がライトにアップされ、隣の建物に影となって投影されていました。一瞬この幻想的な景色に時間を忘れそうになってしまいました。

美しい空間に身を置くほど贅沢な時間はありません。

遙か東の国と思えたポーランドも13世紀にはモンゴルの襲撃をうけ、クラクフの街も破壊され、人口も減少しますが、次第に復興してゆきます。14世紀からは国王自らユダヤ人を積極的に招き入れ、国力を増してゆきます。そのためにポーランドにおいてユダヤ人が多く住むことになり、そのためにナチスによるユダヤ人の虐殺がポーランドを中心に行われていってしまったのです。

2017年10月27日 (金)

今週の生け花(平成29年10月第4週)

Th_img_6048 10月も後半になりました。台風22号が明日、明後日にかけて沖縄本島を直撃しそうです。
いつも台風の進路を観ながら思うのですが、太平洋はこんなに広いのになんで向かってくるのよ。沖縄観光でもしたいのと。 実にシャクに障る進路方向です。 

病院も対策を講じなければなりませんし、私にとってはいつから病院の外来などを中止するかを決めなければなりません。一番このことが大変です。 今回も気象台の予想とにらめっこで眠れそうにありませんweep

こんな外の世界とは関係なく、2階のいつもの場所に生け花クラブの皆様がお花を飾ってくれていました。Th_29104_2

今週の生け花は観音竹の葉が瑞々しく伸びやかな印象を与えてくれています。丸くオレンジ色の丸い実が連なっているのは月桃の実です。月桃は白く柔らかい花が咲いたあとこの様に丸い実をつけます。お花の香りがいいので月桃の花が咲く季節は嬉しくなってしまいます。普段は実の生る頃には注目されません。生け花ではこの様な使い方は新鮮です。

それに観音竹に負けないぐらい、キラキラと輝いているのが、唐辛子です。赤い実をつけた唐辛子を前方と中段配置する位置どりも見事です。

<花材:観音竹、月桃、唐辛子>

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今回は生け花クラブの年2回(?)の発表会もあり、病院の入り口や表示板などの前に生け花クラブの作品が一同に飾られています。

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外来受診や入院、検診などで来られた方が足を止めて作品を眺めていました。少しでも皆さま方の気持ちが穏やかになれれば嬉しいなと感じながら、外来の診察を終えて上がって来ました。

2017年10月25日 (水)

慢性腰痛症の85%は原因がつかめず

厚生労働省の国民生活基調調査の中で、自覚症状の統計があります。これは病名ではなくて、国民が日常生活や病気、怪我などで実際に感じている症状についてアンケートした結果です。                               Th_5faaa39901ced4ee5c32b49325c17c22

公表された最新のデーターは平成25年版で、それによると、男性の場合の自覚症状は多い順番に①腰痛 ②肩こり ③鼻がつまる・鼻汁が出る ④咳や痰が出る ⑤手足の関節が痛む となっています。女性では①肩こり ②腰痛 ③手足の関節が痛む ④体がだるい ⑤頭痛 となっています。いずれも関節に関しての訴えが多く、腰痛が全体で一番多いことがわかります。                               

上記アンケート調査での回答の腰痛は、いわゆる慢性腰痛をさしていることが殆どと思います。腰痛は多くの日本人が感じていることですが、実は正確な診断がつくのは15%程度で、残りの85%は明かな原因を絞れない状態で、深刻な病態ではないと考えられています。

私達の腰回りは 体を支える大黒柱の脊椎(腰の部分は腰椎)、周りの様々な筋肉、神経、結合組織、皮膚などからなっています。 上半身を支え、前後左右の運動をしなければいけません。 腰は姿勢を維持するだけでも沢山の努力をしないといけないので、絶えず緊張(ストレス)を強いられている組織でもあります。 

この腰回りだけでなく、例えば尿管結石などの泌尿器疾患、生理痛を含めた婦人科疾患、便秘や腸炎などの消化器疾患、大動脈瘤などによる神経の圧迫、さらには精神的な要因でも腰痛として出現することがあるのです。

多くの腰痛は原因が不明(対症療法や運動療法しかない)ですが、重篤な脊椎疾患(腫瘍、炎症、骨折など)の合併を疑うべき危険信号として,腰痛ガイドラインで示しているのは、①発症年齢は20歳以下または55歳以上の場合、②時間や活動性に関係ない腰痛、③胸部痛、④癌、ステロイド治療、HIV感染の既往、⑤栄養不良、⑥体重減少、⑦広範囲に及ぶ神経症状、⑧構築性脊柱変形、⑨発熱・・・を伴う場合は黄色信号としています。

Th_e4c3ccc34f5c9996c1c3c6b54c98aa40 慢性腰痛に対する痛み止めや湿布は有効であろうとしています。運動療法に関しては慢性期に対しては有効であろうとしていますが、具体的に飛び抜けた運動療法はないとされていますので、現時点では一般的な腰痛体操でいいと考えられています。

そのこともあり腰痛の診断、治療、予防などに関しても多岐にわたって賛否両論が出ているのが現状です。 それでも先ずは慢性の腰痛がある場合、整形外科、内科、精神科、泌尿器科、婦人科、外科など様々な分野での診察が必要となることもあります。その中で診断がつけば治療を優先し、はっきりしなければ対症療法でよいかと考えています。

 

2017年10月22日 (日)

風の中に答えが

私の好きな曲の中にボブ・ディランの「風に吹かれて」があります。

なあ友達よ、その答えは風の中に・・・

・・・私達はいつも答えを見つけ出そうとしているかも知れません。その答えは掴むことが出来ない風の中、それも淀んだ空気ではなく、常に移り変わる風のなかです。 爽やかな風、優しい風、叩き付ける強風、冷たい風・・・色々な風を感じながら生き続けています。

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答えは掴むことが出来ない。しかし掴むために日々を生き抜いているのが人間ではないのかと・・・ふと珍しく哲学的なこと考える秋の1日です。

 

2017年10月20日 (金)

今週の生け花(平成29年10月第3週)

10月も第3週となりましたが、沖縄地方はだんだんと雲が厚くなって来ています。まだ風雨は強くありませんが、明日、明後日と台風の影響を受けそうです。Th_img_6005
本土の方も雨が強くなる地域もありそうですので十分気をつけて欲しいですし、選挙の投票日も気になると所です。

外の状況はどうであれ、いつもの2階の角には爽やかな秋風が吹いています。今週も生け花クラブの皆様がお花を飾ってくれていました。有り難いことですheart04

今週の生け花はもちろん黄色のヒマワリが目立つのですが、これよりも先に流木のような枯れ木と花器の組み合わせに眼が止まってしまいました。 熱帯魚をやっている方にとっては水草水槽のレイアウトとして、この様な流木をよく使います。緑の水草の中に古い流木を使用するとより緑が鮮やかになることで使うケースが多いようです。

Th_29103 しかしながら生け花では少し枝が伸びたような古木を使っているのを見たことがありますが、この様に重そうなどっしりとした木を使うのは始めてみました。それに2つの花器を組み合わせるのも実に斬新です。 

大きな帆のようなハラン、ドングリのような形の赤い実のヒペリカム、丸い赤い実の梅擬きもアクセントがあります。

ヒペリカムは黄色の可愛らしい花を咲かせますが、今度は実も綺麗な形ですので、花の時期も実の生る時期も楽しめます。

梅もどきは葉や枝振りが梅に似ているので名付けられているそうです。この実は「発芽抑制物質」を含んでいるそうで、鳥に食べて貰いその種を出すことで発芽するという巧妙な仕組みを持っているそうです(急に偉く思えてしまいましたcoldsweats01)。

次第に台風が近づきます、どうか被害が少ないことを祈りたいです。

<花材:ヒマワリ、ハラン、ヒペリカム、梅もどき、流木、ゼンマイ(加工品)>

2017年10月18日 (水)

世界を夢みて63:クラクフ市内観光No1

ワルシャワからバルト三国・ポーランドの旅行の最終地点となるクラクフへと向かいました。

クラクフは11世紀から1596年の約550年間ポーランド王国の首都として栄えた都です。当時のクラクフはボヘミアのプラハ、オーストラリアのウィーンと並ぶ中欧の文化都市として発展します。 ヴィスワ川に面したなだらかな丘の上に歴代の王の戴冠式を行ったヴァヴェル城が建っています。

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バス停を降りて、ヴァヴェル城に向かう道の右岸面は芝が植えられており、多くの市民が日光浴を楽しんでいました。その岸辺は遊覧船の発着場となっています。

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次第にお城が近づき、高いお城の城壁の部分に人だかりが出来ている場所がありました。大きな竜の像が立てられていて、多くの方が写真を撮っていました。なんと1〜2分毎にドラゴンの口から火を放つのです。どうりで子供達が熱心に見ている訳です。

この場所は竜の洞窟があった場所で、伝説によると、昔ヴィスワ川に悪い竜が住んでいて、美しい村の娘をさらって食べていたそうです。王の娘もこの危険にさらされます。村の靴職人が、竜を欺してタールと硫黄を染み込ました羊を食べさせます。竜は喉の渇きに襲われヴィスワ川の水をガブ飲みつづけ、とうとう破裂して死んでしまいます。それによって靴職人の若者は王女と結婚できたという伝説があり、立派に国を治めましたとのこと・・・scissors

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なだらかな坂を城門に向かった歩いて行くと、次第にクラクフ全体が見渡せるようになり、心地よい風が吹き抜けてゆきます。その先には大聖堂旧王宮などの建物があります。

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城門の中は思ったより広く、綺麗に花々が植えられているだけでなく、その向こうの美しい形をした大聖堂みえて来ます。その景色はまるで美しい絵画のように思える程です。 

この大聖堂は長い間、ボーランド国王の戴冠式などが行われ、それまでの国王の墓所ともなっています。長い間に幾度も増改築を繰り返したために、様々な建築様式をみることが出来ます。尖塔だったり丸かったりと形も様々ですが、それでもまとまった美しい大聖堂です。Th_dsc06342

この大聖堂の中は撮影が禁止のためにお見せできないのですが、煌びやかな装飾、王墓なども世界的に美しいと言われているほどで、ため息が出るほどです・・・写真が撮れたら最高だと思いますが・・・

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そこから直ぐに旧王宮に入ることが出来ます。四方が囲まれた広場の中央に立つと360度美しい建物の中にいる実感が湧いて来ます。今は博物館として使用されています。

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規模は小さいのですが、この中には世界的にも有名で貴重なレオナルド・ダ・ヴィンチの「白テンを抱く貴婦人」を所蔵しているチャルトリキス美術館でしたが、2012年から2017年5月まではこの王宮の1室に展示コーナーが変更になり、私の方は王宮でこの絵を見ることが出来ました(展示もこの一枚だけで20分単位で20〜30人までの枠で入ることが出来ます)。 世界的にあの有名なダビンチの油絵のポートレートは世界に3枚(4枚?)しかないのです。この一枚をみるために世界から多くの愛好家も訪れるそうです。 

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品は沢山ありそうですが、他者を描いた油絵のポートレートは「モナリザ」「ミラノの貴婦人の肖像」とこの「白貂を抱く貴婦人」だけということです(ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像を加えると4点?)。

ダビンチの絵はモナリザもそうですが、肖像画の背景も緻密なほど細かく描写されているのですが、この「白貂を抱く貴婦人」では修復の過程で殆ど黒く塗りつぶさてしまい、どのような背景だったのが分からなくなっているとのことです。そのことを考えると複雑な思いですが、背景が黒いお陰でこの貴婦人のやや赤みを帯びた顔の白さが浮き上がって来る気がします。私の様な美的感覚のない者が表しても愚かなことですが、折角だったら、ごつい手ではなくて繊細で華奢な手を描いて欲しいと感じてしましましたcoldsweats01

2017年10月15日 (日)

時のしずく (ビリー・バンバン)

八月後半から先週まで色々なことが重なり、ギターを弾くこともなく追われる日々を過ごしていました。今週のFM放送で久々にビリー・バンバンの曲をかけました。私はこれまでふたり兄弟のフォークデュオと思っていたのですが、長男さんがおられて彼らは次男・三男のコンビだったとのことです。 1969年に「白いブランコ」でメジャーデビューをし、1972年「さよならをするために」で紅白にも出場します。それ以外にも「れんげ草」「また君に恋している」などが有名でしょうか?

Th_ これまであまり聴いたことはなかったのですが、「時のしずく」という曲を彼らが唄っていて、この曲の歌詞とメロディの美しいことに感動しました。 作詞は渡辺なつみさんで、作曲はビリー・バンバンの菅原進(三男)が担当しています。

渡辺なつみさんの歌詞が美しいです。「雨だれの音 夜にこぼれて」で始まります。「ひとしずくひとしずく 舞い降りるあの笑顔」・・・この歌詞とメロディーが水に溶け込むように調和していて、酔いしれてしまいそうです。

聴いたことのない曲ですが、さっそくネットで歌詞とギターコードを見つけて唄って見ました。暫くギターを弾かなかったせいで押さえる指が痛いですweep

ビリー・バンバンのように綺麗には歌えませんが、代わりに綺麗な画像をつけましたのでよろしければ御視聴下さい。

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2017年10月13日 (金)

今週の生け花(平成29年10月第2週)

10月も中旬になりました。沖縄は穏やかな天候(?暑い)が続いています。夏場に大きな台風が来なかったことや少雨が続いていて、農家の方は水不足がTh_img_5985 心配となっているとお聞きしました。
確かにこの夏は私達の病院からも那覇市内を挟んで遠くに慶良間諸島がよく見えますし、海も青く輝いています。美しい景色が広がっています。

今週も2階のいつものスペースに生け花クラブの皆様がお花を飾ってくれています。外来や内視鏡室に向かいながらこの花を見ながら、ホッとする瞬間が嬉しいです。

今週の生け花は面白い組み合わせで、おのおの特徴的な花材を良くまとめ上げているなと感心します。
まず目に飛び込んで来るのは、ユニークな形をした花器と沢山の小さな実をつけた豆柿です。豆柿は中国が原産で、古い時代には日本にも渡来して柿渋を摂るために栽培されたようです。沖縄で見たことがない柿ですので、主に寒い地方で栽培なのでしょうか? 信越から東北にかけてよく栽培されているために「しなのがき(信濃柿)」とも呼ばれるそうです。

Th_29102 今日の豆柿は黄色ですが、その後黒紫色に熟し、渋みもとれて食べることも出来るとのことです。1度食べて見たいですねhappy01

この豆柿の対角線上の根本にあるスプレー菊の花弁が放射状に伸びていてその形もユニークで目立っています。リンドウドラセナも控えめですし、普段なら赤いガーベラは目立つのですが、豆柿とスプレー菊のユニークさに押され気味になっています。 

今回正面だけからは判らないかもしれませんが、もう一つ秘密があります。花器を2個前後に並べることで立体感や奥行きが出ています(下の写真)。

本土の方では一次的に温かくなったようですが、これから徐々に冷え込んで秋を深めて行くのでしょうね。沢山の美味しい果物も味わうことが出来る季節なのでしょう。綺麗な花を眺めながら美味しそうな果実を想像する贅沢な季節ですねshine

<花材:豆ガキ、ガーベラ、スプレー菊、リンドウ、ドラセナ>

2017年10月11日 (水)

昔は心(精神)は心臓にあると考えられていた

今日のFM放送は不整脈について話をしました。以前ブログに不整脈の種類については記載しました(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/20130626fm-5a8b.html )。

旅行記の中で、生涯戻ることが出来なかったポーランドへの望郷の思いで、フレデリック・ショパンはフランスで亡くなる直前に、姉に自分が死んでも心臓はポーランドに戻して欲しいと嘆願したことを書きました。ショパンの死後、心臓はワルシャワへ運ばれ聖十字架教会に安置されています(http://omoromachi.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/61no1-3ba2.html )。

それは当時心(精神)は心臓に宿ると考えていたからで、肉体は異国(フランス)にあっても心はポーランドの戻りたいとのショパンの希望だったのです。

Th_e8f28c732664743eccb1708dd6cc10c7 古今東西において、生命の首座や心は心臓にあったと考えられたいたようです。心臓の脈は自律神経によって支配されています。私達が念じても心臓は速くなったりしませんが、走ったりすると心臓は速く動きだします。 ビックリしたり胸が躍る経験をすると心臓が高鳴り、はち切れそうになります。私達は心が動く場面で心臓の鼓動を感じることがあります。 この様なことから、心(精神)=心臓と考えられていたのです。

当時は恋をして胸が高鳴っても脳がそうしたとは考えていなかったのです。心の動きを心臓がドキドキすることで私達は心臓の存在を感じることができ、心は心臓にあると考えたのです。

もう一つ、これも古今東西を問わず、心臓が物事を記憶する場所としても捕らえられたようです。ラテン語やイタリア語、英語などで「心臓」が記憶する場所として記載されているのです。「Heart」を辞書で引くと動詞の部分で「・・・を心に銘記する」「・・・を肝に銘じる」と出てくるはずです。そして私達日本人も「心にとどめる」とか「心に残る」などの表現があるように心臓で記憶していたと考えてたのですね。

心臓より複雑で緻密な作業を行う脳の機能についてはあまり知られてなかったので、精神的なことも記憶することも心臓が行っていると考えたのも無理はないことですね。

まあ恋をして「心がときめいて」胸に手を当てて祈ることはあっても「頭に手を当てたら」熱でもあるのといわれるのがおちです。やはり胸がキュンとするのは心臓なのでしょうか?

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